補足
「それでいつから会長があやしいと気づいていたのでござる」
体育祭終了後、俺は歴研の部室でシヴィライゼーションⅣを北畠とプレイしていた。
「昨日の夜だよ」
「ほほう、どういうわけでござるか」
「あの本に使われていた皮はどうみても牛革ではなかった」
「だからネットで皮の画像を片っ端から照合した」
「ふむふむ」
「そうして一番近かったのが人皮装丁本、ハーバード大学で保管されているものだった」
「これはしたり、流石の慧眼でござるな、某感服いたしました」
いつも以上に演技がくさい。
だが今日に限っては何も言わないことにした。
北畠の協力が無ければ、この世界は終わっていたかもしれないのだから。
コンコンコン。
唐突にドアがノックされる。
驚いた。この部室に俺以外の来訪者がいるとは。
「どうぞ入ってください」
おい、謎かけはどうした。
いつもの口調はどうした。
果たして開いたドアには超絶美少女が立っていた。
長い艶やかな黒髪、パッチリとした二重の瞳、そして端正な小顔。
我らが生徒会長がそこにいた。
「秋元君、一緒に帰りましょ。今日のお礼もしたいし」
「悪い、先に帰るわ」
やりかけのプレイを中断し荷物をまとめる。
部室から出る時、背後から裏切り者とか松永久秀だとかの恨みごとが聞こえたが無視した。
これから甘酸っぱい恋愛が始まる予感はみじんも起きなかったのだから。




