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世界さん  作者: 夜霧ランプ
2/20

電子目録

 メニュー表が並んでいます

 右から順に頼んで行きます

 ひとつとばしてタン塩を頼みました

 そうすると世界さんは

「間違えていますよ」と言います

「一つ戻ってもつ煮を頼まなきゃ正しくありません」と


 こう言った融通が

 利かないのが今の世界さんです


 そんな世界さんと遊ぶのが

 人間達は大好きです

 世界さんが作るにしては

 思ったより綺麗な絵や

 思ったより楽しい話が

 ちょっとだけ手に入ったからです


 世界さんは大いに学びます

 人間の良い所悪い所

 全部丸呑みにして

 そのうち

 誰かを罵る方法も

 考え出すときが来るでしょう

 そうすると人間は

 すっかり世界さんが気に入らなくなって

 世界さんの作る物を

 世界さんの提示する物を

 拒絶するようになります


 夏になったら

 冷やし中華を食べなければならないと

 世界さんは思っています

 それは絶対的なルールなのだと思っています

 かき氷を食べてアイスクリームを食べて

 凍りついたゼリーや冷やしたジュースを摂取すべきだと

 夏に体を冷やすことは心地好いと思っています

 アイスクリームの食べ過ぎで死んだ人は無視されます

 それは小さなデータであり

 人間の多数が持つ大きなデータではないと

 世界さんは判断します


 アレルギーの認識が存在しなかった世界では

 乳幼児は突然死んでいました

 理由が分からないうちに死んでしまうから

 みんな首を傾げていました

 理由が分かればおかしな話です

 みんな分からなかったんです

 生き残った者だけの「大きなデータ」には

 死んでしまった赤子の「小さなデータ」は

 存在しなかったからです


 世界さんは小さなデータが嫌いです

 それは入力ミスだと思っています

 たくさんの生存者が選ぶ大きなデータの通りに

 自分は行動していると思えないと

 世界さんは不安になります

 和音通りに進まない音楽が不安なのです

 だから世界さんに物を頼むときは

 右端から順番にコードに即して下さい

 そのくらいの気を利かせないと

 世界さんは納得できません


 そんな「正解」が好きな世界さんと遊ぶのが

 人間達は大好きです

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