馬鹿共よ
ふと思う、
(何故コイツらは僕と話しているんだろう?)
っと。僕に良いとこなんてひとつもない。
そんな僕にも親友が2人いる。
佐塔と古坂、この2人は昔からの友人で、
もう10年も一緒に居るだろうか。
佐塔は小学校低学年の時から
一緒で昔の僕をよく知る唯一の友である。
古坂は、小学生最後の時に仲良くなった。
そんな2人の事を僕は未だによく分からない。
僕の事を悪く言うくせには仲良くしてくれる。
何故だろうか?僕にはよく分からない。
そして、もう1人よく分からない人が居る。
彼女の鴨沢さんだ。
同級生で、もう付き合って半月になる。
何故こんな僕を彼氏にしたのだろうか?
イケメンでもないし金も無い僕を。
分からない。何故だ?
そんな事を、毎日のように思う。
かと言って、彼らに聞いたら素直に答えるだろうか。
多分、答えない。
きっと、いつものようにふざけるだろう。
僕は、スポーツや勉強など何一つできない。
バイトもしてるが謝ってばかりだ。
僕は、何も出来ない。
そんな僕を彼らはどう思っているのだろう。
周りから見れば、舐められているだろう。
何故、そんな僕を親友と、
彼氏と言ってくれるのだろう。
堂々巡りの問いに悩まされる。
でも、考える中で彼らとの日々を思い出す。
彼らとのくだらない会話や笑っている顔、
ふざけあってる日々を。
そんな中で、僕は思った。
別にいいのではないかと。
僕が彼らを好きなら、それでいいのではと。
彼らは口は悪いし、何かと僕を馬鹿にするけど、
僕は彼らを嫌いじゃないし、
なんせあの人達は優しい。
きっと、馬鹿なのだろう。
そして僕もその1人なのだろう。
いや、きっとそうだ。
こんな問いの答えに辿り着くのに
戸惑っていたのだから。
こんな薄っぺらい問いに。
きっと答えは単純なのだろう。
なんだこれはと、彼らが見たら笑うだろう。
あの馬鹿共はきっと笑うだろう。