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姉にいじめられた!といつもいう妹ですが、私が妹のためを思って言うことがすべていじめになるとは…。そして私はそのせいで婚約者である王太子殿下に婚約破棄をされてしまったのです。さすがにもう許せませんわ。

作者: 理乃

「エリーヌ、あなたの髪飾り、廊下に落ちてましたわよ」


 エリーヌの部屋に行くと、妹が使用人にあんた私の髪飾りをとったでしょ! と折檻していたところでした。私はあわてて廊下に落ちていたわよと声をかけると。


「お姉さまがとりましたのね!」


「いえ廊下に落ちていましたわよ」


「……嘘つき!」


 妹は人を疑うといったことを第一としていて、私はふうとため息をついてきちんととめていないからよと声を掛けました。するとうるさいわよと髪飾りを私の手からとりあげふんと鼻を鳴らしたのです。


 どうしてこう疑い深いのかなと思います。


 妹にもう少し勉学に身を入れたほうがといえば成績が悪いのを馬鹿にしているといわれ…マナーの勉強をさぼっていたので先生が困っていたわよと言えばあいつ告げ口したのねときたものです。


 でも妹だからと思って厳しく言ってきただけです。親は甘やかすだけでしたから。


 しかし…。


「エレン・オーディル。お前を妹をいじめた罪により婚約破棄する!」


 私は数年前に婚約した殿下に魔法学園の舞踏会でこのように告げられ言葉が出ませんでした。

 殿下の隣にいるのは妹でした。


「大切にしていた髪飾りは盗まれて…私の成績がお姉さまより悪いのを馬鹿にしますのよ…」


「それは髪飾りはあなたがきちんと止めていないから落ちたのでしょう! それに成績は!」


「…うるさい、お前を婚約破棄する!」


 殿下と妹が抱き合い私は衛兵に引きずられていきます。いえここまでするとは…私が甘かったです。


 私はこの時、妹に復讐を誓ったのですわ。



 辺境送りの罪はやめておいてやると言われましたが、連座を恐れた妹が何か言ったに違いありませんわ。

 私は殿下の婚約者になったことをずるいと妹が言っていたのを思い出しため息をつきました。


 私は本を手に呪文を唱えました。私の能力は過去視、実はこの能力のことは隠してきました。未来視よりは使い道がそれほどはないのですが…。

 過去にこの力を持っていた人は事件の犯人捜しとか、古代のアーティファクトの解明とかいろいろとこき使われていたのを知っていたからです。


「…できることなら見たくなかったですわ」


 妹の持ち物を手に私はこれまでの妹の記録を読み取ります。

 出るわ出るわ…私はその映像を魔法媒体に焼き付け、宮廷魔法使い様に見せたのです。


 本物と認定されて、妹が髪飾りを自分で落としたのに使用人や私が盗んだと言いがかりをつけたことや、私が勉強をもう少し頑張ったほうがといったとき、嫌味を言うなといったこと。

 そして人の恋人を奪った映像まで出てきたのです。


 この記録をもとに出して妹いじめの罪は妹の偽証だということがわかり、反対に姉いじめの罪で辺境に送られました。

 再び婚約をしてくれと殿下にお願いをされましたが、丁寧にお断りしましたわ。

 罪なき人をかってに婚約破棄した罪で殿下は廃嫡になり、幽閉されることになりました。


 私は…。この力がばれまして…。


「これは現場に落ちていたナイフですこれを…」


「はい」


 この過去視の力で事件解決のアドバイザーや古代魔法道具の解析といった仕事をしています。

 割と思ったより待遇がいいので、良い暮らしをしていますわ。

 そこである事件で知り合った伯爵と良い仲になりまして婚約いたしました。

 ふうこの力が役立つときが来るなんて思いませんでしたわ。

お読み頂きありがとうございました!

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