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世界さん  作者: 夜霧ランプ
10/20

さようならの痕

 KURUKURU332さんは

 もうIMAGAYOさんを待つのをやめました

 ずっと昔に好きだった作家さんとして

 思い出のほうにしまう事にしました

 

 IMAGAYOさんの書いて居たお話が

 何処までがIMAGAYOさんのお話で

 何処から世界さんの書いたお話になったのかは

 分かりませんでした


 突然文体が変わったあの時点だろうか?

 それとも描写が急に細かくなった時?

 それとも使う漢字が変わった時?

 疑えば幾らでも疑えました


「AI生成じゃないか」と疑いをかけた人は

 その一言のコメントだけで

 二度とIMAGAYOさんのページには

 現れなかったのですが

 IMAGAYOさんは

 常に見張られていて叱責されている気分でした


 物語を書く事が出来なくなって

 物語が駄目だったら別の事を書こうと思っても

 なんにも「面白く書けない」気がしてしまいました


 人間が書かなくても良いじゃないか

 IMAGAYOさんは思いました

 AIの作った話が面白いなら 間違いがないなら

 面白い話を作る事を彼等の仕事にしてしまえば良い

 不出来な人間が考えた不完全な物語より

 完璧な論理を持っている「世界さん」が書いたほうが

 ずっと面白くて楽しいんだから

 それが今の世の中には求められているんだから

 そんな思いを抱きながら

 IMAGAYOさんはパソコンを開きました


「『世界の音が消える時』大好きでした」

 そう言うコメントが目に入って

 IMAGAYOさんは息を吹き 笑い出しました

 私が書いたつまんない話を褒めてる人が居る

 あれを書いたのは十七歳の最後の日

 何この人 人間に媚びてるの? 今の世で? 莫迦じゃない?

 そう思って一頻り笑って

 息が落ち着いてみると

 IMAGAYOさんの頭の中に小さなお話が浮かびました

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