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プロローグ

「はーい、みなさーん。注目してくださーい。」



心地よい声に導かれるように意識を取り戻すと、そこは教室のような空間だった。

半分くらい空席になっているが、高校生くらいの男女から80歳は超えているであろうおじいちゃんまで、共通点の見えないメンバーがそこかしこに座っている。皆、どこかぼうっとした表情で辺りを見渡しているところを見ると、どうやら状況を把握できていないのは自分だけではないらしい。




前方に目をやると、教壇にもんのすごい美人が立っていた。

美人過ぎてなんかもう全体的に光ってる。

すごい。知らなかった。

美人もここまでになると実際に光るんだな。




「はい、そこの君。先生が光っているのは美人すぎるからじゃありませんよ。

先生が女神だからです。先生には皆さんの考えていること分かっちゃいますから、ヘンなこと考えちゃダメですよー。」




光る美人はオレの方を見てそう言った。

ヤバイ。

見つめられると神々し過ぎて、思わず「へへっー!」とかいってひれ伏したくなる。

考えてたことも思いっきり読まれてるし、何よりこの神々しさは尋常じゃない。

信じがたいけれど、どうやら女神というのは本当のことのようだ。




「はーい、それじゃあホームルームを始めまーす。

まず最初に先生の自己紹介をしますね。先生の名前は、   といいます。

といっても本名は人間には認識も発音もできないので、こっちの言葉で呼ぶならそうですねー。

先生のことはアリーちゃんとでも呼んでください。」




話を進めるアリーちゃんに対して、どうやら生徒役らしいオレたちは誰も状況についていけていなかった。

どうしたもんかな、と思っていると、隣に座っている40歳過ぎのコワモテのおっさんが我慢しきれなくなったのだろう。バッと立ち上がり声をあげた。




「おい!てめ…」

「はいはい、わかってますよー。状況の説明をしてほしいんですよね。

今から説明しますから、慌てないで聞いてください。ただ…」




場の空気が一変する。




「先生に対してそんな敵意を向けちゃダメですよ。

初めてなので警告で済ましますけど、次にやったら……」




アリーちゃんから発せられる何かが教室全体を覆っていく。

何も見えないけれど、確実に何かいる。

人の手には負えないほどに危険な、何かが。

コワモテのおっさんもそれを感じたのだろう。

ぶるぶると震えながら黙って椅子に座った。




「はい、みんなわかってくれたみたいですね。

先生、なんだかんだいっても神様なんですからね!

ちゃんと敬意をもって接してくださいねー。

じゃあ、説明を始めます。……」




それから1時間後。




アリーちゃんの説明を要約すると、つまりはこういうことらしい。



・アリーちゃんは別の世界の神様である


・最近、神様の間で異世界召喚とか異世界転移が流行っている


・流行りにのってアリーちゃんも何人か召喚したけれど、みんな特にスキルをもっていなくてアリーちゃんの世界になにも変化が起こらなかった


・せっかく召喚したのに、とてもつまらない


・変化を起こせるようなスキルを持った人を召喚させてほしい、とこっちの世界の神様に頼んだけれど、そんな人は手放したくないと断られた


・普通の人を召喚してもまた同じことになってしまうので、異世界でチートするために現代社会のスキルを1年かけて身につけてもらうことにした


・ここに集まっているメンバーは1年後の今日、死ぬ予定の人たち


・成績優秀な人だけ転移してもらい、それ以外の人にはそのまま死んでもらいます




なんてこったい!!


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