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IWN(淫夢を狙え)  作者: MUR
第三幕
11/25

達人

予告通り投稿できなくてすみません。


体がビクッと跳ね上がり、思わずベッドから転げ落ちそうになる。

 これほどビビッたのはオナニーを見られそうになった時以来だ。

(このタイミング……まさか会長)

 一瞬あり得ない想像が脳裏をよぎる。


(ゴクリ)


「兄貴、いるんでしょう」


 果たして、声の主は妹の加奈だった。

 けれどもここで安心、というわけにはならなかった。

 なぜなら、その声のトーンが恐ろしく低かったのだ。

 俺は知っている、これは妹の機嫌が最高に悪いことのサインである。


(こっそり楽しみにしていたプリンを食べたのまずかったかな、それとも体重計に細工して+2kg表示されるいたずらがばれたか)


「父さんに私が先輩と今つきあってるってしゃべったでしょう」


 どうやら、予想よりも事態は深刻なようだ。


 最近、父親は加奈に彼氏がいるのかしきりに気にかけていた。しかし本人はその話題をひどくウザがっていたのだ。

 そこで俺は全くの善意から、加奈は柔道部の3年の先輩と付き合っているらしい、という学校のうわさを教えてあげたのだ。

 

「私が柿崎先輩と付き合ってるって言ったでしょう」

「何勝手なことしゃべってくれてるの」

「おいコラァ!開けろ!お前証拠持ってんのか!」


 ドンドンドンドン、ドドンドドンドン

 カカッ

 もう一回遊べるドン!


 ふざけてる場合ではなかった。

 加奈はかなりのヒステリーを引き起こしてるようだ。

 先ほどからドアが割れんばかりにノック(?)されている。


 俺は観念してドアを開けることにした。


 そこには目を真っ赤にはらした加奈が立っていた。


 

次回投稿予定本日午後8時10分

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