330:新たな波乱?
お待たせしました!
5巻発売まで後6日!
更新も頑張ります!
炎上、それはVTuberだけではなく、芸能人、作家、企業、果てにはSNSをやっている個人にも起きうる起きて欲しくない事。
「⋯⋯どうして」
暗い部屋の中で一人呟く彼女の名前は谷村友梨。
彼女もまたその炎上を経験したその人だった。
「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!」
きっと相当辛い事があったのだろう。話しかける事も躊躇われるほど大きな負のオーラのようなものが漂っている。
「どうして私じゃなくてあの子なの!」
⋯⋯え?
「⋯⋯炎上でメンタルヘラってる場合じゃねぇ!!!!」
⋯⋯うん、これはレアケースだね、うん。みんなは炎上しないように気をつけようね?本来はメンタルいたいいたいだからね?
そんな事を言っている間に彼女は準備をしてどこかへと出掛けて行った。
♢
「お久しぶりです!!!!!!」
「えっ、うそ!?何で友梨ちゃんが!?」
浮雲ふわり、私の心から愛する先輩。彼女がVPEXの大会に参加する事が発表された。その時チームメンバーも一緒に公開され、メンバーを見て絶叫した私は、気付いたら事務所に突撃していた。
部屋に入ると私のマネージャーが口を大きく開けながら驚いていた。だって、今まで引きこもってたんだもん、そりゃ驚くか。
「私、復帰します!」
「と、突然ね!?復帰は嬉しいけど大丈夫なの!?
つい最近まで動画すら見れないって言ってたじゃない!」
「大丈夫です」
私はしっかりとマネージャーさんの顔を見ながらそう断言します。
「え、えぇ⋯⋯」
「倒さないといけない相手が、出来てしまったので」
「倒さないといけない相手?」
「はい、IVCS(いまなんじVPEXチャンピオンシップの略)に出て、わからせないといけない子がいるんです」
「IVCSで?」
マネージャーさんはキョトンとして首を傾げています。
「ふっふっふ!説明しましょう!
あの私が愛してやまないふわり先輩のチームにあろうことか男なのに参加しているあの男の子、白姫ゆかちゃんを打ち倒してわからせてあげないといけないんです!」
「えぇ⋯⋯」
私がそう語ると、マネージャーさんはなんとも言えない表情をしています。なんでなんですかね?
「えぇと、それは別に大丈夫なんだけど、復帰配信とか大丈夫なの?友梨ちゃんかなりメンタルにダメージ受けてたよね?」
「笹食ってる場合じゃねぇ!って勢いになったら吹っ切れました」
「笹!?どういう事!?」
「例えですよ例え」
「訳がわからないんだけど!?」
「とりあえず配信再開しますんで、これからもサポートお願いします!」
「そうね、任されたわ!」
「にひひ、それじゃ私は家に帰って夜にでも復帰配信始めちゃいます!」
「嫌な事があったらちゃんと相談してね?
私達はあなた達ライバーの味方なんだから」
「⋯⋯もちろんです!」
この言葉はちゃんと私の事を気遣ってくれているのが分かって。
「それと⋯⋯心配かけちゃってごめんなさい」
「良いのよ。あなたが無事なら」
「えへへ⋯⋯それじゃ、また!」
私は帰ろうと思ったけど、伝え忘れていた事があった。
「あっ、そうだ。
私を理不尽に叩いてたアンチですけど、全部リストアップしといたので、開示請求からの慰謝料請求とかやってもらえたりします?」
「うーん⋯⋯どのレベルかによるかな開示請求は」
「じゃあリスト渡すので、確認したものから良いと思ったやつだけ協力してもらっても良いですか?」
「それで友梨ちゃんの気が済むなら、喜んで」
マネージャーさんは良い笑顔で答えてくれた。
私も言いたい事は言ったし、そろそろ帰ろう。
強く言ったはいいけど、まだ少し外に出るのは怖い。
事務所から外に出た私は、一瞬立ち止まった。
瞬間的に脳内を駆け巡る炎上の記憶。
私はただ⋯⋯
「天ちゃんをお祝いしたかっただけなのに⋯⋯」
谷村友梨こと、七瀬れな⋯⋯彼女の炎上理由は、エルフの胸はデカければデカいほど良いと言ったから⋯⋯ではなくて、天皇陛下の誕生日におたおめツイートを呟いたから。
天皇誕生日を祝っての炎上は歴史上2度目の珍事だった。
♢
「⋯⋯ということがあったの」
「えっ」
「ふわりちゃんには悪いけど⋯⋯
一応あの子の様子見ていてもらえないかな?」
「えっと⋯⋯様子を見るのは良いんですけど⋯⋯」
「良いけど?」
「どうしてあの子、そんなに私の事気に入ってるんでしょう?」
マネージャーさんが私に頼みがあると言っていたので何かと思ったら、同期なのに私を何故か先輩呼びする七瀬れなちゃんに関する事でした。
「⋯⋯確かに」
「思い当たるとしたら、あの子がプチ炎上した時に少しアドバイスしたくらいだったんですけどね」
「それが嬉しかったんじゃないのかな?」
「そ、そうなんでしょうか⋯⋯?」
「一応あの子もいまなんじのやべーやつの一人だから⋯⋯なかなか難しいのよ私には⋯⋯やべーやつの中で一番やべーやつ説あるけど」
「あ、あはは⋯⋯」
「初配信で、エルフの胸はいくら盛っても良いと思います!
なんて言うのはあの子くらいのものよ?」
「あれは確かに衝撃的でしたね」
「でもまさか⋯⋯」
「「天皇陛下の誕生日おめでとうツイートで炎上するなんて⋯⋯」」
マネージャーさんと声がハモってしまって、お互いに笑ってしまいました。
「とりあえず、そんな感じで何かあったらすぐに教えてね」
「はい、お疲れ様です」
電話を切ると、私は一息つきます。
「れなちゃん、復帰するんですね⋯⋯」
「次の大会一緒に出るって言ってましたけど、流石に無理だと思ってました⋯⋯私、やらかしちゃいましたね」
「⋯⋯どうしましょうか」
私はなるようになるかと思い、作業に戻りました。
ただ、私も気付かなかったんですが、彼女は夜に復帰配信をしていたそうな。
♢
「やっほー!みんなおっひさー!」
:!?!?!?!?
:配信!?マジで!?
:うわやったあああああああ!!!
「1年もお休みもらっちゃってごめんね、心配かけちゃったよね!」
:大丈夫!ずっと待ってた!
:炎上なんて気にしないで大丈夫!
:俺たちはれなちゃんの味方だよ!
「にへへ、ありがと」
:にへへいただきました
:1年ぶりのにへへに涙腺、壊れますよ
:あかん泣けて来た
「とりあえず今日は復帰するよってお知らせだけ。
ちゃんとした配信は3日後からやっていくから、よろしく!」
:おっけー!
:絶対見るよ!
:楽しみにしてるけど、無理はしないでね!
「にへへ、心配してくれてありがと!
でも大丈夫。復帰するのには理由があるのだー!」
:理由?
:何かあった?
「ウチの大好きなふわりパイセン、ウチ以外の子と組んだらしーじゃん?」
:あーそういえば⋯⋯
:休止中だったから仕方ないって言ってたよね
:メンバー発表しちゃったもんねそういえば
「だから、ウチ決めたんだ」
:決めた?
:何を?
「ウチのパイセンをたぶらかす、あのゆかちゃんとか言う子ぜってーわからせるって!」
:あっ(察し
:れなちゃんがわからされそう
:あの子は⋯⋯うん、なんか特別なんだよな
「そんなにやばいん?
ウチ、名前とビジュと男の子ってコトしか知らないんよ?」
:まぁ、うん
:あれが男とかバグだよなって
:未だに俺信じられないもん
「ほえー、そんな凄いんだ」
「みんなはれなとその子どっちが好き?
もちろん、れなだよね?」
:もちろんれなちゃん!
:すまん、ワイ、最近ゆかちゃんも推しなんだ⋯⋯
:まぁ可愛いからしゃーない
「ふーん⋯⋯」
「ショタコン」
:ぐはっ
「変態」
:ぐぬぁ!?
「にへへ、なんてじょーだんじょーだん!
現にこうやって見に来てくれてるワケだし?
ウチのコト覚えていてくれたワケだし?
でも、ウチが一番!そうだよね?」
:もちろん!
「ならよし!」
「それじゃ、言いたい事も言い切ったし⋯⋯
改めてみんなには心配かけちゃったけど、もう大丈夫だから。
安心してね」
:う“ん”!!!!
:本当良かった!!!
「でも⋯⋯」
「ウチを叩いてくれた奴ら、見てる?
ぜってー許さないから、覚えててね」
:もしかして!?
:開示!?
:慰謝料ガッポガッポ!?
「お金はどーでもいいよ。
でも、ウチの痛んだ心の分くらい、償ってもらわないとね」
:そうだそうだ!
:絶対許さない!
:戻ってきたから良いって訳でもないもんな!
「まぁ辛気臭い話は終わりっ!
んじゃ、改めておつおつー!」
:おつおつ!
:おつかれさま!
:おやすみ!
----------この配信は終了しました----------




