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レゾリューション 2版  作者: 颶風 爽籟
喜べ、出逢いに出逢いだ
1/4

1話

なんも書く事ねぇ

1人だった。


別に目を張る不幸があったとかそんな大層な理由じゃない。


ただ、私がコミュ障でヲタクだからだ。

マトモな会話を続けるとボロが出る。


なので、1人だった。

同じような人を見つければ孤独にはならないが自分より変な人と喋るのはそれはそれで……という感じで救いようがない。


ゲーセンで金をとかし、砂糖を大量に入れた水を飲んで寝る。


時々、家に帰るのもしんどいので外でずっとフラフラ。


そんなような事を毎日していた。


特に誰かに多大なる迷惑をかけた覚えは無い。

いや、空気を凍らせたり仕事中に足引っ張ったりとか積み重なる悪行はやっていたが地獄に落ちるほどじゃない。


ましてや《異世界》なんて縁もゆかりも無い。


だったはずだが何故私はこんな事に巻き込まれているのだろう。

柄にもなく過去を振り返り始まりの場所の光景を思い出した。








目を覚ましたら見知らぬ部屋にいた。

凄まじい鳥肌がたつのを感じながらもゆっくりと起き上がり、辺りを見渡すがやはり知らない部屋だ。部屋の間取り図を見るにマンションの一室なのは分かるが、それに関係する知り合いは記憶にない。


え、待って。

とうとう朝チュン?

私にも大人の春が来たということ???

アッ、想像したら吐き気が。


首元を押さえながら、もう一度部屋を見渡す。


無機質な部屋だ。

生活に必要なものはある程度揃っているがそれ以外は何もない。

ここの住民が男か女かも分からない。

てか、家主何処に行ったんだ。

助けてくれ。事情を説明してくれ。


とりあえず待つ、か。

いや、逃げた方がいいのか。

もう何も分からない……。とりあえず陽の光を浴びて落ち着こう。

脳が瞬く間に活性化されるはずだ。

太陽は偉大だから。


紺色のカーテンを雑に開くと陽の光が直撃して一瞬目が眩む。

左手で顔を多いながらもう一度目を開くと信じられない光景が広がる。


え、何これ…………。


思わず言葉を失い目眩がする。

何処からツッコミを入れるべきだ。

まず街並みが違う。

建物を見るに住宅街のようだが、イギリス風の建造物しか見られない。

少し遠くを見ると石垣が積み上げられた建造物に囲まれた城のようなものまで見える。


目を何度も擦りながら歩道に視線を動かすと、外国人までは良かったがドワーフ、エルフ、小人だけでは飽き足らず宇宙人のようなものまで見える。

顔が犬のような奴やエイリアンのような見た目の奴まで多種多様だ。

頭を鈍器で殴られたような鈍い痛みが頭から体全身に響く。

諦めきれずカーテンを閉めたあともう一度開く。を、何度も繰り返すが何も変わらない。


《《まさかのジャンルは時代ごっちゃ混ぜの異世界物》》


白目を剥きながら唇を噛んで気絶を耐える。

言葉にすると余計に事の重大さが増した気がするので冷や汗が止まらない。


なんだココ。コスプレ大会???

海外ですらないじゃん。

え、トリップ?トリップしたのか???

全オタクの夢のトリップ?


ふっざけんな。

せめてコナンの世界にしてくれよ。

シャーロック・ホームズでもいい。

密室殺人に巻き込まれたかった。


心底悔やみながら、頭を窓に打ち付ける。

しかし、痛みだけ広がって何も状況は変わらないので諦めと共にため息をついて蹲る。



少し休むと、前向きな気持ちが生まれ余裕も出てきた。

トリップした、と仮定すると全ての意味が変わる。

ここは、私の家と見ていいんじゃないだろうか。


そう思い、家中の棚やら引き出しを全てひっくり返す。


あった。

これだ、この書類。大量に出てきたぞ。

賃貸の契約から身分証まで生きるために必要な書類が揃っている。……これ全部読み込むのに何時間かかるんだ。いや、読まないと話にならん。


【浅井 時澄】


【ブレイラスリート王国 南部区 113-70 在住】


【南部区支部所 国民情報管理公務員務め】




書類を全て読み終え、放り投げて床に寝そべる。

すると倦怠感が一気に広がり思わず目をつぶった。

疲れた。

とりあえず今の状況は飲み込めたが納得は出来てない。

何故突然転移なんかした。

トラックに轢かれた記憶なんかないぞ。

……考えたって仕方がないか。大体場所が変わったところで私のやる事は変わらない。

適当に生きて死にたい時に死ぬ。

それでいいだろう。



片目だけ開けて机の上に広がった書類を眺める。文字が全部日本語で助かった。

何故ファンタジー世界で日本語使われてんのか意味分からんけど。

いや、日本語って地球の中で1番難しくて賢い言語だしな。選ばれたと思おう。



横に寝転ぶと夕焼けの光が真っ直ぐ私の視界を照らした。

暫くそれを眺めていると腹の音が鳴る。


さて……食材を買いに行くべきだろうが果たして食えるものはあるのだろうか。

まぁ、なくても甘そうな粉があれば何とかなるのだが。


楽観的に考えながら私は当たり前のように、用意されている新品の服に着替え外へ出た。







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