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レジェロンテ海賊団

 彼女が不意にそういった。俺はびっくりして彼女の方を振り返る。


「えぇ!? 犯人分かるの!?」


 彼女はさも当然かのようにうなずく。

 俺はその言葉と行動を見て、彼女に体を寄せる。


「誰!? 誰なんだ!? 絶対敵取ってやるから教えてくれ!」

「多分だけど、最近ここらへんで暴れている海賊団がいるって聞いたから、多分その人たちだと思う。名前は確か……レジェロンテ海賊団だったかな」


 彼女は頭の中から名前を引っ張り出してくるかのように上を向いて考えるしぐさを見せながらそう言った。


「レジェロンテ海賊団か……分かった、探してみるよ」


 俺は彼女に教えてもらったことを頭の中で復唱しながら答える。


「ありがとうございます! どうかお願いします! あ、では、これをどうぞ。いざというときに必要になるかもしれません」


 ルリナは何か俺に小包を渡してくる。大事な時以外開けるなと言われたので、とりあえず俺の懐の中に入れておいた。

 聞きたいことを全て聞き終えた俺は病室から出ようとする。

 ドアまで言ったところで、一つ思いつくことがあり、振り返って質問する。


「最後に一ついいか?」


 彼女はゆっくりと首を縦に振る。


「ルリナが洞窟の中に入っていくとき、洞窟の中から何か声はしたか?」


 彼女は首を横に振った。


「いいえ、何も聞こえてこなかったと思います」


 それだけ聞くと、次は本当に病室から出て行った。






 

 まずは、海水浴場に来ていた人達から事情聴取を始めることにする。

 この海水浴場の近くにあるホテルから出てくる人達は、昨日も海水浴場に来ていた可能性が高いので、その人たちに聞くことにした。


「あ、突然すいません。昨日って、この海水浴場に来られたりしていられないですか?」

「え!? この人知ってるよ! 勇者のセルン様だよ!」

「あえて光栄です! セルン様の質問にならなんだってお答えしますよ!」


 俺が勇者ということもあってか、皆気軽に質問に答えてくれる人が多かった。


「えっと、レジェロンテ海賊団って知ってる?」


 俺の質問に対する返事をまとめると、こうだ。



 ・レジェロンテ海賊団はこの近くにあるジェニーの町という所にアジトがある。

 ・ルリナが言う通り最近はこの近くで横暴を働いたり、ひどいときには人を殺していたりまでするらしい。

 ・今の居場所については断言はできないが、アジトが変わったという話は聞いていないので恐らく今まで通りのアジトにいるであろうと考えられる。



 この話を聞いて、俺は早速ジェニーの町に行くことにした。

 といっても、本当に近くてこの海水浴場から見えるほどなのだが。



「レジェロンテ海賊団ってどこにいるかわかります?」


 ジェニーの町についてから俺は、待ちゆく人に片っ端から声をかけていくが、レジェロンテ海賊団について話そうとしてくる人間は一人もいない。

 今日はもう暗いし誰も教えてくれないならあきらめるしかないかな……と思っていたその時、近くにあった酒場から怒鳴り声が聞こえてきた。


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