213:なのさんとオフコラボ!⑦
お待たせしました!
「え、えっと、き、君は誰なのかな⋯⋯?」
思わず素に戻ってしまった僕はその女の子にそう聞く事しか出来なかった。
「あっ、そう言えばこうして話すのは初めてでしたね、私は結野すみれ、ここいまなんじで活動させてもらっている川嶋繋の中の人をやらせてもらってます!」
最初の一言と、みんながヤバいやつだと言っていた事もあって、想像以上に普通な挨拶に僕の警戒心は少し薄くなっていた。
「あっ、丁寧にありがとうございます!
僕は白姫ゆかの中の人やらせてもらってる姫村優希です。
⋯⋯ちなみに何で僕の名前を?」
「えっとそれは探t⋯⋯学校の文化祭で知ったからです⋯⋯」
「ねぇ、今この子探偵って言いましたよね!?」
「ぼくの耳にもしかと聞こえたの」
「流石治外法権枠にゃ」
「た、探偵⋯⋯?」
聞き捨てならぬ単語を聞いた皆がツッコミを入れたけど、それを言った本人はそんな事を言いましたっけ? といった表情でキョトンとしている。
そしてそんなすみれちゃんを僕以外のみんなが取り囲み何やらヒソヒソ話を始めた。
「絶対探偵って言いましたよね」
「嫌ですね、流石に私でもそんな事は⋯⋯」
「したんですよねー?」
「いくらかかったのか白状するの」
「何か、良いモノ持ってるんだにゃ?
あったらそれをウチらに見せるにゃ」
「⋯⋯見せたら黙って貰えるんですよね?」
「内容次第ですかねー?」
「早く見せるの、あくするの」
「早く見せるにゃ」
「私だけの秘蔵画像だったのに⋯⋯」
そう言いながらスマホの写真フォルダを開くと、中には大量の優希の写真が。
すみれは周りに見られないように高速で画像を選択し、その画像を見せた。
「こ、これは⋯⋯」
「優希先輩が女装して行きつけの喫茶店でレディースセットを頼んで舌鼓を打っているところです」
「「「アッ」」」
「他にもありますが⋯⋯私に協力して貰えるなら⋯⋯」
「だめ、だめなの、協力したら優希くんが食べられちゃうの⋯⋯」
「私も屈しませんよ⋯⋯」
「今のでお腹いっぱいだにゃぁー」
甘い言葉で三人を味方に付けようとしたすみれだったが、流石にこの三人を味方に付けるには至らなかった様子。
「⋯⋯流石はいまなんじのゆかちゃんガチ勢ですね」
苦虫を噛み潰したような顔をして呟くすみれ。
「伊達にゆかちゃん推してないの」
「ゆかちゃんを守護るのが私の役目ですから」
「ゆかちゃんは見守るものだにゃ」
「だったら、バレないようにやるだけですから⋯⋯あっ、でも邪魔をするようなら⋯⋯本棚の中身とかどこかに流出しちゃうかもしれませんね、ふふっ」
「「ヒエッ」」
「逆にやられ返してどうするんだにゃ」
「さくらさんも気を付けた方がいいですよ?」
「何でにゃ?」
「電子でも同人誌って買えるんですよね?」
「ヒエッ」
「す、少なくとも邪魔はしませんが、優希くんを守護ります。
これは譲りませんよー」
「ぼくも同じくなの」
「うちはまぁ⋯⋯ゆかちゃんが幸せならいいにゃ」
♢
「四人で何を話してるんだろう⋯⋯?」
「はぁ、ゆかちゃんを放置して何を語りあっているのやら⋯⋯」
突然現れた女の子を囲んで何か話している華さん達を見ながらそう呟くとマネージャーさんが呆れた顔をしながらこちらへ戻ってきた。
「あっ、マネージャーさんもう大丈夫ですか?」
「えぇ、心配してくれてありがとう。
もう問題ないわ」
僕の顔を見ながらそう言うマネージャーさんはすぐに目線を華さん達に向ける。
「それで、すみれちゃんがどうしてここに?」
マネージャーさんが話し込んでいる四人に割り込んですみれちゃんにそう聞いた。
「今日ここで配信やるのを知っていたので⋯⋯」
「この情報は私となのちゃんだけしか知らなかった筈なのだけど⋯⋯」
「まぁ、伝があるので⋯⋯」
どんな伝なの!? なのさんが伝えたような様子は無かったのに!?
「貴女の情報網は一体どうなってるのよ⋯⋯」
「ロリあるところに私あり、男の娘あるところにも私ありですよ」
「いや、意味わからないんだけど⋯⋯」
「それ以上は⋯⋯⋯⋯あれ?
マネージャーさんの弱みが⋯⋯無い⋯⋯?」
「まぁ、私は隠すような事なんて何一つ無いから、そうなるわね」
「そ、そんな⋯⋯」
何やらよくわからない話をしているけれど、僕も気になっている事があるからそれを聞くことにした。
「あの、すみれちゃんだっけ⋯⋯?
春からってどう言うことなのかな?」
「私、優希先輩と同じ学校に通うことになっているので!」
「と言うか僕はすみれちゃんに一回も会った記憶が無いんだけど⋯⋯」
「あっ、それはあれですよ。
初めて見たのは岐阜のコスプレイベントの時なので!」
「えっ? でもさっき文化祭がって⋯⋯」
「あっ」
僕がそうツッコミを入れると、すみれちゃんは何やら焦ったような表情になった。
「すみれちゃーん?」
「後で、詳しいはにゃしを」
「聞かせてもらうの」
「私としたことが⋯⋯
と、とりあえず! 春から一緒の学校に通うのでよろしくお願いしますねっ!」
そう言うと小走りですみれちゃんは部屋から逃げ出してしまった。
「チッ、逃げたかにゃ」
「追いますか?」
「後で良いと思うの」
「私からも後でじっくりOHANASHIさせてもらいますか⋯⋯」
「あ、あはは⋯⋯」
僕は新しい出会いに少しワクワクしつつも、現実で会うことになると思うとかなり不安。
一体、どうなるんだろう⋯⋯?
すみれちゃんが部屋を出て行ったあと、皆と近くにあるスイーツ屋さんでお茶をしてから僕は家に帰った。
「あれ? メール?」
家に帰るとスマホに一通のメールが届いていた。
差出人:結野すみれ
件名:先ほどはごめんなさい!
本文:
突然のメールごめんなさい!
さっきは少しテンパってしまって逃げるように部屋を出てしまってごめんなさい!
本当は私ともコラボとかやって欲しいなとお願いがしたくてお邪魔させてもらっていたんです。
もしよければ、今度お茶でもしながらコラボについてお話し出来たりすると嬉しいです。
それと学校が同じと言う件ですが、本当です!
優希先輩と同じ学校に通える日が楽しみです!
わざわざメールを送ってくれるあたり律儀なのだろうか。
そしてメールを読み終えた僕は一つの疑問に辿り着いた。
「あれ? そういえばどうやって僕のメアド知ったんだろう⋯⋯」
そう考えると、背中がひやりとした気がした。
かなり眠気がやばい中書いているので色々おかしい部分も多いかもしれません!
最悪近日中に修正しておきますね!




