367:自己暗示の特訓!①
投稿スタイルを変更しようと思いますの。
投稿出来る時にする!!!!
出来ない時は待たせちゃうけど頑張るから!!!
あれから配信にトレーニングにと忙しい毎日を送っていた僕。文化祭の方は今年は前回ほどやることが多くないから余裕はあるのが救いかな⋯⋯?
でも、文化祭よりも大事なイベントであるVLF、その為のレッスンと言って良いかはわからないけど、自分の自己暗示のコントロール⋯⋯これが一番の悩み。練習方法がわからないし、何かあった時に頼れる人がいない。
「曲にあった自分になれるようにすぐに意識を切り替えれるようにって言ってたけど、練習方法が思いつかないしどうしよう⋯⋯」
そんな事を考えていたら、突然スマホが鳴りだした。
「薫さんから?」
画面を確認すると、薫さんからの電話だった。
「もしもし」
『あっ、優希くんこんな時間にごめんね』
「大丈夫ですよ!」
『実は⋯⋯由良が』
「由良さんがどうしたんですか?」
『優希くんのVLF参加を聞いて、3Dモデルを改良したいって言い始めたんだけど⋯⋯』
「か、改良ですか?」
『そうなの、あれから色々仕事やるようになったおかげなのか由良自身、腕が上がった気がするって言ってるんだけど、そうなると優希くんのモデルに手を加えたい!って言ってて⋯⋯』
「ぼ、僕は大丈夫なんですけど、流石に早くないですか?」
普通はもっと有名になって、資金も潤沢になって初めて企業クラスのレベルに上げてくって感じだと思うんだけど⋯⋯それに今のままでも十分すぎるほどクオリティが高いと思うんだけど。
『優希くんもそう思うよね⋯⋯』
「さ、流石に⋯⋯それに、由良さんが作ってくれたモデル、気に入ってますから!」
『あっ、えっと⋯⋯その⋯⋯』
薫さんの歯切れが悪い。一瞬、まさかね?なんて考えが浮かんでくる。
『勝手に進めちゃってもうすぐ完成するって⋯⋯』
「えっ」
『お金はいらない!私から優希くんへの遅い誕生日プレゼントだー!って⋯⋯』
「えっ?」
3Dモデルってそんなにポンポン湧いてくる物じゃないと思うんだけど⋯⋯?
『と、とりあえず伝えたから!近いうちに由良からメール来ると思うけど驚かないであげてね?』
「は、はい⋯⋯」
そこで僕はふと気付いた。
何かあっても僕を止めてくれそうな人。
「あっ、その、貰ってばかりで悪いとは思ってるんですけど⋯⋯薫さんお願いがあるんですけど、良いですか?」
『お願い?』
僕は事情を説明して、薫さんと会う事にした。
♢
薫さんにお願いして週末に時間を作ってもらった。
そのお願いはもちろん、自己暗示のトレーニング。
場所をどうしようか迷っていたら、薫さんがうちにおいでよと言ってくれたのもあって今は薫さんの家へ向かっている。
一応、お土産にって思ってクッキーを焼いてみたんだけど喜んでくれるかな?なんて事を考えながら歩いていたら薫さんの家が目の前にあった。
僕はインターホンを鳴らす。
すると、インターホンに付いているカメラで確認したのかすぐに薫さんがドアを開けてくれた。
「いらっしゃい、優希くん」
「お、おじゃまします!」
何回か入らせてもらったことがあるとはいえ、やっぱり女の人の家に入るのは慣れない。どこか恥ずかしさが出てしまう。
「あっ、薫さん。クッキー焼いてきたので良かったら食べてください!」
「わざわざ焼いてきてくれたの?ありがとう。
後で由良と一緒に食べさせてもらうね」
「はい!由良さんはおでかけ中ですか?」
「ちょっと予定があるって言ってさっき出て行ったよ」
「そうだったんですね⋯⋯3Dモデルの事で直接お礼言いたかったんですけど」
「ふふっ、あれは由良が暴走してやったことだから気にしないで大丈夫だから」
「さ、流石にそれは難しいですって!気にしちゃうに決まってるじゃないですか!」
僕がそう返すと薫さんはそれもそっかと言いながら半笑いする。
「それで、今日のお願いは自己暗示の練習⋯⋯だったよね?」
「はい!VLFで歌う時にきっと役立つ筈だから⋯⋯って」
「ど、どう練習するのが良いのか全く思い付かなくて⋯⋯」
「いつもは軽い自己暗示をかけてやってるんだったっけ?」
「あまり意識はしてないですけどね?」
「うーん、それだったら何度もこなすのが良いのかな?」
「やっぱり反復練習ですかね?」
「多分⋯⋯だけど」
一瞬、時間が止まったようになる。
「じゃあ、優希くん」
「は、はい!」
「ゆかちゃんモードになってみよっか」
「ゆかちゃんモードに⋯⋯」
「うん、何かあっても私がちゃんと止めてあげるから」
「わかりました!」
今なら、大丈夫。薫さんの前だったら、安心だから。
深呼吸して、精神を集中させる。
僕から、薫さん達が作ってくれたもう一人のボクに。
みんなの妹、白姫ゆかに。
♢
空気が変わった。
優希くんが目を閉じて深呼吸をすると、呼吸法すら変わったような、そんな気がする。
息遣いまで可愛くなったというと変かもしれないけど⋯⋯
「優希くん?」
深呼吸をしてしばらく、優希くんは動かない。心配で声をかけると、目が開く。
『お姉ちゃん、どうしたの?』
出てくる声は、聞き慣れた、ゆかちゃんの声。
「ううん。全然動かなかったから心配しただけだよ」
『ちょっと、集中しすぎたかも?でも、心配してくれてありがと!』
「ちなみになんだけど、前ゆかちゃんが作った曲って今のゆかちゃん状態で歌ったの?」
『うん、そうだよ?』
つまり、ゆかちゃんモード中はいつものゆかちゃんをイメージしているということ。
衣装が違えどベースは同じ。
だったら⋯⋯前に私が描いたあれをイメージしてもらったら⋯⋯
「じゃあ、なんだけど⋯⋯」
私はスマホからクラウドにアクセスしてあのイラストを探す。
『?』
優希くんは私が何をしているのかよく分かっていないようで首を傾げてる。可愛い。
「あったあった⋯⋯」
昔イケボ優希くんをやった時に思い付いたイケメンゆかちゃん。可愛いの中にあるかっこよさをイメージした、衣装と表情。
「これ、結構前に私が描いたゆかちゃんの新衣装の案なの」
『わぁ!カッコいい!』
「そうでしょ?でもカッコいいだけじゃなくてゆかちゃんとしての可愛さもちゃーんと入ってるの」
「それでね、このゆかちゃんになりきってみない?」
『ボクが?』
「うん。可愛いけどカッコいい、王子様みたいなゆかちゃんに」
『うん、やってみる』
『それが、練習だもんね!』
そう言って優希くんは再び深呼吸をして、深い自己暗示に入った。
それが私にとっての天国の始まりとも知らずに。




