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歴研
「問題」
「浮世をば
今こそ渡れ
武士の
名を高松の
苔に残して」
「この辞世の句を詠んだ人物は?」
「清水宗治」
「ピンポンピンポンピンポン」
引き戸がガラッと開けられる。
「遠路はるばるようこそ、秋元殿」
「なあ、いい加減止めないか?こういうの」
と言いつつ、乗ってしまっている俺も相当アレだが。
こいつの名前は北畠晴臣。
唯一にして最後の歴史研究部員。
このままだと、歴研は来年にはお家取りつぶしだな、こりゃ。
大体こいつのせい。
身長180cm。
体重約100kg.
そのうえ、アニオタかつ歴史オタ(日本史特化型)とくれば、お察しである。
ちなみに古文と日本史だけはありとあらゆるテストで9割5分以上を常にキープしている。
残りの科目は壊滅だが。
バランス考えろよ、バランス。
「して本日は何用でござるか」
ガン無視して話を進めてくる。
ダメだ、こりゃ。
「お前、確か古書も読めたよな」




