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君しか見えない  作者: 影月かのん
2/5

プロローグ

【巧哉Side】

ここがこれから通うところか……。

アタッシュケースを持ちながら俺は目の前の校門を見つめる。

少し、息を吸って目を閉じる。

息を吐くのと同時に目を開けて俺は一歩を踏み出すことを決意した。



受付で手続きをして部屋の鍵をもらった。

俺が通う高校は寮生活をするからだ。

ちなみに二人部屋。

学年ごとに棟が分けられているらしいので寮内で他学年との交流はあまりしないみたいだ。

3年間使う寮はどんなところだろう。

誰と一緒なんだろう。

同室の奴は先に着いていて部屋にいるらしい。

不安と緊張とわくわくが入り混じった複雑な感情のまま俺は部屋に向かった。



ここ、か。

暫くして部屋の前まで辿り着いた。

小さく深呼吸をした。

落ち着け、俺。

ここに来るまでに頭の中でシミュレーションしてきた挨拶をしっかり言うんだぞ。

いつもは周りに関心がない俺も流石に緊張する。

3年間一緒に過ごすからな。

コンコン、とノックをした。


どうぞ、という声が聞こえたので俺は鍵を開け、ドアの向こうにいるやつを見た。



なんだ、普通にいいやつそうじゃん。

そう思ったのも束の間だった。


「あの、俺は原田巧哉です。

 3年間よろしく……」


俺は何回も頭の中で練習した言葉を最後まで言えなかった。

何でかって?


「あの……何してるんですか」


目の前にいた男が急に抱きついてきたからだ。

しかも地味に力強いし。

筋肉質か?結構。


「俺は三阪孝介」


え、抱きついたまま自己紹介始めちゃうのこの人。


「俺、あんたに一目惚れしたかも」


……ん?


「え、なんて言った………」


うん。

なんて言ったこいつ。

流石に頭がおかしいと思わざるを得なかったのでこいつと呼ぶことを許してほしい。


「だから、一目惚れしたんだよアンタに」


ゆっくりとそいつーーー三阪は身体を俺から離した。

そして、俺の目を真っ直ぐに見つめていた。

だんだん、本当なんじゃないかって思い始めた。


「俺、嘘ついてないから」


そう言ってもう一回抱きつかれて本当に嘘をついていないことがわかった。


「たっ………!!!??」


太ももに当たるそれに小さな悲鳴を俺はあげざるを得なかった。


ま、マジかよ…………!!!!!????

どうなるんだ、俺の平安の日々は!!??


プロローグ完

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