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第102話:懐かしい香りとともに思い出すのはいい思い出

やってきました共和国!

今回は一人で来る予定だったんだけれど……。

「なんで三人共いるんだよ!」

「そんなの一人で危ないところに行かすわけないだろ!?」

「そうですよ!子供達のことはお義父様やお義母様にお任せできますけど、あなたのことは誰にも任せられないんですから!」

「そもそも何故一人で行けると思っておったのだ?」

「う、うーむ、一理どころか二理も三理もある……。」

確かに戦が起きている国に行くって言って一人は無理かなとは思っていたけども!

普通に伴侶がついてくるとは思わんやん!

いや村人の誰かがついてきても「なんで!?」とはなるけど!

子供へのアフターケアもばっちりか!

「もういいよ皆で行こう!」

もういっその事武力で行脚してやる!


「であえい!であえい!曲者じゃー!」

「おうおう頭出せやおらー!」

「大人しくトップを差し出せば傷つかなくて済みますよ?」

「リーダーを出せ。そいつと話を付ける。」

「待て待て待って?」

いや武力行使への判断早すぎない?

いや武力で行脚するかーって言ったけどさー!

「「「こうしたほうが速い。」」」

「お前ら息ぴったりかよー!」


そんなこんなで数国分の拠点を潰し回りながら世界地図で世の広さを伝え回る活動は行われていった。

「えーっとこれが世界地図で、ここが共和国。」

「我らが共和国がこんなに小さいわけがないだろう!」

「そうだ!それでは我々は小さな領地を奪い合っていたことになるではないか!」

「よくわかってるね。そうです。小さな領地にこだわる必要はないんです。外に出れば大きなお家にも住めます。」

「「「お、おぉ……。」」」

「分かってくれて嬉しいよ。ってことで解散!解散!」

とぼとぼと去っていく先ほどまで殺気立っていた人々。

広い世界を知ってしまったんやな。

ちなみにどうでもいい情報だが共和国民には角が生えていた。

鬼ヶ島かな?


「控えおろー!」

「この世界地図が目に入らぬかー!」

「この御方をどなたと心得る!本土の辺境を治める貴族様であらせられるぞ!」

「者共控えおろー!」

なんか楽しくなってきたぞ!

「世界は……広い……!」

「何故我々はこんな小さな場所で争っていたんだ……!」

「そして我々は実は弱かったんだなぁ。」

色々と理解してくれてありがたいね。

そして本当になんというか、弱かったな。

やっぱり成長しないままっていうのは悪だよ。


後は神の木の植林方法とかを広めて、産業の成長を促進したりとか?

いまいち決定打に欠けるなぁ……。

「お!カノイ!見て見ろよ!」

「うん?……おぉ!」

そこには満天の桜の木があった。

ピンク色のハート型の花弁が舞い散る。

懐かしい……。

「綺麗ですね。」

「これは……圧巻だな。」

「だろ?」

「本当に……綺麗だ……。」

前世を懐かしむ瞬間は沢山あった。

けれど、今までのそれに勝る望郷にかられた瞬間だった。

あぁ、懐かしい。亡くなった祖母が桜好きだったな。

「これ、また見たいな。」

「お!いいな!また来るか!」

「今度は子供達も連れてきたいですね!」

「うむ、観光資源としても優秀だな。」

観光か~いいな!

ということで、この景色を種に観光ツアーとかどう?と15商会に相談してみることにした。

あの人達ならまぁいい感じにしてくれるだろう!

カノイ・マークガーフ、25歳、桜吹雪に吹かれながら懐かしさに浸った春の出来事である。

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