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【回復薬】


 回復薬か……使えるとしたら相当便利だぞ。


「リン、お前回復薬がスキルで作れるみたいなんだができるか?」

「うん、できると思う。たぶん体を絞れば」

「体を絞るって何!?」


 ぞうきんみたいに絞るのか?


「ってことはこの牛みたいにでかいおっぱいを絞っても出てくるのかにゃーっ!?」

「な、何をする」


 テンネがリンに飛びかかった。

 そしてそのまま羽織っている布をはがし、リンの体を弄り始める。

 

「ここかにゃっ!?」

「や、やめ――」


 ――どぴゅっ。


 そんな音が聞こえた気がした。

 テンネは、手にかかったリンの胸から発せられた青い液体をまじまじと見つめる。

 そしておもむろに舐めた。


「おぉ、確かに体が回復してる気がするにゃ。フリードも舐める?」

「舐められるわけないだろーっ!」


 なんでよりによってそんなところから回復薬がでるんだよ。


「別に手からも出る」


 リンがそう言うと、彼女の手からポタポタと青い液体が垂れ始めた。

 なるほど、場所にこだわらないのか……。


「じゃあ回復薬はいいとして、この擬態ってスキルは? 何かに化けられるらしいが」

「やってみる。『擬態』」


 リンがそう唱えると、彼女の体はぎゅるぎゅるとうねり始め、形を変えてやがて青色の腕輪に変化した。


「腕輪ににゃった!」


 俺は腕輪を拾った。触った感じは確かに柔らかくスライムのままだ。


「凄いな、あの体積がなんでここまで圧縮できるのか謎だけど……リンは感覚あるのかな」

「マスター、そこはお尻」

「えっ、ごめん! てか喋れるの!?」

「うん。戻っていい?」

「あ、ああ。いいよ」


 腕輪がぐにゃぐにゃと変形し始めて、少しすると元の体のリンに戻った。

 

「少し疲れた」

「そうか。まぁリンの事もよくわかったし、休憩したらスライム狩りを続けよう。いや待て、リンの前でスライムは狩らない方がいいのか?」

「別に。もはや私はスライムではない。魔人。他のスライムがどうなろうと関係ない。マスターに従うだけ」


 テンネもそうだったけど、魔人と魔物には明確な差があるみたいだな。人間の俺にはよくわからない感覚だけど。


 というわけで俺たちはスライム狩りを続けて、クエストをクリアした。


 ダンジョンから出て、ギルドに満タンにした瓶を渡しに行く、と思ったけどその前にリンの服を買った。

 やはりリンもテンネと同様服を「邪魔」などと言っていたが、魔人はみんな着てるぞと言ったら渋々従った。


「にゃあフリード。なんかさっきからみんな私達の事をチラチラ見てないか?」

「テンネは自意識過剰」

「にゃにを!? 私が可愛いからみんな見てしまってるのだ!」

「違う。私が美しすぎるせい」

「違う、私にゃ!」

「違う、私」


 リンが自意識過剰と言っていたが、それは違う。確かに街を行き交う人々が俺たちの事をチラチラ見ているのは間違いなかった。


 そしてその原因はおそらくリンだ。テンネはまだ猫人ワーキャットで、人間社会にも昔から関わっていたりするからそこまで注目されてなかった。


 だがリンはスライムヒューマンだ。そんな魔人普通は見ることはない。だから周りがこんなに注目してるんだ。

 まぁ当の本人が全く気にしてなさそうだからいいけど。


「フリードはどっちが可愛いと思う!?」

「マスターはどっちが綺麗だと思う?」


 いつのまにそんな話になってたんだこいつら。

 テンネは言うまでもなく美人だ。キリッとした目に艶やかな黒髪。本当なんでこんなクールビューティな見た目なのにこんなアホなんだ。


 リンは、全身青いからいまいちわからんが顔は整ってるしどこぞのお姫様と言われても納得できる。瞳もエメラルドグリーンだし、なんか高貴そう。それに何よりおっぱい大きい。


「どっちも可愛いよ。ほらもうすぐギルドだ、行くぞ」

「誤魔化したにゃフリード!」

「はっきりするべき、マスター」


 俺は2人を無視して、ギルドに入っていった。やはりここでも視線を感じる。

 俺は受付に行って核液を入れた瓶を、いつもの女性に渡した。


「お疲れ様ですフリードさん。怪我はなさそうですね」

「ええ、少しスライムに張り付かれたりはしましたが」

「それは大変でしたね……それにしても、そちらのスライムヒューマンの方は?」

「え、ああ。この子は、新しい仲間です。後でこの子のための冒険者の契約書貰えますか?」

「いいですよ、少々お待ちください」


 そして少し待って報酬を受け取り、リンの冒険者の契約も終えたので、宿をとって帰ろうとしたのだが。


「よぉにいちゃん、面白いの連れてるねぇ」


 ギルドの中で呑んだくれているおっさんたちが絡んできた。無視しよう。

 そう思ったのだが、テンネが話し始めてしまった。


「にゃんだお前、酒臭いぞ」

「へっへっへ、そうかい? お嬢ちゃんも飲んでけよ。楽しませてやるぜぇ?」


 そう言って男はテンネの手首を掴もうとしたが、テンネはその手を弾いた。


「汚い手で勝手に私に触るにゃよ……うっかり殺しちゃうのだ」


 テンネは不気味に笑って男に睨みを利かせていた。思わず俺もびっくりする。

 怖いセリフをにゃ、とかつけながら喋ってるからその落差にびっくりしたのだ。


「わ、悪かったって。そ、そんな怒るなよ。へへ。ほら、良い情報教えてやるからさ」

「にゃんだ? 飯か?」

「いや、これほら。3日後の中規模クエストさ。何ランクだろうが参加できるんだ」


 男が見せた紙には中規模クエストと書かれていた。

 内容は【ゴブリン退治】と書かれていた。

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最強な主人公が無自覚のまま冒険するお話です
おつかい頼まれたので冒険してたら、いつのまにか無双ハーレムしてました〜最強民族の【はじめてのおつかい】〜 >
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