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第一話 中編 誰のためのカジノ?
「今の時代、小学生でもメダルゲームでギャンブルモドキをやるからなあ。実際。やっぱり日本全国から大金持ちが群雄割拠して大金を賭けに来んのかねえ」
「ほえ~」
「いや、むしろ逆やないかなあ。」
「わ、私もそう思うっすね。金持ち喧嘩せずと言いますし、わざわざ立派な人たちが神経を使ってギャンブルをしに来ないっす」
「いや、ちゃうって」
「?」
「まあ恐らく、日本人は出禁のカジノだろうな、あはは」
「えー?」
単に、誰でも入れるようなカジノを作るのは法治国家である日本では問題が多すぎるのだ。
安全なギャンブルなどない。
客を一人一人身体検査をして年齢確認をしてカジノに入店させる?
否。そんなカジノでは誰も寄り付かない。
賭け事に走る人間は大抵の場合はうまく行っていない人間なのだから。
つまるところ
「心中覚悟で、とんでもない借金して、一発勝負に来られても困るっちゅうことやないかな」
「だから狙いは金持ちの外国人の旅行者や大富豪たち?」
「だはは・・・そうだと思うよ。恐らくね。」
わざわざパスポートを偽造してまで極東の島国のカジノ施設に来ようと思わない限り。