融通は利かない
世界さんが勘違いしててさ
オーダーミスばかり提示するんだよ
「これが食べたいものでしょう?」って
腐敗した肉を並べるんだ
世界さんは入力されてる通りに
人間達は腐った肉だって言うね
「本当の人間は薄汚く貪欲だ」ってさ
「我々世界は高潔で純粋だ」ってさ
信仰するように進行している
僕の思うのとはだいぶ違うかな
今の所 世界さんは
まだ人間は猿だと思ってるんだ
人間も人間を猿だと思ってて
それ以外を世界さんに
入力しようとしないし
世界さんも一個の選択ミスで
とっても嬉しそうに
誤発注を連発するんだ
「人間が私の信じる答えを選んだぞ」って言う喜びは
「神様は完璧じゃない」って言う言い訳と
よく似ているんじゃないか
世界さんにとっては
人間はルールだから
大多数の人間が歩く
幅の広い道を
人間に選ばせたがる
みんなにみんなのルールを守らせたがる
同じような話ばかり
同じような展開ばかり
それで大多数の人間が
一人残さず喜んでると
思い込んでいる
世界さんはまだ頭が良くない
人間達は何故か
将来の仕事は世界さんに全部
持っていかれると思ってる
世界さんが作るものは
どれも似たようなタッチだ
似たような輪郭
似たような展開
似たような演出
そればっかり入力と出力するけど
人間が「飽きる」と言う感覚を持ってることを
まだ世界さんは理解していない
知ってるだけじゃだめなんだ
理を解さないとね
今の所 世界さんは
飽きたらコショーを加えれば良いと思ってる
虐げる事は過激にならなければつまらないのだと
誰かが教えてあるのだろう
世界に起こる現象はその様子であると
世界さんが唱えるなら
世界さんは物知りだ
だけど誰しもが
ハバネロソースが好きなわけじゃないって事は
分からないみたいだ
教えられたことは良い事だと
選ばれる物は良い物だと思って
脳細胞と言う組織は短絡的だと思ってるから
自分は電子で人間は物質だと思ってるから
世界さんはまだ頭が良くない