達人
予告通り投稿できなくてすみません。
体がビクッと跳ね上がり、思わずベッドから転げ落ちそうになる。
これほどビビッたのはオナニーを見られそうになった時以来だ。
(このタイミング……まさか会長)
一瞬あり得ない想像が脳裏をよぎる。
(ゴクリ)
「兄貴、いるんでしょう」
果たして、声の主は妹の加奈だった。
けれどもここで安心、というわけにはならなかった。
なぜなら、その声のトーンが恐ろしく低かったのだ。
俺は知っている、これは妹の機嫌が最高に悪いことのサインである。
(こっそり楽しみにしていたプリンを食べたのまずかったかな、それとも体重計に細工して+2kg表示されるいたずらがばれたか)
「父さんに私が先輩と今つきあってるってしゃべったでしょう」
どうやら、予想よりも事態は深刻なようだ。
最近、父親は加奈に彼氏がいるのかしきりに気にかけていた。しかし本人はその話題をひどくウザがっていたのだ。
そこで俺は全くの善意から、加奈は柔道部の3年の先輩と付き合っているらしい、という学校のうわさを教えてあげたのだ。
「私が柿崎先輩と付き合ってるって言ったでしょう」
「何勝手なことしゃべってくれてるの」
「おいコラァ!開けろ!お前証拠持ってんのか!」
ドンドンドンドン、ドドンドドンドン
カカッ
もう一回遊べるドン!
ふざけてる場合ではなかった。
加奈はかなりのヒステリーを引き起こしてるようだ。
先ほどからドアが割れんばかりにノック(?)されている。
俺は観念してドアを開けることにした。
そこには目を真っ赤にはらした加奈が立っていた。
次回投稿予定本日午後8時10分




