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2話 突然の能力覚醒

「そ、それは一体どういうことですか!?」


「まぁまぁ、落ち着いて。冷静を保てない男子はモテないぞ~。」


「これが落ち着いていられますか!!」


「説明するから…」


虚無空間の主はどうやら神の手下?というか部下みたいな感じらしい。なんか神が天界の仕事に飽きてきたようで、「もう仕事はやだよぉぉぉ…人間のドロドロとした恋愛が見たいぃぃぃ!!」と駄々をこねたらしい。それってホントに神が言うセリフなのか・・・


とまぁ、おおよそそんな感じで泣く泣く地上の人間に「都合のいい奴」がいないか見ていたらしい。なので事故に合い生死が危うい俺はちょうどよかったというわけだ。今の現実の俺の状態ってどんな感じなんだ…

やっぱり乗用車と人間でタックルバトルしたら俺の体はボドボドに・・・


「どうだ、今なら私の話に乗っかるだけで生き返って、さらに女の子たちといい思いができるぞ?」


「いい思いって…なんでドロドロとした恋愛にするのに()()()()にする必要があるんですか?」


「なんでって、なんかヤンデレとの恋愛はドロドロしてそうだろ」ドヤ


「ドヤって…憶測なんですか・・・」


「ト・二・カ・ク、どうするの?」


うーん…この状況、俺断れなくね?だって俺断ったら死ぬかもだよね?そんな賭けに出られるわけないよね?あのやろ嵌めやがったな。これじゃただの都合のいい奴じゃなくて超都合のいい奴じゃん。うーわまじか、逃げられない…


「あのー、ドロドロ恋愛って言っても具体的に何をすればいいんですか?」


「そら、昼ドラみたいなやつでしょ。」


「え、昼ドラってあの浮気や不倫が飛び交うえげつない恋愛ドラマですか?」


「そうとも言う。」


「俺殺されますよ!!泥棒猫!!とかなんか論争飛び越えて殺し合いに発展した挙句、最終的にじゃあこうなった原因を断ち切れば・・・とかヒロインたちが言い出しておもむろに包丁を…」


「君の中の昼ドラはどうなってるんだ…」


「お、俺が殺されたら元も子もないじゃないですか!!」


「ちゃんとそうならないようにしてあげるから。」


どうやら俺には神の加護的な感じで「ゼッタイニシナナイヨー」というおまじないをかけてくれるらしい。ほんとに効果あるのか?効果ないと俺がぽっくり死んでまた新たな都合のいい人間を探さないとだし、実際ほんとなのかもしれない。


「で、ここまで聞いたってことは引き受けるということでオッケーかな?」


「ま、まぁ断っても死ぬだけなので受けない理由はほかにありませんが…」


「よーし、りょーかい!んじゃさっそく、君に能力を授けよう!」


「お、おーう。」


「來八君、そこに立ってて。」


「は、はぁ。」


虚無空間の主はそう言うと何やら「やんでーれ、やんでーれ」という歌(?)を歌うとともに真っ黒だったあたり一帯が何やらだんだんと明るく照らされるように光り始めた。


「言い忘れてたけど、現実に戻ったら事故に合う少し前になるから。また轢かれないようにね?」


「わかってますよ。で、そのヤンデレ化の能力の使い方は?」


「それは簡単、ヤンデレにしたい子と少しでも関わればいいの。喋るでも、目を合わせるでも。もちろん同姓には効かないから安心してね。」


「ものすごく簡単な発動条件ですね。実際にどれくらいのヤンデレを作って恋愛すればいいんですか?」


「うーん、神様が満足するまで?」


「これまたいい加減な…でも、わかりました。やるときはやる男です。任せてください!」


「おうこれは頼もしい。ちゃんとヤるときはヤれよー?」


「やかましいですね!余計なお世話ですよ!」


「はいはい、じゃあね來八君。神様が満足したらまた会いに来るよ。」


そう言うとともにあたり一帯がより一層光り輝く。もうまぶしすぎてこの空間を直視できないくらいだ。でも最後に訊かなければいけないことがあったのを思い出す。


「あ、あなたのお名前は?最後に教えてください!」


「ん、あぁ、言ってなかったね。いいよ教えてあげる。私は───」


虚無空間の主の名前を聞いたとき何か聞きなじみのあるような、どこか懐かしい感じがした。


「私は()()()だ。じゃあな來八君、()()君を見られてうれしいよ。」


つづく

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