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wolf forest
1日目
「アリシャ、お前も行くのか?収穫」
そう聞いてきたのは、同い年のやんちゃな少年、ルーラルだった。
「うん。行く。でも私はお肉じゃなくて、霊草を採りに行くのよ。」
ここは世界の端っこにある、オルフペオ村。
ここの住民は一年に三度だけある獣肉祭でしか肉を食べてはいけない。
それは、ある古い言い伝えから発生したものだった。
肉を食べてはいけない。
食わんとすれば、すなわち死を意味する。
神は三度、食べる時期を与えてくださった。
三度以外に食べてはいけない。
食えば深森の魔女が我ら一族滅ぼすであろう。
その言葉を幼いころからずっと老人達に聞かされてきた。
私は、ルーナー・トランテス・アリシャ。
母は病気、父は他界した、十一歳の女の子。
明日は収穫祭の日。
獣肉祭のための肉を狩りに行く日。
私は、一つの禁忌を犯す。
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