47話 本当の兄妹(1)
俺は唖然とした。
別に言っていることもおかしくは無いし、聞き間違えの可能性もある。
けど手を星空へ向けて、何か操られているような、求めているような顔で呟くのは驚きが隠せない。
「お兄様でしたか。驚きましたよね、すみません。」
「謝る必要はないけど......大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。少し星空には思い入れがありまして。」
すると、いきなり立ち上がり呟くように話してきた。
「自然との共鳴って信じれますか?」
「いきなり......とりあえず落ち着こう。」
「......そうですね。この話はまた今度にしましょうか。」
今のシャルは美しい女性そのものだ。
まるで大人のように、いつもの様子とはかけ離れている。
2日前には優しさを感じ、今は儚さを感じて......心の迷いでもあるのか?
「なんか悩み事でもあるのか?」
「......やっぱり、気づきますよね。」
「良かったら話してくれない?嫌ならこのことは忘れるが。」
俺のもたれている木の幹を背にして座り、手を重ねてから話し始めてくれた。
星空を眺めながら。
「少し前に、自分のことを大切にして欲しいと話しましたよね?けど、私は......」
「安心しろ、俺は絶対シャルの味方になる。別に話したことを訂正してもいいんだからな?」
「私は学校入学の時に、お兄様と本当の兄妹じゃないことを聞きました。」
「うん。」
あの時の泣き崩れた涙とは違い、シャルの顔には静かに流れる涙が頬をつたっていた。
「自分のことを大切にし始めたら、いつか血の繋がっていない私は捨てられてしまうのではないかと......お兄様には幸せになって欲しいです。けど、私は......」
「なんだ、簡単なことじゃんか。」
「え?」
少し俺は笑い、涙を手で拭いてあげた。
その体と心は凍っているかのように冷えきっていた。
今度は俺が溶かしてあげる番だな。
「俺が血が繋がってない程度で、捨てると思ったのか?12年間、ずっといたんだぞ?そうじゃなくても大切な妹だ。これからも、捨てることなんて絶対に無い。」
「でも......」
「でもじゃないよ、このブラコンだけど大切な妹。」
ありがとう。その気持ちを持って、
大切な妹を守るという忘れることの信念を固め、優しく微笑んだ。
つられて俺も泣きそうだったけど、泣いたらダメだ。
「プラスで考えな?本当に好きなら結婚も出来るんだぞ?」
からかって、重なっていた手を握り空を指差す。
「ほら、雲1つ無い快晴で満点の星空になったじゃん。どうだ?悩みの無い時の星空は。」
「綺麗です......今まで無いぐらい綺麗な星空です。」
「だろ?空に雲が無くても、心に雲があると隠れるんだよ。」
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これから5分ぐらい、ずっと星空を見ていただろうか。
握った左手を離すことなく。
「落ち着いたか?2人待たせているから、そろそろ呼ぶか、戻るかしないと。」
「おかげさまで落ち着きました。けど、もう少し1人にさせて下さい。」
返事を聞いた俺は手を振って、元の場所へと戻っていった。
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