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魔法師の道、魔道である。  作者: アラスティ
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大陸最年少の魔法士

 この世界に転生してから十四年、アラスタは完全に慣れてしまった。魔法の修行をすることや魔法書を見ることなど、前世はあんまり勉強しないタイプだが、この世ではアラスタはなんだか真面目に勉強するようになった。

 この世界には珍獣や魔物に満ちられていると本の中で書かれている。いつか、アラスタも魔法学院を出て、自分の目でこの世界を見てみたいと常に思っている。

 この世界の魔法には階級がいる。魔法徒、魔法士、魔法上等士、魔法高等士、魔法大師、魔法賢者。

 まあ、賢者は伝説的なもので、この世界の歴史上は一人だけこのレベルに達していた、名前はイースンという。これは別談で、アラスタの国では魔法上等士でも結構、国王陛下の親近レベルである。

 魔法の階級は大陸の公式の魔法士会で認定されてから初めてプロの魔法師とみなす。

 アラスタはまだ見習い級で、魔法徒でもない。それはそうとして、彼の夢は魔法賢者になること、そのために彼は誰にでも比較できないほど勉強している。

 今は魔法見習いだが、これはまだ認定されていないだけで、認定を受けたら必ず魔法徒になるだろう。

 だって、ファイアボールが出せるってこと自体が魔法徒以上でないとできないのである。

 学校の魔法導師たちはみなアラスタの未来に期待を寄せている。この大陸でさえ、十四歳にしてファイアボールを出せる人がいないからである。しかも、高純度のファイアボール。

 十四歳にして大陸最年少の魔法徒になってほしいと期待を。

 しかし、アラスタはわかってる。自分の成績は偶然できたわけではないことを。それは度重なる努力を経ってから、ようやく辿り着いたこと。

 赤い魔法陣が緩やかに開き、汗まみれのアラスタが初めてファイアボールを打ち出す日、まだ鮮明に印象に残っている。

 皆に嫉妬されるほど能力を持つ魔法学院の有名人アラスタは周囲の目を気にせずに毎日学院に真剣に通っている。


 そして、ついに魔法認定の日が来た。この学院では公式魔法認定の資格がないため、アラスタを一人だけ連れて、公式魔法認定が行う大陸魔法師協会のところに行くことにした。

 アラスタの両親は感激というか悲しみというか、涙ながらアラスタを送った。なぜ悲しむかというと、大陸魔法協会への道は長く、一か月もかかることになる、往復では二か月。

 学院はアラスタのために、そして、自分の学院の名誉のために、特例にアラスタを送ることにした。

 アラスタはこの世界の両親と離れるのは初めてで、涙を伴いながら、手を振った。

 

 大陸魔法師協会はアラスタの国を出て、大陸の中心に位置する。

 出発したアラスタは興奮が収まらない。この世界で初めて遠征するんだから。

 城を出てぼこぼこの道の道端では地球では類を見ない動物が並びまくる。

 角が入った犬が草を食べているとか、全身炎に包囲した牛が肉を食べてるとか。

 興味津々。

 途中、アラスタは新しい町に出会い、いろんな宿に泊まっていた。

 道を走っても、アラスタは魔法の練習を止まることはなかった。

 魔法書をみて、氷の魔法を学びたくなってきた。

 目に入ったのは「氷刺」、これは氷を小さい針の形にして、スピードを出させ、刺させる魔法である。

 戦闘では敵の命中するところの速度を劣らせ、隙を作る効果がある。

 魔法陣には列がある。この列の正確な並び替えによって初めて魔法陣となる。

 

 一か月後、とうとう大陸の中心に着いたのである。

 天にそびえるほどのタワーが四つ並び。そのすべてが魔法石によって装飾され、ブルー色で輝かしい光を放っている。それに加えて、豪華な黄金色の装飾がこの地の神聖さを語っているようだ。

 アラスタたちが入るのは左のブルータワー、名は栄光の殿堂。階級の認定のために設置されたタワーである。

 魔法を原動力としてのエスカレータ―にのぼり、殿堂を俯瞰するようになる。内装では真の黄金が用いられ、大陸唯一の公式の力を示しているようだ。

 ついてきた先生たち二人はすでにこの建物に驚かされ、言葉も出なくなったようだ。

 このとき、不穏な声が...

 「どけ、田舎者目」全身装飾品に飾られ、太っている男が大声でにらってきた。

 どうやらエスカレータ―を急いでいるようであるが、太っているため横も通れないようだ。

 先生たちとアラスタは身を斜めにして、ようやく通れた。

 「ちっ邪魔な田舎者目」

 先生の一人は我慢できず、口を出そうとしたが、もう一人に抑えられた。

 ...

 

 アラスタと先生二人は道に少々迷っていたが、ようやく認定場って書いてあるところに到着した。

 認定場ではすでにたくさんの人がいて、その場を囲んでいる。

 大きな声が聞こえてくる。

 「はい、アーサ59ポイント、魔法徒になれず。」

 「はい、イーサ60ポイント、魔法徒に認定する。」

 

 アラスタは少々緊張してきた。

 三人は接近にその場の中心に目を行く。

 真ん中にある試験官はまさかの装飾品をたくさん飾った、太った男。


 認定料金貨一枚

 認定料はかなり高いものである。

 認定料を支払い、太った男は聞いてきた「だれが認定する。」

 「このアラスタという少年。」

 太った男、驚いた様子で「は?この少年?まだ十四歳ぐらいだろう。魔法徒とてもなりつもり?」

 「はい。」先生は胸を張っていった。

 「正気か。あの賢者でさえ十五歳で魔法徒だぞ。」

 「はい。」先生は二言がなく。

 「お前ら馬鹿げてる。金貨を持って帰れ。」

 「金貨は支払ったんだから、認定が受けないことがないだろう。」

 「しかたがないな、じゃ付き合ってやる。どうせバカには筋が通れないから」


 ようやく認定をしてくれたようで、アラスタは興奮した様子で待っている。

 「これより、大陸公式魔法協会によりあなた、アラスタに魔法認定を行う。」

 周囲の人々はびっくりした様子で

 「は、こんなに若いのに魔法徒を認定するつもりなの?」

 「すごい」

 「ちっどうせちゃれな田舎ものだろう。」

 ...

 

 「認定テスト一魔法陣の並び方。開始してください。」

 これを聞き、アラスタは始まった。たったの3秒。一秒は円を並べる。二秒は星を描く。三秒は呪文を書く。

 「な、なんだと。3秒。これは」太った男は顔の肉が弾けたようだった。

 「す、すぐに完成度をチェックする」

 太った認定官はメガネを取り出し、一から百までアラスタの魔法陣をチェックした。

 「これは、完成度99パーセント。完璧な芸術品じゃないか」

 周囲の人たちも興味津々した様子。

 「すげーなたった三秒で完成度九十九パー。魔法上等士もこれぐらいじゃないのか?」

 「この子半端ないぞ。」


 「つ、次の認定テスト魔法純度。開始してください。」

 アラスタはこの魔法陣で魔力を注ぎ、ファイアボールを出した。

 金色を超えた白色のファイアボールは神秘さを語っているようだ。

 「こ、これは、魔法純度99パーセント」

 

 「つ、次魔法発動。」

 アラスタはファイアボールを左手に置き。右手を徐々に上げた。

 「こ、これは、まさか!」

 周囲の人たちは興奮した。

 そして、次の瞬間、アラスタは右手で魔法陣を目に見えないほどのスピードで描いた。

 ――氷魔法「氷刺」

 左手に「ファイアボール」、右手に「氷刺」。氷火の完璧な結合。そしてこの両者を融合し、「ボン!」前の的に発動した。

 震動が起こり、ある人が転倒の様子を見せた。

 「すごい、これは十四歳?」

 「言葉が出ない。」

 「魔法同時発動にして、融合魔法。しかも両手別々で書く!これは」

 ...

 

 認定官はもう言葉が出ないほど、そこに立っている。

 認定図鑑を持ち出し、これに該当するレベルを探しまくった。

 どう見ても、これは

 これは

 「魔法士」

 「魔法陣完成度99パーセント、魔法純度99パーセント、魔法の同時発動にして融合。よって、アラスタを魔法士と認定する。」認定官は高ぶった喉で伝えた。

 「ま、まさか!」

 「魔法士!!これは伝説の誕生を見たな。」

 「あの賢者でさえ15歳で魔法徒だけなのに!!」

 そして、周りは一気に新聞記者たちに囲まれた。

 大陸公式魔法協会、全協会がびっくりした様子。中にいる魔法上等士だろうと魔法高等士だろうと全員アラスタを見に来た。

 

 翌日、新聞が大陸中に散らばった。大陸最年少魔法士の誕生、賢者候補だという。

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