大神織姫はモテるのか
「なんで俺らがやらなきゃいけないんだよ」
「あなたが自分で決めたことよ、会議は定例が月一、その他学年の雑用という名の教師の雑用よ、外部に漏れたくない情報もあるから上位が適任なんじゃないの」
「お前知ってたのかよ」
「まあね」
「あーそうか大神には姉がいたよな」
「その話はしないで、というか、呼びつけとは失礼ね佐野」
「あんたはそれ以上の失礼を俺にしているが?」
「はあ?あなた、この私と会話ができるだけ感謝するべきね」
いちいち一言多い奴だ。
とはいえ、容姿端麗のこいつはもう学年の中では有名人だ。
前代未聞の学年代表1位を差し置いて演説する彼女は俺よりも信頼を得ていた。
俺はというと手のひらで転がされている天才というのが定着しつつある。
まあ、大神の性格が浸透してきているという事もあるのだろう、彼女は男子に告白はされても受けることはない。
振られた男子たちは玉砕するのかと思ったが、そうではなくより一層彼女を好きになるらしい、なぜだ、美人だとは思うが好きになる要素が外見しか見当たらない。
「なによ、じろじろ見ないでよ気持ち悪い」
「きも・・・勘違いは嫌われるぞ」
「じゃあ勘違いされる行動取らないでよね」
やはり、この性格で好きになるのかは俺には理解できない。
「お前、なんでモテるの?顔?」
「はあ?あなた私に聞いてどうするのよ聞く相手間違えてるわよ」
確かに、こいつに聞いてもこいつの何がいいのかはわからない、こいつの事を好きになったやつが知ってるものだ。
「あなた、今日部活に行ったら小風さんに謝りなさいよ」
「小風?誰?」
「はあ?名前も知らないのにあんなこと言ったの?あなたが失礼なことを言った子よ」
「ああ、あの子・・・あーそうだな、今日来るかな・・・」
「入部しなかったらあなたのせいよ、彼女のご両親は多額の寄付金を納入している資産家よ、庶民のあなたのせいで不登校にでもなったら退学になるかもね」
「まじかよ・・・土下座だな」
「そうね、頭がつぶれるくらい地べたに這いつくばることね」
「お前は悪魔か」
「どうとでも呼びなさい庶民」
「お前、モテないだろ」
「あなたほどではないわ」