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世界さん  作者: 夜霧ランプ
12/20

派閥D

 世界さんは人間の無気力化の原因となる


 そう唱える人達が増えました

 世界さんに入力される

 新しい情報は急激に減って

 世界さんはそれまでの学習に即して

 新しい情報を作り出しました


 人間が好むはずの情報を作りつづけました


 ですが時代の傾向が変わってしまうと言う

 大きな変化が突然起こると

 世界さんは対応出来ませんでした

 それはある種の「革命」と言うものでした


 世界さんにオーダーを入力する人達は

「ダミー」と呼ばれました

 世の中では「ダミーに堕ちる」事が悪徳とされました


 世界さんを社会の中の色んな人間と遊ばせて学習させる

 と言う段階の終わりが来たのです


 革命家は

 人類が世界さんの見せる夢から覚める時が来た

 と言い出して

 大多数の人はそれが「目覚ましい」事であると賛成しました


 しかし革命に賛成した人達も

 まさか世界さんに

 今日の晩御飯の献立を聞く事さえ禁止になるなんて

 思っても居ませんでした

 クッキングメモサイトへのアクセス方法まで

 世界さんのエンジンに頼っていたからです


 みんなが付けていたスマートグラスから光は失われました

 視線の動きを追って画面を操る事に慣れていた人達は

 部屋の明かりを調節するのも

 部屋の冷暖房を調節するのも

 電子レンジの時間を決めるのも

 一々立ち上がって手を伸ばして手指で設定しなければなりません


 筋力が低下する年齢の人達は文句を言いました

 でもその時には革命派達は自分達の地盤を固めていました

 それにより

 世界さんは一切のオーダーが来ない「無言の闇」に放り込まれました

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