うん、その気持ち、よくわかる。
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
っていうか、さっきもう一回閃光石を破裂させてみたんだけど、電気を加えるのをやめてから2、3秒ぐらいは帯電していた。
つまり、電気を加え始めてから破裂するまでの時間を測れば、投げるタイミングが分かるってことか。少なくとも、この大きさの閃光石なら20秒ぐらいで破裂したから、17秒数えたところで投げればいいのか。
頭の中でセクの悲鳴が聞こえる気がするが、まあスルーしておいて、閃光石を10個ほどポケットに入れる。あとでポシェットに入れるためだ。
サングラスは......一旦ポケットに入れておくか。というかねぇ......空間魔法の使える回数に制限がなければ、異世界あるあるのアイテムボックスみたいなのを作れるんだけどな。
いやでも、緊急用に作っとくか?いや、なんならこの空間をそういう風に改造すればいいか。思ったものを取り出せるように出来たらいいんだけどなぁ......
というか、グローブの片方に登録しておけば、少なくとも一日に五回は使えるな。もしかしたら、片方片方で使用回数が独立してるのは、使い道が多すぎる故だったんじゃないか?まあ、俺の勝手な都合のいい解釈によるものだけど。
言うても、持ちきれない荷物とかを入れておくのにいいかもな。時間の経過を調整できるなら、冷蔵庫みたいな目的にも使えるな。外よりもここの時間の流れを遅くすれば、食べ物が腐ることがないかもしれないな。品質も保てるってことだから、本当にそれでいいかもしれん。
まあ、中に氷を大量に入れておいて、食品保存用の倉庫として使うのもありかもな。そうすれば、遠出することも可能になる。
行ける場所が明確にイメージできないと、ゲートも開けないし、長いこと遠出する必要がある場合もあるしな。
例えば、他の均衡守護者の場所に行くときとかね。宝器を付けた時のあの記憶の正体も気になるし、モルたちも、もしかしたら会いたいだろうしな。
会いに行こうと言われたときに、いつでも行けるように準備はしておく必要があるか。
その場合......やっぱこの空間とは別の空間を作って、登録しておくしかないか。色々と実験とか作りたいものとか、ここでするのが一番楽だし。まあその場合、実験場を作った意味がなくなっちゃうんだけど。
今度ディガに言って、工房にでも改造してもらえばいいか。多分、ディガも何か造りたいだろうしな。好きに使っていいよとでも言っとくか。
とはいえ、言うのは簡単だけど、やっぱ造る側からしたらめちゃくちゃ大変なんだろうな。たまに気づくことがあるんだけど、家のあちこちに気付かない程度の補強がされてるときがあるんだよな。
まあ、それが誰が原因で、誰がやってくれてるかは分かるんだけど。ほんと、ディガには感謝しないとな。
じゃあ、早めにアリサに言って、グローブに登録しておくか。早め早めに。後回しにしすぎてもよくないってことが分かったから、やっておくに越したことないな。
俺はここを出て、アリサの所に向かう。一瞬ディガが俺をチラッと見てきたが、すぐに手元に視線を戻したので、あとで伝えようと決めておいた。
アリサの部屋まで向かい、ノックして中に入る。
「入るぞ~。ちょっと用があるんだがいいか?」
返事があったので、中に入ったのだが、なぜかアリサは着替えている最中だった。
「あれ......ソータ?なんでここに......?」
少々目の焦点が合わず、顔も赤い。しかも、声も若干かすれている。ボーっとしていたのか、俺が入ってきたことにも疑問を抱いているようだ。
まさかとは思い、着替えている途中で悪いとは思ったが、アリサのおでこを触ってみた。すると、やはり熱く、誰がどう見ても風邪を引いていた。そこで気が付いたが、心なしか呼吸も荒かった。
疲れが溜まってたのだろうか。道理で今日は朝飯を食べた時以外に姿を見ていないわけだ。
とりあえず、着ようとしていた服をアリサに着せて、ベッドに寝かせる。
この感じはアリサなんだろうけど、サラはもしかしたら、モルみたいに寝てるのかもな。暴走してて体にも負担がかかってただろうし、なんとか止めようとサラが奔走してそうだったしな。
「風邪ひいたなら、ちゃんと寝とけ。暑いなら水とかタオルとか持ってきてやるから、色々言ってくれ。」
風邪ひいたときの飲み物の定番はスポーツドリンクとかだけど、こっちにはないしな......水分と、汗かくだろうから、塩分をしっかり取らせて、休ませれば治るかな。
アリサは、聞こえたのか聞こえていなかったのか、どっちかわからない表情だったが、とりあえず頷いてはいた。
一旦、水筒を作り、一応回復粉の素の鉱石でコーティングをしておく。それに水を入れる。ある程度冷やしてからアリサに持っていく。大体1リットルだ。
「アリサ、一旦これを飲んどいて。少し冷たいかもしれないけど、汗かくんだったら大目に飲んでおいて。あとでタオルと塩を持ってくるから、汗かいた後は塩を舐めといてね。」
アリサはかすれ声のまま小さく
「ありがと。」
と、短くお礼を言って、目を瞑った。
部屋から出て、桶とタオル、塩を子袋に少しだけ入れて一緒に持っていく。
まあ、風邪ひいたときの対応は弟で慣れてるし、看病に関しても、あいつらが風邪ひいたときにやってたしな。
あとで、おかゆでも作るか。その前に食欲あるかを訊くんだけど。
アリサの部屋のテーブルの上に、持ってきたものを置く。
おかゆをいるかどうかを訊こうとしたのだが、気持ちのよさそうな寝息をたてていたため、あとでもう一度夕方に訊こうと思う。
まあ一旦様子をちょくちょく様子見ながら、やろうと決めたことをやるか。
ええと、アリサにグローブをもらいに来ようとしてたんだったな。もちろん今は無理だから、また今度にしよう。
あれ?そういえば、アリサが元に戻った時に俺が回収してたな。今思い出したわ。
じゃあ、閃光石とサングラスをポシェットに入れてから、グローブに設定しておくか。
俺は自分の部屋にいき、ポシェットに閃光石とサングラスを入れてから、グローブを取り出す。
......片方しかねぇ。心当たりは、ない。いや、一か所だけあるわ。一昨日泊まった宿......まあ、クラムのいるところなんだけど。多分、今行ったら気まずいんだよなぁ。レサのことにしても結局整理することを一旦止めてるし。
う~ん。また今度泊まるときにでも訊くか。多分とは思うけど、部屋で落としてる気がするし。というか、戻ってきてから部屋以外で取り出してないし。ポシェットに入れてた気がしたけど、眠すぎて見落としてたのかもな。
だったら、多分取っといてくれてるだろうから、せめて一週間後くらいに取りに行くか。まぁ、今のところ腐りそうな食材とかはないし、よくよく考えたら、あとででも大丈夫そうだな。
今はのんびり過ごすかぁ。結局、レサとロサの正体を知った時から、何かしら考えたり、動いていたりと、休む暇なんてあまりなかったからなぁ。
『はぁ。ソータも風邪ひかないように気をつけておくんじゃぞ?』
なんでため息をついたのか気になるけど、まあ気をつけるよ。体調を絶対に崩さないっていう自信はないし。
『一応言っておくが、セクには言ったままのことをやったわけではないからな?妾の前で言ってはいけないことと、それによる妾の機嫌の変化をみっちり教えただけじゃ。のう、セク?』
『え...あ、えと、はい。そそそ、そうです......ね。』
今までに聞いたこともないくらいの涙声だった。よほどの恐怖を感じたのだろうか。モルの言っていることだけではセクに何をしたのかが分からない。というか、本当かどうかも怪しい。
『まあ、ちょっとだけ手が出てしまったが......そこまで問題じゃない程度じゃ。』
それならいいけど......あ、どうせ今はのんびり過ごしたいから、モルの部屋にあった本を読んでもいい?色々と種族について知りたくて。
『別に妾はよいが、それなら、セクの方が詳しいのを持っておるぞ?そっちの本を持ってきたらよいのではないか?』
じゃあ、セク、セクの所の本を取ってきてもいい?
『いいぞ......好きなのでもなんでも持っていってくれ......』
半ば投げやりな感じに言われたが、許可はもらえたので、ゲートを開いて、本を取りに行く。
本棚にたくさんの本がある中、どれがどういう本かが分からない。なぜなら、背表紙には何も書かれていないからだ。
つまり、一つ一つ探す必要があるわけで......ここの記憶を読み取って取ろうと思ったが、どんな本があるのか知りたいので、それはせずに一つ一つ調べてみよう。
まず、赤い表紙の本を取り出す。その表紙にはシンプルに『必見!!異性を振り向かせる方法』と書かれていた。
そっと戻した。今のところ興味がない本だな。題名でどんな内容かはなんとなく分かるけど、読まずに決めつけるのはよくないか。どの道、今はいいや。
次の本を取り出してみる。『薄い本、見つからないた......』よし、戻そう。俺は何も見ていない。うん。何も見えていない。あとでベッドの下とか見てみよ。
『ちょっ、ソータくん、それだけはやめてくれ!!本の入手経路が複雑すぎて、集めるのが大変だったんだぞ!!』
めちゃくちゃ慌てるじゃん。本気でする気はないから。さすがにしないよ。さすがにね。
『ものすごい不安なんだが。......って、モルさん、なんで肩に手を......』
『まぁ、なんというか、お主も思春期なんじゃな。確かにそういうのを持っていてもおかしくないの。大丈夫じゃよ。聞かなかったことにするからの。』
ものすごい優しい声音だ。何だろう、逆に不気味に思える。
『モルさん......そういう同情が一番心に来るからやめてくださぃ......』
セクは心折れたようだ。再び泣き出しそうな声をしていた。
まぁ、次の本見てみるか。『眠れない夜、寝るためには』暑い夜とか寝れんしな。こういう本は確かにありだね。
......ってか、さっきからネットの記事の見出しとか、検索したそのまま名前を付けたみたいな題名は何なんだ?これだったら、種族について書かれてる本は、『色々な種族とその特徴』みたいになるかもな。
他にも色々とセクの黒歴史になりそうな香ばしい本だったり、やっぱり隠しておきたい本だったり、思春期の頃を丸々抜き取ったかのような本しかなかったのはなぜなのだろうか。
まぁ、その度にセクは絶叫し、心からの叫びを切実に口にしていた。仕方ない。セクも俺の記憶で、黒歴史を探れるのだからお互い様だ。
その旨を伝えたところ、
『あとから言うのとリアルタイムで言ってくるのは違うだろぉ......』
とのこと。少し同情してしまった。俺も見つかった時はこんな反応だった気がするなぁ。そのあとこっそり隠したんだけど、結局そのまま忘れてたわ。そういう記憶は忘れておくのが一番だな。記憶に残してても精神的に来るものがあるだけだしな。
色々と探していくうちに、気になる本を見つけた。
その本は赤いカバーに、黒いインクを垂らしたような見た目をしていた。なんとなく、そう簡単に触れていいものではない気がした。
しかも、表紙に題名など書かれておらず、それが逆に物々しい雰囲気を増す要因になっていた。
思わずごくりと生唾を飲み込み、そっと開く。
本能的に鳥肌が立つ。その感覚はこんな感じなのだろう。モルに冷やされるよりも、骨の芯まで冷えた感覚に陥る。
そこには絵が描かれていた。真っ赤なインクで。中心にはドクロが大きく描かれ、その周りに小さいドクロが8個ほど、バツ印を付けられていた。
なぜ鳥肌がたったのか、理性的に考えたら分からない。しかし、やはりこの本はやめておいた方がいいと、直感的に感じるものである。
『思い出した。その本......俺にはおぞましすぎて読めなかった本だ。』
『確かにの。それにはただならぬ気配を感じるわ。「知識」の均衡守護者に訊けば何かしら分かるやもしれぬが......今はとにかく読み進めていくしかないの。』
じゃあ読むか。
次のページからは文章が続いていた。その文は達筆な文字で書かれていた。行書体だっけ?なぜか日本語で書かれていた。日本語化関係なく日本語で書かれていた。
“こ*はすべての種族****、終**、この世界の運命を表す。世界の**崩れれば、世界の**崩れ去る。生***み、**みだす。*00年後、再び同じことが繰り返されるだろう。天は嘲笑い、地は鳴き叫ぶ。悲**再*繰り返すとき、特***ければ***こと叶うこと**”
所々というか、相当古い本なのか、読めない部分が多くあった。シミで隠されていたり、インクの部分がにじんでいたりと、全然読むことができなかった。残りも辛うじて読めるという感じだ。
残りのページもやはりと言うべきか、読むことができなかった。どうやら、意味を考えることはかなり難しいようだ。
いかがでしたでしょうか?今回は、セクのちょっとした黒歴史と、謎の本が登場しましたね。あの本は一体何なのか、お楽しみに。そろそろ、過去に作中に蒔いた種を回収するときが近づいてきたのかなと思っております。
次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。
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それでは、また次回お会いしましょう。




