Bクラス
白桜院高校に入学し一週間が経った。ここ一週間は、僕から見たクラスの人の評価と白桜院高校の生徒の成績や周りの人から見た評価などが見れるアプリ通常HOAの全生徒分記憶した。これで顔を見るだけで名前クラス何が得意で何が苦手などが大体わかるようになった。
「さて次は他クラスか」思わず口に出したその言葉にゆなさんが反応した。
「他クラスの人と遊ぶの?」授業中に急に呟いたから気になったのだろうか、少し謝罪をし訂正した。「いや、他クラスのリーダーに接触しようと思っただけだ」別に隠すような事でもないので偽りなく伝えた。
「じゃあ私も行きたい!一応Aクラスのリーダーは、私だからねっ!」自信満々に言っているが、これは先日の出来事の影響だ。先日学級委員を決める機会があったのだが、クラスで唯一立候補したのが、ゆなさん。僕は、ゆなさんの人格的にはリーダー向いていると思う。しかし能力面でいうと少し足りない。学力ではトップクラスだが更に観察してわかった事だが、ゆなさんは僕と違い感情が表に出やすい。つまり焦ったりすると一瞬でわかる。他にも起点思考力が低くアドリブが失敗に終わることも多々。能力面でリーダーに向いていないと僕が判断し僕は副委員に立候補した。これから一年間僕は実力を隠しゆなさんの成長の為を促す。これは愛の鞭ってやつだ。多分。
状況がどうなるかは、わからないが3年生の1学期から本気で他クラスを潰しに行く。
放課後他クラスのリーダーに接触する為ゆなさんと共に学校の敷地内にあるショッピングモールにきていた。すると早速1年Bクラスのリーダーを見つけた。こんなにすぐ見つかると思っていなかった。
「じゃっ!話しかけに行こ〜!」ゆなさんが話しかけに行こうとしていたので止めた。
「どうしたの?接触が目的じゃ?」僕は一旦少し距離を取り尾行しながら説明することにした。
「相手の能力を知るには尾行が一番と今この場で判断した」説明にしては、あまりにも大雑把だがとりあえずはいい。
5分程尾行すると、Bクラスのリーダーは人気のない場所に来た。
「思ったより早かったな」僕は小さく呟きBクラスのリーダー...崇光正臣の前に姿を現した。
「こんにちは崇光君」僕は、いつもと変わらぬ無表情で話しかけた。
「こんにちは周防君」側から見ればただの挨拶だがこの二人はそうは、思っていない。崇光は、じっくりと僕を観察しているようだ。この緊張感のある空気に終止符を打ったのがゆなさんだ。
「君が崇光君?初めまして!私は片寄ゆな。よろしねっ!」崇光はわかりやすく動揺した。それもそうだ。ずっと黙ってた人が急にフレンドリに話しかけてきたんだ。動揺くらいする。今回の目的は果たした。今回の目的は、相手に僕達の存在を認識してもらうことだ。その為わざとバレるような尾行をし人気のないとこに行くように仕向けた。
崇光は深呼吸を僕達に質問してきた。
「僕に何の用だい?」あくまで自分冷静ですよ感を出しながら。
「一度会ってみたいと思ったからな」あくまで適当に言葉を返す。崇光もここで本音が出るとは思っていなかったのだろう。少し笑いながら
「君達がどういう理由で接触してこようとこの場で本音は、聞けそうにないね」崇光は、少し間を置き言葉を発した。
「僕達Bクラスの最初のターゲットは、君達Aクラスだ。今はランキング一位で調子乗ってるかもしれないが...首洗って待っておいてくれ」これは、誰にでもわかる明らかな挑発だ。
「そうか楽しみにしている」僕の言葉を聞き届けると笑みを漏らしながら、去っていった。
次にポイントが手に入るイベント。最初はゆなさん一人に作戦など考えてもらう。これは、成長とは関係ない。ただ僕の好奇心だ。そしてある程度ピンチなることがきたら少し助け舟をだす。成長の為には、負けも必要だ。この1年間で一度Bクラスに下がるのが理想的だ。