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【毛刈りたい】


 店内を見てみると、本当にいろんな品がある。例えばこの『尻尾カバー』。寒い日とかに尻尾に装着する手袋の尻尾版みたいなものだ。

 人間と魔人の違いで色々とこういう差が出てくるみたいだ。


「わぁ、見てくださいフリード君。これケンタウロスさんの為のよく曲がるブラシですよ」


 サシャが見ていたのは4つくらい関節が曲がるブラシだった。これで手が届きづらいところを洗ったり、ブラッシングしたりするらしい。


「こっちも凄いわよフリード。吸血族バンパイアの為の日除け傘ですって。特殊な魔物の素材を使ってて普通の傘より遮断率が高いらしいわ」


 リズが黒い傘を見てそう言っている。こう言った具合に様々な種族の雑貨が揃っている。

 バンパイアなんて珍しい種族がここに来るのだろうか、という疑問はあるが。


「あ、凄いこれー。ご主人これ欲しいー」

「ん? いいハサミでも見つけたか?」

「いやぁ、アイマスクだよぉ。マスクの裏面に火のスキルが宿ってていい具合に目の疲れを取ってくれるんだってぇ。よく寝れそう」

「お前は目的が変わっとるぞ」


 まぁノンの気持ちもわかる。ここは人間の俺が見てても面白いものが多い。

 ふとある棚が気になった。そこにはサングラスが置いてある。しかしただのサングラスではなさそうだ。普通のより大きく、境目がない。『単眼種専用』と書かれていた。


「おい、サシャ。これかけてみなよ」

「え、え? 何ですかこれ。わっ、サングラス……じゃあかけてみます。ど、どうですか?」


 黒いサングラスのせいか、サシャが暗殺者のように見える。


「う、うーん。あんまり印象良くないかもな。やめとこう」

「そ、そうですか……」


 サシャがしょんぼりとしている。すまんかった。

 そんな風に遊びつつ、ノンが目的の魔人用手入れハサミを見つけたのでそれを購入した。

 そのあと、リズの指示のもと食料を買いに市場へと向かって色々と買ったのだった。

 というわけで俺たちの買い物は終わり、家へと帰った。


「じゃあご主人、早速お願いねぇ」


 家へ帰ると、ノンがハサミを俺に渡してきてそう言った。


「え、俺が毛刈るの?」

「だってノンは自分じゃ上手く刈れないもん」

「そ、そうか……わかった」

「みんなに見られるの恥ずかしいからご主人の部屋でやろぉ」


 恥ずかしいものなのか。まぁ人に毛剃られてるところなんて確かに見られたくないけど。

 俺は部屋の床に布を敷き、そこに寝てもらうことにした。

 ノンが服を脱ぎ始める。そして下着へと手をかけた。


「お、おい! 下着を脱ぐ必要あるのか?」

「えー? だって胸の下とかも毛があるしさぁ。邪魔だよぅ」

「そ、そういうものか」

「そうものだよ。じゃあお願いねぇご主人」


 結局ノンが全裸になった。まぁノンの場合毛のおかげで肌の面積がそこまでないから、いうほど全裸感はないけど。

 俺は買ってきたハサミを手に持つ。


「毛は整える感じでいいのか?」

「うん」


 なんか凄い緊張するな。

 そんなことを思いつつ、俺は一番毛が生えているスネのあたりから刈ることにした。

 全体的に同じ長さになるように切っていく。


「こんな感じでいいのか?」

「うん。気持ちいー」


 毛切られると気持ちいいのか。変な特性だな。

 そのまま切り続けて、ひざ下と肘下はなんとか整えることができた。ここまではいい感じだ。残るは……腰回りと胸の下からお腹の上にかけてのゾーンだ。


 ノン曰くここら辺はデリケートらしいので慎重にやっていかなきゃいけない。

 とりあえず胸の下の方からやることにした。ノンは胸が大きいので、少しそれを上にどかして切らなきゃいけない。なので俺は恐る恐るノンの胸を持ち上げた。


「あっ」


 その瞬間、ノンが頬を赤らめて艶かしい声を出す。

 変な声を出すな。

 だらだらと汗を流して俺はここ最近で一番緊張していたのだった。

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最強な主人公が無自覚のまま冒険するお話です
おつかい頼まれたので冒険してたら、いつのまにか無双ハーレムしてました〜最強民族の【はじめてのおつかい】〜 >
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