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世界を回って邪神討伐!   作者: おいちゃん
13/28

1章の13

「ええ、謎ですね。しかも認めたくはありませんが・・・・・・・・・・・・・私の息子にそっくりです。」


宰相ブッチと呼ばれていた人がイヌーオさんを見ながら国王様と話している。

俺はイヌーオさんの耳元で疑問をささやいた。


「あの宰相って人、イヌーオさんの父親なんですか?」

「そうです、実の父です。」

「なんで名乗り出ないんですか?」

「陛下の御前です。発言を許されておりませんので。」

「ああ、なるほど。」


相手は一国の王だ。しかも最近革命を成した過激派だもんな。下手したら処されてもおかしくない。

ヒソヒソ話も危ないかもしれない。黙っとこ。

お、国王様が立ち上がった。


「そこの者、汝はそこの宰相ブッチの息子で間違いあるまいか?」


うんまずはそこが知りたいよね。


「ははっ!私は宰相ブッチ・カマセが一子、イヌーオ・カマセであります!」


イヌーオさんが立ち上がりしゃちほこ張って名乗りを上げる。緊張しているのだろう。背筋がものすごくピーンと伸びている。


「汝が天騎士四天王が筆頭、序列1位なのか?」

「いいえ!違います!所属は第三騎兵隊、隊長であります。序列は256位であります!」

「むむ?ではなぜここにいる。序列1位の代理か?それにその、なんとういか、不快な格好はなんだ?答えよ。」


まぁ、気になるよね。ヒラヒラドレスに可愛いリボンを付けたおっさんは。


「はっ!なぜここにいるかは私もわかっておりません。この格好は前世の戦闘服であります!」

「ちょっと何を言っているか分からぬな。ブッチ、説明せよ。」

「わたしも分かりませんね。ああ、イヌーオよ。そのまま動かぬように。」


宰相のブッチさんが懐から魔道具を取り出しイヌーオさんに向ける。

あ、あれは映像記録魔道具『キャメイラ』だ。写真も動画もとれる最新式のやつだな。俺も欲しい。あ、欲しいのはとった写真じゃなくて『キャメイラ』の方ね。


「ブッチよ、何をしているのだ。」

「いえ、イヌーオが2歳の時も妻が可愛い服を着せていたな、と思い出しまして。妻に見せたらきっと懐かしくて泣いて喜ぶでしょう。」

「やめよ。奥方が泣いたとしたらそれは懐かしさや喜びではない。もっと奥方を大切にしてやれ。」

「してますよ。妻は今でも息子にドレスを買って来たりしてますからね。本気で喜ぶと思いますよ。たまに私にも着せようとしてきますし。」

「すまん。貴様の家の闇など聞きたくはない。結局何なのだ、なぜここにいて、いやそもそも天騎士四天王筆頭はどこにいる?」


国王様がすごい混乱している。イライラしているのが伝わってくるね。


「もうよい。疲れた。少し休憩を取りたい。いや、まて。最後に一つ聞きたい。」

なんだろう。あ、国王様と目が合った。

「イヌーオの後ろにいる二人。そなたらは何者だ。特に女の方。なぜこの状況で座って本を読んでいるのだ。」


あれ、ミアさん?

ほんとだ。いつの間にか座って本を読んでる。自分用にお茶を入れて飲んでるし。


「あら、漫才は終わったの?」

「なに?貴様何者だ。」


あ、国王様が訝しんでる。


「豚、説明してあげなさい。」

「ブヒン!この方たちは、かの『神の住む村』の神子様とその村に住む女性であります。」

「なに!?あの村の・・・。ん?ではこちらの男性の方が神子様であり、この女性は・・・。」

「はい、ただの村娘であります。」

「こ、この態度で村娘と申すか。」

「ははっ、ですがただの村娘であるとともにこの方は・・・。」

「むぅ、一体何者なのだ・・・?」


国王様がゴクリ、と唾をのみ込む。


「私のご主人様でもあるのです!ブヒン!」

「おいブッチ。貴様の家族はどれだけの闇を飼っているというのだ。」

「円満な家庭ですけどね。」


ブッチさんが何食わぬ顔で答えていた。

きっと当人たちは幸せなのだろう。家族っていいもんだね。でもうらやましくはないっすね。ほんと。

流れを戻そう。話が進まないし国王様の心労がストレスでマッハ状態。

まずは自己紹介からだな。


「あ~っと、すみません俺が、いえ僕?が~あーーーーっと。」


駄目だ緊張して頭真っ白になってきた。偉い人と話すとか初めてなんだよな。神様は例外。神様は偉すぎて一周回って緊張しない。威厳もないし。


「アレン、大丈夫。いつも通り神子ミコとしての貴方でいいのよ。」


ミアが優しくアドバイスしてくれる。


「貴方は神の御使いであり、神の代行者であらせられるのです。」


ミアが片膝をつき俺に頭を垂れる。

そうだ、ここは公式の場。俺は神子。俺は神子。おれは・・・。

・・・・・・・・・・・そう、我はこの大陸の神の御使いである。

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