44話 妖力(1)
――
「で、体の調子はどうなのかしら?」
「見てわかる通り、ほぼ動けないぐらい苦痛だ。そして火傷している。」
「それは大変です!私が回復魔法を!」
詳細を話す前に、慌てたシャルが目をつぶり魔法を唱え始めた。
あまりにも膨大な魔力を感じ、慌てる俺ら2人とは違い冷静に詠唱をし始める。
「この詠唱は......聞いたことないぞ?」
「まぁ、見てなさいよ。今日の学校の成果をね。」
聞いたことの無い言葉で詠唱をされたため、理解しようとすればするほど思考が停止していく。
......果たしてさっき感じた膨大な魔力は、本当に魔力だったのか?
通常のものと、どこか感覚が違う。
魔力じゃないなら、これはなんなんだ?
「はぁ......どこまでも魔法馬鹿よね。正解は”妖力ようりょく”、妖精の力よ。マナとも言うわね。」
「いやいや、尚更分からないのだが。」
「忘れたのかしら?私が半妖なのを。私は人間の魔力、妖精の妖力どっちも使えるから、それをシャルに教えたまでよ。」
そうなのか、とはすぐには納得できるものでは無い。
もちろん疑問も浮かんでくるし、使い方だって簡単なものでは無いだろう。
何故、それを1日で覚えることが出来たんだ?
「......《精霊の舞》!」
詠唱が終わり、魔法を発動させると黄色と緑色の光に包まれ火傷のヒリヒリと体の痺れが無くなった。
初めは転生時のような感じで光が飛んでいたが、次第に俺の体内に入ってきて中で回復しているのが分かった。
「どこか違和感はありませんか?今日覚えたばっかだったので、成功したのかも分からなくて......」
「全然大丈夫だ、むしろ快調かもしれない。」
今までには無いくらい身が軽く、体内の魔力回路が大きくなった気もする。
自慢げにドヤっているシャルを見て、心も温まった。
さて、ここら辺で質問させてもらおう。
「2人とも、今日学校で何があったんだ?」
「えっと......校長さんが自習と言ったので、実戦練習してました!そこでミールさんに妖力の使い方を教えてもらいました!」
「ミールよ、妖精の血を引いていないと使えないのではないか?」
俺も思った疑問を問いかけてくれた。
兄として、シャルのことは見てきたつもりだが妖精と関わりは無いはずだぞ。
唯一、ミールを除いてな。
「そうよ。だから無理と言ったのだけど、私の見よう見まねでやったら使えてたのよ。」
「はい!何故か第2ステータスと言うのが出来ていますが、そこに妖力がありますね!」
「私と同じだわ......1つ目のステータスが妖精とかになってないわよね?」
大きく頷いたシャルがステータスを見せてくれたが、異変は何一つ無い。
ただ、第2ステータスは個人しか見ることが出来ないみたいで確認出来ない。
本人曰くマナ魔法3回分と書いてあり、半妖のミールとは違うらしい。
「1回私の故郷に帰ることにする?校長に相談すれば何とかなりそうじゃないかしら?」
「そうだな、少し考えてみようか。」
心配そうにするシャルの手を握り、俺は悩んだ。
ミールの故郷に行くべきか、行かないべきか。
もしかしたら......いや、最悪な場合のことは考えないでおこう。
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