35話 武器(2)
氷と炎のが交わること、それは前世ではありえないことだった。
氷が炎によって溶けるか、炎が氷に負けて溶かすことが出来ないか。
だけど、この世界には魔法があり前世の常識なんて関係ない。
俺はその一心でこの形態を今、完成させた。
「フォルス......君、なんだい?その形態は。」
あの校長ですら言葉を失い、空いた口が塞がっていない。
シャルは誇らしげに、ミールは不思議そうに、アリアは驚きを隠せていない。
「これが、僕の氷炎です。どうですか、綺麗ですよね?」
「うん......言葉を失うほどにね。」
紅い炎に白く凍っているが動く炎。
それが美しく、また儚く、俺の周りを囲うように広がっている。
暖かいような冷たいような、何とも言えない感覚。
もちろん完璧に1:1にすることは不可能な為、炎をベースとしていてそこに氷を合わせているが、2年間の努力で比率を極めた。
「はわわわ......お兄様、流石です♡あの時の努力が報われましたね♪」
「この炎はシャルのおかげでもある。やっと完璧になったよ。」
「一生の悔いなしです......♪」
少しは悔やむことぐらいあるだろ。
もちろん褒めてくれるのは嬉しいが、それよりシャルが可愛い。
......おっと、何を考えているんだ。
「ところで先生、武器の件は......」
「あ、あーそうだったね!どんな形でもいいから、気楽に考えてね!」
俺の武器は決まっている。
それは日本刀だ。
前世では剣道を幼い頃からやっていて、あの事件より前は6回連続全国1位を取り続けていた。
しかし、俺は交通事故に巻き込まれ過度な運動が出来なくなった。
そこらへんから、筋トレなどが嫌いになった覚えがある。
......それは過去の話だ、今は俺の理想の刀を思い浮かべろ。
「フォルス君、終わったよ!ほら目を開けて!」
その一言を聞いた俺は目を開けた。
驚いたことに、校長の手には俺が理想した刀がそのまま具現化されていた。
「驚いたでしょ?これが僕の新魔法、《想像創造》!って言いたいんだけど......」
「どうかしましたか?魔力切れですか?それなら分けますが。」
「いや、この武器は見たことないと思ってね。魔力は後で分けてね!」
やっぱりこの世界には無いものだったか。
だけど、俺の相棒武器は刀って決めていたんだ。
こんな風に刀を手に入れるとは思ってもいなかったが。
「これは刀っていう武器です。色んな人々の勇気と思いが詰まったいい武器ですよ。」
「刀ねぇ......覚えておくよ!あと、フォルス君の刀の名前は決めてね!」
「宿題でいいですか?今すぐ決めることは出来ません。」
「いいよー!」
名前か......確かに大事な事だよな。
宿題にしてもらって正解だったし、何よりまだ刀身を見ていない。
学校終わって、帰ったらよく考えてみよう。
「さて、僕は疲れたからフォルス君達の今日の授業これでおしまい!テレポートするね!」
「ちょ......え?あっ、ありがとうございました?」
そう言うと、俺らはいつものように宿屋へ飛ばされた。
「あの校長、やっぱりおかしいわね。」
「でも、弱点が1つ分かった気がしたぞ。」
「本当?弱点があるように見えなかったけど......」
「また今度話すよ。結構重要なことだし、こんな町中では話せないね。」
いかにも教えてっていう眼差しを無視し、俺は特訓所へとみんなを連れて向かった。
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