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IWN(淫夢を狙え)  作者: MUR
第一幕
1/25

出会い

 ドアを開けると地獄だった。


 いや、この書き方は正確ではない。地獄の始まりだった、が正しいだろうか。

 しかしながら、その事実に気づくのは全てが手遅れになった後となる。

 なぜなら、そこは美少女の園だったのだから!


「秋元君、どうしてここに?」

「いや、うっかり部屋を間違えたみたいで」

 部屋奥の超絶美少女から質問を受ける。こころなしか笑顔が怖い。まるで尋問されているかのようだ。

 黒髪ロングにぱっちりとした二重の瞳、端正な顔立ちに加えて、シャープな小顔。某秋葉原アイドルグループの基準を余裕でクリアしているだろう。

「ホントだろうな」

 唐突に真横から手首を握られた、いやどちらかというと極められた。ギリギリと締め付けられる。お前こそ本当に女か、と喉まで出かける。

「痛いからやめてくれ」

 だがその願いは適わなかった。かわりに意外な人物がいることに遅まきながら気づく。

「なんで加奈がこんな所にいるんだよっ」

「こっちもビビったよ、兄貴がいきなり現れて」

俺の背後に回り込んで、ボックス入り口ドアを、キィ、と閉めた。


「「「何を見た?」」」


「いや、何も見てないけど、『アッー』ていう悲鳴だけしか」


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