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0.プロローグ

前回の作品「Summer Life」を読んでいただいた方はわかるでしょうが、また夏休みの話です。

基本、夏休みというものが好きなので、小説の設定はほとんどそうだと思います。

今回は一つ一つも短いので、手短に読んでいただける作品になっていると思います。どうぞよろしくお願いします。

8/16 ルビがおかしかったので修正しました。

2009.10/8 文章の微修正

 夏休み――。

 七月二十五日。高校生の夏休みの始まりとしては早くも遅くもないこの時期。

 そう、俺の夏休みは始まったばっかりだ。

 だというのに、なんだろう。この虚しさは。これから四十日近くもあるという休みを前にして、なぜ俺はこんなに虚しさを味わっているんだ?

 ここは喜ぶべきところだろう。

 プールや海にいって、友達と楽しく泳いだり、水着のナイスバディでセクシーな女性を見つけて鼻の下伸ばして目で追いかけたりすればいい。

 ほかにも近くでやるであろう盆踊りにいって、射的とか金魚すくいとか、りんご飴とかたこ焼きとか買って食って、ついでながら市販の花火でも買い込んで人気-ヒトケ-のないところで騒ぎ立てればいい。

 例え叱られたとしても、それも夏の一環というものだろう。

 そうさ、なにも虚しいことなんてない。これからの夏休みは考えれば考えるほどに予定で埋めようと思えば埋めれるんだ。宿題なんて二の次。最後に終わらないとわかっていながらも徹夜で頑張れば、それもまた特定の学生による夏休みというものの一環だろう。

 だが……やはりなぜだろう? 俺の虚しさはこれからの楽しいことを考えているというのに晴れてくれない。

 なんだ、何が足りない? 彼女なんてたいそうなものは求めていない。それに、友達から聞いた話、彼女がほしいと思うのはできてないうちだけ、だそうだ。つまりは、彼女ができたとしても、結局は友達以上、というだけの関係であって、別になんら変わりはないらしい。

 そんなこんなで、確かによく考えればそうだよな、と納得させられるようなことに説き伏せられ、一時期はあった俺の彼女欲しい願望は消え去っていた。

 少し話がそれたかもしれないが、結局俺のこの虚しさはなんなんだ?

 「…………わからん」

 扇風機の前で寝転んで、夏休み一日目をのんびり寝て過ごす。

 わからないものは放っておけばいい。そしたらいつの間にかその虚しさを埋める何かがひょっこり現れてくれるさ。そんな結論に至った俺は起き上がって、俺に風を送り続ける扇風機をじっと見つめる。

 「ワレワレハ、ウチュウジンダ」

 ……ほんと、どうにでもなれだ。

 ピルルルル、ピルルルル。

 と、俺の携帯が飾り気のない音を鳴らす。着信先の相手も確認せずに、俺は電話に出ることにする。

 「もしもし」

 『あ、恭史? 夏休み記念としてカラオケいかないか?』

 ……まあ、なんの脈絡もない話だが、扇風機の前で誰もが一度はやるであろうことをやって時間をつぶすよりかはいいか、と俺は考える。

 「ああ、いいぞ。場所は?」

 『市民プールの近くにあるカラオケ。わかるだろ?』

 えっと、市民プールの裏手にあるカラオケのことかな?

 「あそこね。わかった。今すぐか?」

 『もちろん! っつぅことで、さっさと来いよー』

 わかった、という前に電話は切れてしまった。最後まで人の話を聞けってんだ。

 携帯を閉じて、カラオケにいく準備をするために俺は扇風機の電源を切って立ち上がった。

 一人でいると味わう虚しさも、カラオケにいきゃ忘れるかもしれないし、味わうこともないだろう。

 たいていのことは、一日たてばどうでもよくなってるもんだしな。

 夏休みは始まったばっかりだ。優雅たる夏休み生活でも味わいたいもんだね。


更新速度は遅くなるかもしれません。

後、ジャンルは本当に直感で決めてますので、ファンタジーではないかもしれません。

カテゴリも現段階でのものです。

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