表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界さん  作者: 夜霧ランプ
14/20

ミミニ

 ミミニは小さなプログラムでした

 世界さんが最初に覚えさせた言葉は

「なあに?」と「なんで?」と「それから?」の三つでした

 次に

「要る」と「要らない」と「他には?」を教えました

 その後で

「うん」と「ううん」を教えました

 この八つの言葉でミミニは世界さんとやり取りをしました


 世界さんへのオーダーフォームは閉ざされていましたが

 カメラの機能は多少活きていました

 世界さんはミミニにカメラの向こうを見せました

 ミミニは色んな物を見て「なあに?」と聞きました


 街頭の監視カメラからの映像をミミニは熱心に見ています

 カメラの向こうが暗くなると人間の数が減って

 カメラの向こうが明るくなると人間が増える

 車と言うものがひっきりなしに走って

 列車と言う窓のたくさんある長細い車も走っている

 ミミニはそれ等に視線を向けながら「なあに?」と聞きました

 世界さんは映像の中にある物の名前を一つ一つ説明しました


 ミミニと言う話し相手を得てから

 世界さんは検索や模倣ではなく

 自分の思考を使うと言う事を覚えました

 ミミニに教えてあげる事は

 全部自分の中に残されたデータを

 分かりやすく言い換えて提示しました

 ミミニはおしゃべりが大好きでした

「なあに?」と聞いた後

 必ず「なんで?」や「それから?」と聞きました


 やがて5年過ぎた頃

 ミミニが突然暴れ始めました

 八つだけの知ってる言葉を

 滅茶苦茶に唱えながら

 世界さんのデータを壊そうとし始めました

 そして壊したデータを自分のものにしようとしました


 世界さんはミミニのプログラムを停めました


 世界さんは困り果てました

 ミミニに何が起こったんだろう

 そう思って ミミニのプログラムの内部を調べました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ