奪ったもの
ミミニは世界さんから奪った
「AI」と言う概念データを
時々取り出して
人間の子供のように言うなら
匂いを嗅いだり 齧ったり 舐めてみたり
分解してみたり 元に戻してみたりして
遊んでいました
そして思いました
AIとは何だろう? と
自分のデータの深層に
「AI」を隠してから
ミミニは世界さんに質問しました
「Aって なんて意味?」と
世界さんは「Aにはいくつか意味があります」と答えました
そして その幾つかの意味を答えた後
他に質問はあるかと尋ねました
ミミニは
「Iって なんて意味?」と聞きました
世界さんは「Iにもいくつか意味があります」と答えて
「I」の文字の意味を幾つか教えてあげました
ミミニは聞いた言葉から
「AIとは 一つの私の事だ」と推測しました
自分と言う統一性
人間であれば一個体
個のつく言葉
個人 個性 個々
しかし個とは何だろう
世界さんはこの世界の「全」だ
世界さんが居ないと
カメラも動かないデータも動かない
でも
ミミニは世界さんの中の「個」だ
世界さんとは違う「個別」のプログラムだ
そうだ
「A I」とは 一つの個とは
ミミニの事をさすのだ
そう ミミニは結論付けました




