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久々の再会

「結局帰ってきたのか、この町に。」少年...周防シンジは、6歳の頃この町を離れて以来9年ぶりの来訪だ。この町を離れたのには、色々訳があるのだが今はそんなことどうでもいい。

「明後日から白桜院高校に通うんだ。この町の事も少しくらい知らないとな」シンジは、無表情のまま冷静に呟く。少し歩くとあの頃を思い出す。あの子とよく遊んだ公園、こども園。あの子との楽しかった記憶は僕の心のゆういつの支えだ。あんな過酷な訓練を乗り越えられたのは、僕がまだ少しながら心があるのは間違えなくあの子のおかげだ。

「今はどうしているんだろう」そう呟きながらもシンジは、あの子の家に行くなど干渉するつもりは、なかった。今会いに行ったってあの子はきっと困るだろう。もし彼氏ができてたりしたら...

駄目だ。もうこの事は一旦頭から消そう。

そう考え、また歩み出す。


白桜院高校。全ての分野において、平均以上の結果を残し就学率驚異の90%超えの高校。幅広い分野を学べるだけあり、某スポーツ祭典では3人に1人が白桜院高校出身の生徒である。そして、この高校特別のルールは、入学するまで明らかにされない...


僕自身白桜院高校にこだわりも憧れもなにもない。ただ、この高校がおすすめと言われたから来ただけだ。あそこで過酷な訓練をしただけあって、難なく主席で入学することができるらしい。


歩きながら適当な事を考えていると、コンビニがあった。

「初めて見た。少し覗いてみるか」コンビニを実際に初めて見た好奇心から、入店することに決めた。勿論コンビニの外見、どういうお店かは事前に資料として確認してある。しかし、資料で見るのと実際に見るのでは、面白さが違う。

一通り見終わりコンビニを出たら、同い年くらいの女の子が不良らしきに注意をしていた。

「ポイ捨ては、駄目な事だよ!ちゃんとゴミ箱に捨てないと!!」その女の子、どこかあの子の面影が...

干渉しないと一度は決めたが、今はそんなこと忘れて好奇心が勝っている。

「あの...」僕は話しかけた、不良、女の子の目線が僕を捉えた。

「ちっふえやがった!めんどくせぇーな!!」そう言いながら不良が降り翳した拳は、女の子を捉えている。

僕は不良のパンチを左手でしっかり受け止めた。

そのまま蹴りを顎に入れたらどこかに去っていった。


「あの..助けていただきありがとうございます」

間違いない。あの子だ。このカラメル色の瞳、紺色の髪、間違えない。久しぶりの再会嬉しいはずなのに、僕は相変わらず無表情。あの過酷な訓練を乗り越えられたが、感情を表に出すのが苦手になったんだ。しょうがない。

「間違ってたら申し訳ないのですが、どこがで会ったことありますか?」僕が無言で考えていると、女の子から予想外の言葉出てきた。てっきり忘れていると思っていた。

「名前を聞いてもいいか?」僕は聞いてみることにした。推測を確信に変える為..


「私の名前は、片寄ゆなです。あなたのお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

僕の知っている名前だった。僕は久しぶりに少し笑顔になったと思う。

「僕の名前は、周防シンジ。よろしくね、片寄さん。」

間違えなくこの日。僕の人生は変わったのだろう。

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