『詩罪』【詩】【6400編目】
詩罪
詩を書いたのが罪の始まり
詩に逃げたのが罪の証明
法に触れない罪人
信仰を否定する咎人
楽しく自由に書く事が
辛く苦しい仕事になる
人種も血筋も貧富の差も
全ての肩書を取り払えるのに
言葉で縛り引きずられる
懲役の原稿用紙
極刑は苦悩の自殺
青空の孤独感は牢獄より心細く
夕焼けの焦燥感は懲罰より痛ましい
他者からの評価を金で買う免罪符
筆を折って逃亡する脱獄囚
詩人だね
詩人を甚振る皮肉めいた褒め殺しに
詩人は詩で殴り返して夜毎泣く