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砂漠の国の、引きこもり  作者: 猫の人
男は地下に逃げ隠れる
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「地下にまだいるぞ! 出てくる前にやっちまえ!!」

 戦闘は既に始まっている。

 屋敷の中では少ないとは言えない被害が出ていて、その事に荻は心を痛めるが、今はその感情に蓋をしてモンスターの相手をする。


「今のところ、第二波は無い! 女王と厄介なのは地下のまま! 地上にはいない!

 あと、屋敷の中に生存者はいない!!」


 荻は敵の配置を簡単に探ると、大声で仲間に伝えた。

 こういった情報を共有する事で、仲間が思うままに戦えるようにする。

 そうしたあとは自身も剣を手に取り、モンスターの相手をし始めた。



 敵の総数は、今のところ千に満たないぐらいである。兵士が少しは減らしているようだった。

 味方は荻たちを含む転移者だけで、55人。

 数字だけ見れば、戦いにもならないだろう。


「屋敷に人はいないんだな? なら、屋敷ごと潰すぞ」


 しかし転移者たちの中には魔法使いが大勢いて、生存者がいないならばある程度まとめて殲滅しても問題ないとなれば、数値的な不利など簡単に覆る。


「火をメインに!」

「≪フレア≫!」

「≪ジャッジメントボルト≫!」

「飛ばしすぎだっての。≪アイスカーテン≫!」


 魔法が干渉して威力を落とさないように、誰かが指示を出す。

 それによって、魔法使いたちは正面の敵を無視して、後方に控えていたモンスターをまとめて焼き払っていく。

 そこに合わせる魔法の無い、氷系の魔法がメインの魔法使いは魔法の被害が周囲に及ばないように手を回し、フォローに回る。


 荻たちと町の転移者達。

 彼らの共同戦線はこれが初めてでも、どちらもチームで戦う事に慣れていたのもあり、意思の疎通に淀みがない。

 どちらもプロの戦士であった。



 魔法により、屋敷のあった場所は灰塵に帰した。いくつもの衝撃により、骨組みひとつ残っていない。地面すら抉れている。

 そこにいたモンスターなど、跡形もなかった。


「敵、半数撃破!」


 誰かが風の魔法で視界を確保する前に、荻は気配を読んで戦況を把握する。

 ほんの数発の魔法で、敵の半数が消し飛んでいた。

 それだけでなく、近接戦闘をしている者達がモンスターを屠っていき、数の差はどんどん縮まっていく。


「地下にまだいるぞ! 出てくる前にやっちまえ!!」


 そうやって有利な状況でも、転移者たちは油断しない。

 倒したのは雑魚ばかりで、本命の“強い奴”がまだ出てきていないからだ。女王も健在なら、お代わり(追加戦力)があるかもしれない。

 油断できるほど、状況は良くないのだ。



 誰かが女王の元に、地上から攻撃を行う。

 巨大な石柱を用意して、突き立てた。

 石柱は地面を貫通し、女王のいる地下の牢屋に届く。

 そして女王、小袋谷をプチっと潰した。

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