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よし、見つけた!!

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 左右の本棚の本の数を数えてみたが、どちらも同じだった。


 しかし、色々と調べているうちに、一冊だけ、異様に分厚い本を見つけた。


 それを取り出してみると、表紙に立方体型の何かをはめる穴が開いていた。


 そこで、部屋の中をもう一度探し、箱を見つけた。その箱を開けてみると、黄色に淡く光る、何かの欠片があった。


『確か、それを立方体に戻して本にはめればよかったはずだ。』


 なるほど、パズルね。こういうタイプのパズルならやったことあるわ。ありがとうセク。


『いや、俺が覚えてればよかった話なんだけどな。』


 確かに、それはあるかもな。


『......自分で言っといてなんだが、せめて擁護してくれると嬉しかったな。』


 いや、自分、会ってからの時間に応じてひいきするタイプなんで。


『つまり、セク、お前よりも妾の意見の方が優先されるということじゃ。』


 自慢げにモルが語るが、別にそういうつもりで言ったわけじゃない。


 俺はまず自分の考えを優先するから。


 おっと、二人とも黙ってしまった。いじわるのつもりで言ったつもりじゃないんだけどなあ......だとしたらかなり性格悪いことになると思うけどな。一応弁明しておくと、ふざけて言ったんだよな。面白くないふざけだったか。


 すまん、二人とも。結構性格悪いこと言ったわ。


『あ~いや、俺の方が悪かったのは事実だからな。謝らなくていい。』


『別に妾も気にしておらんぞ?』


 それならよかった。まあ俺は今後気をつけていかなきゃいけないんだけど。


 じゃあまあ、改めて、このパズルを解くことにするか。部屋の中を探索しているアリサに声をかけて、このパズルの解き方を説明する。


 すると、アリサの目が変わり、一つ一つのパーツを眺めた。


「ねえ、ソータ、私が解いてみてもいい?もう頭の中で完成してるんだけど。」


 え、ちょっと待って。速くない?もしかして、頭のいい人はこういう図形の問題も簡単みたいな感じなのかな?アリサの知能も俺より高かったし。ステータスに表示されてるのは、成長限界ってことだったから、成長途中なんだろうな。


「いいぞ。解いちゃえ。」


 俺の言葉を聞くや否や、一切手を止めずに立方体を完成させた。そして、本に立方体をはめた。


「できた。結構簡単だったね。」


 あのスピードで解いてその上で簡単って、俺には無理だ。俺には頭をフル回転させても30分以上はかかってたかもしれん。


 そんなことを考えていると、アリサが本を開いた。中を見てみると、テレビのリモコンのようになっていた。


『ああ、思い出した!それは確か、この部屋にある本の全ページ数を入力すれば、ドアが開くんだったな。』


 なるほどなるほど。うん。ふざけてん?何ページだったかなんて、覚えてないだろ。


『覚えてないな。この部屋のどこかに忘れないようにメモを置いてたんだが......どこにやったか。』


 オケ。モルに一つ頼みがある。


『セクを寒がらせればよいのだろう?』


『待ってモルさん。一度落ち着いて?』


 別にそれでもいいんだけど、俺の視界以外に見逃してるものがないかを確認してほしんだよ。俺がモルとバトンタッチしたときの視点なんだろ?


『そういうことか。それならお安い御用じゃ。』


『ちょっと待って!モルさん、首を掴むのをやめ......ひゃあ!?』


 ......なんか、情けない感じの声が聞こえたけど、何があったの?


『いや、首元に氷を当てて冷やしてるだけじゃ。』


 じゃあ大丈夫か。というかあの体格差でどうやって首を掴んでいるのだろうか。


『なんか扱いがひどい気がする......』


 俺にモルをどうすることもできないから、頑張ってくれ。


 にしても、どこにあるのやら......全ページ数が書かれたメモは。


 本棚の裏を探してみたり、本の後ろを探してみたりしたが、見つからない。


 セク、本当に部屋の中にあるんだよな?


『あ、ああ......部屋の中から出した記憶はないから、この部屋にあるはず.......ひゃあ!?』


『いい加減にはっきりせんか!言え、どこにあるんじゃ!』


『首を冷やすのはやめてくれ!背中がゾワってくるんだよ!』


『妾もゾクゾク来るぞ?それに、こうなっているのはお主の記憶能力が悪いのが原因じゃろ。』


 もはや恐喝になってるんだが。モルもなんか楽しみ始めてるし。......セクが思い出すにしてもねえ......記憶の奥底に眠ってるんだったら......って待てよ?


 確か、空間魔法を使えば、相手の記憶を見れるんだったよな?


『そういうことか。使い方の説明は不要か?』


 まあ必要だな。見事に俺の意図を読み取ってくれたし。


『空間魔法は、想像だけじゃ難しい。想像のみ使うのなら、その人物やその場所の過去を想像したうえで、その想像がほぼ一致しなければならない。この部屋の中なら想像が簡単かもしれないが。』


 いやあ、ちょっと想像想像って言われてこんがらがりそうになるんだが。


『まあ一言で言うと、空間魔法を眼鏡にして、対象の人物か対象名を思い浮かべれば見れる。』


 ってことは、セクが眼鏡をかけてたのもそれ?


『いちいち創り出すのがめんどくさかったからな、少し材料を使って作ったんだ。今回は、俺がそれと同じ機能の物を創り出してやる。』


 おお、ありがてえ。いきなり人の情報を覗ける眼鏡を想像だけで作ってみろとか言われても、余計な念みたいなのが入って、服だけ透ける眼鏡でも作っちゃいそうだしな。


『ソータ君!!その発想はなかったよ!!今度、試作でも作ってみようかな......』


 どうやら俺の心の呟きに感銘を受けたらしいセクが、うかつな発言をしてしまった。無論、それはモルにも聞こえているわけで......


『そんなものを作ってどうするか言ってみい?妾が手助けをしてやるからの。のう?セク?』


こんな風ににっこにこの笑顔で(モルの表情がそういう風にイメージできた。)セクに訊いていた。


『うん、ソータ君、短い間だったがありがとう!久々の再開で俺もテンションが上がりすぎていたらしい!モルさんのこの笑顔は無理だ。どうしようもない。』


『何が無理なんじゃ?言うてみい。ほれほれ。』


 主従関係のようなものが見えてきたのですが......気のせいで合ってるんでしょうかね......?というか、絶対今、モル笑顔だっただろ。まあ、少なくともセクは、モルに逆らえないようではあるな。


『ソータ、それはどういう意味じゃ?』


 別になんでもないですハイ。


 ま、気にしないようにして、俺はセクの記憶を探るか。


 俺はいつの間にか、目の前に現れた眼鏡をつけ、セクの名前を思い浮かべた。


 すると、水色に淡く光る本のようなものが現れた。


 それが勝手に開き、パラパラパラと次々にページがめくれていき、勝手に何かのページを開いたまま止まった。そのページには何も書かれていなかった。が、その本が光り、空中に映像が映し出された。


 そこには机に大量の本が積み上げられ、紙に何かを書いているセクの姿が見えた。


 ズームしてみると紙に45万1928と書かれていた。よくこんな数えたな。その後、何かの空間魔法を使い、扉に何かの仕掛けを作っているところで、映像にノイズがかかって終わった。


『お、使い方がうまいな。一発で当時の記憶を呼び出すとは。俺でもあまり上手くいかないしな。』


 なんか適当にやったら、うまくいったんだよ。偶然だから。偶然。


『偶然でうまくいくレベルじゃねえからな?結構制御が難しいんだが......』


 んなん言われても......うまくいったんはそうなんだから、いいんじゃね?


『まあな。とはいえ、絶対に成功するなんてことはないんだ。ちょこちょこ練習するなりしておけよ?』


 ルーナを助け出したらやることにするよ。


 さて、全ページ数もわかったことだし、これを入力っと。451928......オケ。これで、決定を押せばいいんだな?決定と。


 と、俺がそのボタンを押した途端、天井が空き、下から吹き上がった風によって、地上へと放り出された。


 だけど、下に目に見えないクッションのようなものがあり、それのおかげで一切怪我をせずに済んだ。


 突然の事態にアリサはびっくりしているらしく、目をパチパチさせて、困惑した様子である。


 外はいつの間にかに日が傾きかけており、今思えばセクのつくったあの空間で時間が遅くなっていたのかは疑わしいところだった。


 さて、外に放り出されたわけなんだが、このまま帝国へと向かうことにした。


「ソータ、やっぱり帝国に行く?」


 なぜか、今更にアリサが行きたくないというような表情で言った。


 理由を聞くと、ロサから聞いた話を聞いて、怖い人が多いという印象を抱いてしまったかららしい。


 すると、アリサとサラが入れ替わったのか、目つきが変わった。その後、アリサとサラの間で何かを話したのか、俺に出発することを促してきた。


 そんなわけで、俺たちは帝国へと向かって出発することにした。


 歩き出した時、セクが反対方向だと主張した。その声に、俺は回れ右するが、今度はモルが逆だと言う。


 俺がその場でグルグルしていることが気になったのか、サラが俺に何をしてるのかをたずねてきた。


 どっちに行くかでモルとセクが言い合っていることをサラに言ったところ、サラは呆れたような顔をしながら、二人の言うどちらでもない方向を指した。


「絶対にこっちよ。こっちに町がある感じがするわ。」


 ダメだ。誰を信じればいいかわからん。というか、全員勘だろ!もうちょい確定的な証拠はないん?


「『『ない!!』』」


 ダメだこりゃ。逆にいっそのこと清々しいけども。ここまではっきり言われると。まあでも、ずっと封鎖空間にいたんだから、土地勘がなくても仕方ないか。


「それで......結局どの方向に行けばいいんだ?」


「『『こっち!!』』」


 分かるか!!意見をまとめてくれ。


『いい加減しろ!!そのどの方向でもない!!さっさと行け!!』


 ビックリした。急に頭の中に大声が響いたからビックリしたよ。というか、ここにいる誰の声でもない......


『いい加減に、しろっつてんだろ!通信機をつけてることを忘れたのか!!』


 だから、大声が響くからビックリするんだって。忘れてたのはごめんて。


 そういえばレサから通信機をもらったんだったな。とりあえず歩き出さないと、またレサに言われるからな。レサの言う方向に歩き出し始める。


「こっちの方向に帝国があるって。」


 サラに言っておく。俺の自信満々な様子をみたサラは納得してくれ、俺に付いてくることにしたらしい。というか、そうするしかないようだ。


 そのまましばらく歩いていると、壁が見えてきた。そこには馬車やら大きなカバンを持った冒険者らしき人物などが大勢並んでいた。


 俺たちは一番後ろに並ぼうとしたのだが、レサに止められた。


『門の前の列は並ばずに、それぞれバレないように中に入れ。見慣れない人物が入った直後に事件が起きたとなると、真っ先に疑われるからな。』


 あ~、確かにそうだわ。疑われないわけがない。


『それに、時間の短縮の目的もある。あそこの大半はここの役人だ。ノルマ達成かどうかを確認をいちいち手作業でするから、かなり時間がかかる。』


 だから並ぶなってことね。了解。


「あれっ?君たち、もしかして新人?」


 俺が『フェーズ5』にしようとした途端、いきなり後ろから声をかけられた。


 振り向くと、ピンク色の髪を腰のあたりまで伸ばしている人物がいた。その瞳は確かに俺の方に向けられている。その目を見ていると視界の端から暗くなっていき、熱中症になった時のような、意識が遠くなる感覚に襲われた。


『ソータ、あやつは危険じゃ。すぐに何かと理由をつけて離れろ!!』


 異常に気が付いたのか、モルが慌てた様子だった。俺はその声のおかげで我に返り、相手の目をできるだけ見ないようにしながら、適当な理由を言った。


「いや、なんの新人が分からないですけど、俺たちはたまたまここを通りかかって、なんの列か見てたんですよ。」


 すると、その人物は「ふうん?」と明らかに俺の言っていることを疑っている様子だ。


「わざわざ帝国の近くを通りかかっていく場所があったとはねえ......」


 やべ、俺の発言を嘘だと言ってくるタイプだこれは。


「もしかして、この近くの村に君の家族か友人でもいるのかな?」


 俺は即刻頷いた。その勢いのままなぜか固まっているサラの手を引っ張って、その場を逃げるように離れた。そのときのサラの手は固まっていた。もっと言うと、少しの間俺が引きずるように引っ張っていた感じだった。


 体の各パーツが、まるで石になっていたかのように動かなかった。


 また、逃げる際、ちらりとさっきの女性の方を見ると、まるで、時折レサが俺に向けてくる、相手に興味深さを感じた時の表情だった。こころなしか、目も光っていたように感じた。




 いかがでしたでしょうか?今回は、セクの部屋から脱出しましたね。前回とは打って変わり、セクに何かしらちょっかいをかけるのをモルさんが愉しんでいる様子でしたね。それに、最後に出てきた人物は一体......?後々判明する...かもしれません。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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