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友達がいない主人公は彼女との青春を満喫したい  作者: ねこ永ねこ太
プロローグ 夢と現実と美少女と。
1/15

プロローグ

ある日、菜々ななおうぎ七斗ななとは不思議な夢を見た。


………


雲ひとつない夕焼けの下の見覚えのない砂浜。海特有の少し塩の混じったにおいが鼻につんとかかる。

正面を見るとうっすら、女の子と思われる人が一人。

周りを見渡すがそれ以外に人は見当たらない。


砂浜の山側にはトイレやちょっとした小屋があり、さらに上には悠々とそびえ立つ山を背景にちょっとした崖がある。

階段で崖上に上がれるようだ。

夏になれば人もそれなりにいそうだが、肌寒いので夏ではないだろう。体感では初夏か夏の終わりに感じる。今の海は寂しいようだった。


再び正面を向くと目の前には手を後ろに回した女の子がぽつりと立ってこちらを見ている。

笑っているように見えるが、なぜか悲しんでいるようにも見える。

顔はぼやけてはっきりとは見えない。


身長は女子高校生の平均身長くらいはあるだろうか…。

髪は黒く肩よりも少し下まで伸びていて長い。

スタイルはよく、小説やアニメにでも出てきそうな、いわゆる容姿端麗な清楚系の女の子だと言えるだろう。


服装はどこかの制服のようだ。

足の露出が多いせいか風が吹くたびに見えそうでエロさを感じる。

やはり高校生だろうか。


だが顔だけは変わらずぼやけて見える。


顔が見えずにいるのは少し残念に思えるが、そんな彼女を見ていると何故だか暖かい気持ちになる。友達…とはまた違うようで家族ともまた違うようだ。

今年で十七歳にもなる七斗だが、生まれてから一度も感じたことのない暖かさだった。


それにしても今まで記憶にない容姿だ。


(誰なんだ…)


とりあえず顔で知人か他人かを確認しようと、ゆっくりとまぶたを落とし目を細める。


すると徐々に鮮明になっていった。


その顔がはっきりと見えるようになったとき、


か、可愛い…


その一心に尽きた。


彼女いない歴イコール年齢超完璧童貞の俺には刺激が強すぎる。


七斗の顔がすこし赤く染まり、あつくなった。


目はすこし猫のようにツンとしているがそれであることでさらに美人さを引き立てるほどに合っている。


彼女はなにか伝えるように口を動かした。


(あ…お…う…あ…あ…?)


実際、声は聞こえなかった。

口の動きを目で追って見たが、母音のみ読み取ることができたくらいで、なんと言葉を発したのか見当もつかなかった。


ザァー、ザァー、と心地よい波の音のみが耳の中をつきまとう。


声を出そうとしたが、口は開くものの、かすれるように声を出すことはできなかった。


彼女の正体を知らなければならない気がした…。


彼女との距離は……そう遠くはないし例えるならば二車線道路の反対側くらいな程だ。


七斗はゆっくり歩き出した。


足場は快適とはいえず、当然むしろ、足を砂にとられ不快な歩き心地だ。


ザク……ザク……


浜の上を歩く砂の音と波の音とが混じって聞こえた。


こっちへ向かってくる七斗を見た彼女は首をかしげると、体をこちらに向けたままスカートを揺らしながら表情を変えることなく、ゆっくりと後ろに下がった。


同じ距離を保ったままその差は縮まらない。


少しずつ足を早めた。

……


ザク……ザク……


しばらくして諦めたのか、悲しい顔で彼女は足を止めた。


それでも七斗は歩き続けた。

距離は近づいていた。


(よし、あと少し…)


さらにまとわりつく砂をよけるように足を早める。


距離は残り一メートルほどで、手を伸ばした。


……


「さようなら」


(っ!……)


手を伸ばすのと同時に…


耳元で一言そう言い残すと、光に包まれるように彼女はすっと消えてしまった。


触れることができなかった。


決していつもの癖で、卑猥なことを考えているわけではない。

だが、なぜか触れたい、触れなければならない、彼女を消してしまってはいけないような使命感に追われた自分がいたのだ。


消えるともうそれっきり姿を現わすことはなかった。


"まるでその人の記憶、存在そのものが消えてしまったかのように"


そんな気がしただけか。


そう思いながら立ち止まった。

波の音が止まる様子は無かった。


ところで今の美少女は誰だったのだろうか。

幽霊?人の形をした宇宙人?もしかして俺の頭がとうとういってしまったか?それとも…


この状況のこと、彼女のこと、そもそもなぜこの場にいるのか。


まったくわけわからん。


ぼうっと海を眺めた。


だが視界までもが、ぼやけていくようだ。


先ほどまでの暖かい気持ちとは一変。

なぜか絶望感、邪悪、嫌悪、怒り、全て暗いもので包み込むように熱く苦しい気持ちへと変わった。

胸が熱く、気持ちが悪い。


場所も記憶もここから始まったはずだ。だがここにくる前に何らかの物語があったかのように感じた。


ぼやけた視界をはっきりさせようと手で拭うように目をこすった。


(……)


何故だろう。


また海を眺める。


(俺は……)


……


泣いていた。

プロローグをご覧いただきありがとうございました!

これを書き始めたきっかけとしては、暇人といえばそれまでですが(笑)、自分で物語を考えることが好きだったので、せっかくだし書こうということで小説家になろうで投稿しようと考えました!

少し後書きにしては長くなってしまったかと思いますが、できるだけ毎日投稿を心がけますので、語彙力がなく伝え方が下手になるときもありますが暖かい目で見守っていただきますようにお願いします!

以上初投稿、ねこ永ねこ太でした!

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