317:僕から
お待たせしました!
Twitterでは月曜日くらいって言ってたんですが、なんか凄くノリが良かったので今日投稿しちゃいます!
朝になり目が覚める。
今日もコミケにコスプレで参加の予定だけれど、僕はとある事を思い付いていた。
だけど、その思い付きを実行するに当たって僕に足りないものがあった。
それは女性経験と言われるもの。
女の人とお出かけする時、特に僕の場合は受け身で流されるままにお出かけすることが多かった。
だけど、決めたからには僕から誘いたかった。
だけど、どこに行くのが良いのか、それがわからなかった。
かといって、誰かに相談するのも恥ずかしい。
でも、こういう時相談に乗ってくれるのはいつも裕翔だった。
メッセージで相談があるって言ってみようかな。でも、裕翔にそれを言ったら少し揶揄われそうな気もする。
「⋯⋯うん、でも失敗したくないし、相談しておくべきだよね」
そう思った僕はまだ早い時間だったけれど裕翔にメッセージを送信した。
『僕から女の人をデートに誘うならどうやって誘うべきだと思う?』と。
すると、すぐに通話が飛んで来た。
『優希!?メッセージのあれ、どういう事だ!?』
裕翔は僕が通話に出ると捲し立てるように喋り始めた。
「どういう事って、そのままの意味だよ?」
『お、おま⋯⋯誰に決めたんだ!?』
「そ、それは恥ずかしいから言えないよ!」
流石に裕翔と言えども、好きになった人を話すのは恥ずかしいから。
『まぁ、それは良いか⋯⋯
とりあえず、本気なんだよな?』
「うん。あれだけ本気で言われたら僕も男なんだもん、応えるのが筋かなって思って。それに、僕も⋯⋯満更でもないから」
好きであることは確かだったし、嫌いになんてなれるわけもない。問題があるとするなら、僕が皆に感じてる好意の種類が若干違っていた。それだけなんだもん。
『⋯⋯そうか。優希が決めたなら俺は何も言わない。優希の周りの人は皆良い人そうだしな。ちょっと想いが重い部分はあるが』
「ふふっ、そうかもね」
思い当たる節はある。でもそれを含めて、好きになっている部分もある。
『とりあえず、優希の場合は⋯⋯特に意識しなくて良いと俺は思う』
裕翔は少し考えると、僕が思っているような答えとは違う答えが返ってきた。
「どういうこと?」
『優希はさ、あっちの想いに応えてあげたい思いが強いんだろうけど、あっちは多分自分がリードして、優希が喜ぶ顔を見たいんだと思うんだ』
「うん」
そういうところは確かにあると思う。でも、本当にそれで良いのかな?
『とりあえず誘って、自分がその人とどう過ごしたいか伝えてみると良いんじゃないか?』
「どう過ごしたいか⋯⋯?」
『映画を見たい、夜景を見に行きたい、一緒にお買い物行きたい、一緒に美味しいものを食べに行きたい、そんな軽い感じだな』
「でも、こっちがエスコートする方が喜ぶんじゃ⋯⋯?」
『そういう人もいるだろうけど、それは追々で良いと思うんだよな』
「そういうものなのかな?」
『まぁそこは俺にもわからん。そこまで俺も経験無いしな』
裕翔は自信無さ気に言うけれど、僕からすれば十分に参考になったし、これと言った答えがあるわけもないよね。
「そっか、でもありがとう。
凄く参考になったよ。
やっぱり裕翔は頼りになるね!いつもありがと」
『な、なんだよ急に』
「なんか、言いたくなって」
『俺達親友だろ?当然の事をしたまでさ』
「それでもだよ?」
『ま、その⋯⋯あれだ。
上手くいくといいな』
裕翔は恥ずかしそうにそう言ってくれた。
そこで素直に応援してくれる裕翔が優しくて、そういうところがとても好きなんだ。
「うん。ありがとう!
自分から誘うのはまだ恥ずかしいけど」
『そのうち慣れるさ!』
「慣れるかなぁ⋯⋯?」
『慣れないなら慣れないでそれもまた優希の魅力だろ』
「そ、そういうものなのかな!?」
『ま、頑張れ!俺は応援してるぞ!』
「うん、やれるだけやってみる」
『それじゃ、また学校でな』
「うん、ありがと」
そう言うと、通話を切る。
そして僕は裕翔のアドバイスを実践するべく、脳内でイメージトレーニングをしてみる。
そんな事をしている間に約束の時間が来てしまう。
「⋯⋯そろそろ行かないと」
準備を終わらせて外へ出ると、薫さん達が待っていた。
「⋯⋯ゆ、優希くんおはよう」
「優希くんおはよー」
薫さんはどこか恥ずかしそうにもじもじしながら、由良さんはそれを知ってか知らないでかいつも通りに挨拶をしてくれる。
「薫さん、由良さん、おはようございます!!」
僕の思いを悟られないように、いつも通りを演じながら挨拶を返す。
でも僕の目は、恥ずかしそうな薫さんを見つめていた。
優希くんは、誰を誘うのか⋯⋯?




