表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大町編  作者: 麦果
第1章 祀陵高校
4/84

3. 悪魔の家

 17日。引き続き、楽司らの捜索が行われた。

 大町と文丸、朝葉は愛子駅付近で聡太(そうた)芋沢(いもざわ)星陵(せいりょう)と落ち合った。

「そっちは?」

「全然! 他の所も手掛かりないって。そうなるとやっぱり市外か……だとしたらどこだよ、ったく」

 聡太はイラ立っているようだ。

「そうそう! 男子が言ってたんだけど、ヤバイ廃墟あんだって!」

「昨日何人かで行って来たんでしょ? うちのクラス、先生が話聞いて注意してたー」

 女子高校生が歩きながら喋っていた。

「つーか、肝試しやんの早くね? ……でさでさ、その家、だったかな。始業式あった日の夜から怪奇現象起きてるんだって」

「えー!? そこまで聞いてない、どんなのどんなの!?」

「誰かが、出してくれーって叫んでるんだって。中から無理矢理開けたいんだか、ガチャガチャうるさくしてる時もあるとかないとか……で、それ、誰にでも聞こえるらしいよ。男子もみんな聞いたって」

「えー、そこまで!? 怖っ! ……って、あれ?」

 女子高校生の内、一人がこちらを見た。

「芋沢先輩!? おひさしぶりです!」

「おぉ、ひさしぶり! この子、バスケやってた時の後輩……そうだ、今言ってた廃墟、どこにあるか分かる?」

「山形の手前ら辺、みたいですよ! 〝悪魔の家〟って表札が目印だし、そう呼ばれてるって言ってました」

「悪魔の家、な……ありがと」

「いえいえ! それじゃ」

 後輩は友人と一緒に帰って行った。

「帰ってもう少し調べよっかな」

 芋沢が呟くと、一同はその場で解散した。


 翌日の昼休み、大町と文丸は学生食堂に来ていた。

「悪魔の家なんだけどさ……芋沢君が調べた話だと、例の現象起きた時から、日中だけ人が出入りしてるんだって」

「怪しいね」

「だろ? 聡太君も、時期的に錦ヶ丘君達と関係ありそうだって。でさ……今日、行ってみない?」

「うん」

 大町は文丸の提案に乗った。

 放課後。二人と朝葉、星陵は悪魔の家を訪れた。聡太と芋沢は部活だそうだ。

「……ただの空き家じゃん」

 大町が見る限りそこは、名前から想像していたおぞましさは一切なく、噂の声や人の出入りもない、家具などが放置されているだけの空き家だった。

「もう何も起こんないぞー」

 近所の男性が出て来た。

「噂になり過ぎて、変なの上がり込んだから日中居る人もう来ないって。それから声も止んだよ」

「そうだったんですか……」

 大町は男性の話を聞いた後、悪魔の家をその場から撮った。

「何か写った?」

 文丸達と、男性も大町の写真をじっくり見た。

「……何もないですね。怪奇現象とか言ってる割には」

 写真には幽霊どころか、オーブすら現れていなかった。

「よくある噂でも出回ったんだろうな……何だったっけか、前ここに住んでたじいさん、ちょっと変わった人だったんだよな。それでかなぁ」

 男性が悪魔の家の実態を言いかけた。

「おじさん歳だから、忘れちまったよ。ごめんなー」

「良いんですよ。どんな所か分かったんで大丈夫です、ありがとうございました」

 星陵が男性にお礼し、一同は来た道を引き返した。

「関係あると思ったんだけどな……僕も、聡太君も外れ」

 文丸は少しがっかりしているようだ。

「それにしても……大町、廃墟好きなの?」

「うん、好きだよ」

「確かに良いよな……あ」

 星陵にメッセージが届いたらしい。

「『気になるの見つけたから、ヌカボシで話そう』って……同じ学校の奴から」

 その話を聞き、大町らはさっそくヌカボシへと向かった。

【宮城県祀陵高校】


宮町聡太(みやまちそうた)

2年1組→3年2組・映画部

中二病気質の法律オタク


芋沢啓希(いもざわけいき)

2年1組→3年2組・ハンドボール部

まじめコンビの、バスケットボールも出来る方


星陵翔馬(せいりょうしょうま)

2年1組→3年2組・生徒会

まじめコンビの、チアガールが好きな方

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ