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掌編小説集6 (251話~300話)

万能なカギ

作者: 蹴沢缶九郎

泥棒である男が仲間にカギを見せて言った。


「これは苦心の末、やっと完成した万能カギだ。このカギさえあれば、この世のどんな物でも開ける事が出来る」


男の説明に、仲間は「そんなバカな話があるか」と疑う。


「お前が疑うのも無理はない。百聞は一見にしかずだ」


と、男は大小様々な金庫を用意し、万能カギを使い全ての金庫を開けてみせた。


「これは凄い」


驚く仲間に男は言う。


「カギの凄さがわかったようだな。つまり、俺達に盗めない物はないという事だ」


二人はさっそく犯行計画を練り、かねてから狙いを定めていた富豪の邸宅へ、万能カギを使い侵入した。

しかし、金庫の前までやってくると、ふいに男は動きを止めた。仲間が男を急かす。


「おい、何やっているんだ。早く金庫を開けろ」


仲間のその言葉に答えるように、最新型の高性能金庫が音声で指示した。


「指紋認証ヲ行イマス。人差シ指デ、読ミ取リ画面ニ触レテクダサイ…」


仲間は全てを理解し、男は悔しげに呟いた。


「カギ穴がなければ、カギなど意味がない…」

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― 新着の感想 ―
[一言] 最近は指紋認証や暗証番号が多いですからね。主人公はいつか、苦心の末、万能指紋も作りそうです(笑) 面白かったです。ありがとうございました。
2017/05/08 18:56 退会済み
管理
[一言] 閂(かんぬき)だよ~ よくパニック映画とかで扉の取っ手に棒を突っ込んでるあの感じ 古かったり安価なトイレとかにも棒状のが合ったりするよ お城の門でも攻められたら小さな丸太ほどの棒を横一文字に…
[一言] むしろ閂のほうが難攻不落だろう 機械ならメンテナンスや非常時の為の何かしらがあるけど 原始的な構造体にはそんな物はないからね
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