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難しいところかなあ......(21日目の終わり)

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 全員がそろい、飯を食べ終わった後、とりあえずアリサ(サラ)、レサ、ロサに俺の部屋に来てもらって、ロサに帝国の帝都周辺の地図を描いてもらった。


 簡易的なものであったが、それであるにもかかわらず、かなり理解しやすいものだった。


 それに加えて、ロサから少し口頭の説明もあり、(半分目が閉じていてかなり眠そうだったが)一体どのような施設がどんな配置であるのかを知ることができ、ここから一番近いところにある帝国への入り口も教えてくれた。


 しかし、レサが眠そうなロサの様子を見て、


「とりあえず今日はこれだけだ。お前も今詰め込まれた情報を頭ん中で整理する時間が必要だろ。うちの妹もまだ眠り足りねえようだからな、今日はこれで勘弁してやってくれ。」


「ごめんねぇ......おやすみ~......」


 閉じかけの目を頑張って開けようとしながら、フラフラと部屋へと戻っていった。いや、吸血鬼なのに昼間起きて、夜にしっかり寝るって、元々の吸血鬼のイメージと違うところがあったかな。


「もう一度聞くが、本当に大丈夫なんだよな?お前を信じても。」


 部屋へと戻るロサを見届けたレサが俺にそう呟くように聞いてきた。


「信じるってやっぱり、ソータが助けてくれるかってことでしょ?」


 俺が口を開こうとしたのをそう言って遮ったのはサラだ。


「ああ、そういうことだが、それがどうしたんだ?」


 それを言ったサラに聞き返したレサは、何か言いたげな顔をしが、何も言わず、アリサが質問に答えることを待った。


「最悪、ソータが失敗しても、モルがフォローしてくれるはずだから大丈夫よ。」


 いや、全然信用されてないんだが。サラとモルは昔からの仲って言ってたから、当然っちゃ当然か。


 だけどな、これだけは言わせてくれ。


「俺が失敗する前提なのはやめてくれません?それをしないために作戦を立てるんだから。」


 すると、冗談で言ったつもりだったのか、俺が真に受けたことに少し申し訳なさそうな顔をした。


「ごめん、冗談のつもりだったの。別にソータの実力的には信用できるし、やるときはやるって知ってるから、そう怒らないで。」


 やべ、怒ってるって思われてるってことは、言い方が悪かったな。俺も別に怒ってるわけじゃないから、気にしてないんだけどな。こんなに申し訳なさそうにしているのを見ると、こっちもなんか申し訳なくなってくるし。


「別に怒ったりしてないから、気にしないでいいよ。気に触ってああ言ったわけじゃないから。」


 俺がそのことを伝えると、サラはどこか安堵したような表情をした。


「それより、俺を信じてもいいかって話だったよな?」


 俺はレサの質問に答えることにする。


「別に信じるか信じないかで行ったら、信じなくていいぞ。逆に、会って数日のやつに対して、自分の家族を助けてほしいと言って大丈夫なのか?」


 俺は逆に気になってたことを聞いた。すると、レサは俺にこう言ってくれた。


「むしろ、お前は信用できると判断できたから会って数日で頼んだんだ。信用できないなら、記憶を戻したりしねえ。それに、お前の記憶も持ってんだ。やるときゃやるってのを分かるんだよ。」


「いや、俺そこまでやるときはやるみたいなことをした記憶がないんだが......」


「そりゃそうだろ。お前が黒歴史として心の奥にしまって、そのまま忘れてたんだからな。本人が忘れていても記憶は残るんだ。それを見て少し考えれば分かるってことよ。」


 う~ん、やっぱりわかんねえな。


「どの道、今更できないとか言っても、失敗するかもしれないからやりたくない、なんてのは聞かねえぞ?男に二言はないって言葉がお前の記憶にはあったしな?それに......」


 そこでレサは言葉を切り、俺の目をしっかり見て言った。


「ロサにルーナを助けることを‶確約”したんだろ?」


 最悪だ......今この瞬間黒歴史が増えるわ。感情に任せて言ってたから、何言ってたかちゃんとは覚えてなかったけど、やらかしたわぁ......いや、別にレサが普通に言ったなら、気づかなかったんだけどさ、ニヤニヤしながら言ってるのを見ると、そう思っちゃうよね。なんてセリフを吐いたんだ俺。


 ......だけど、レサのおかげで気が楽になったわ。そこまで気負いすぎてもうまくいくものもいかねえよな。かといって、気楽にいくわけにも行かないけど。


「ま、今日はお互い寝るか。また明日から5日で準備するからな。忙しくなるから、今のうちにしっかり休んどけ。くれぐれも、ディガに気付かれるような言動取るんじゃねえぞ。まだ帝国の人間だと疑ってる節があるからな。」


確かに。夜更かしして考えても、頭が回らないから、一回しっかり寝て、頭をリフレッシュしてから考えた方がいいか。ディガにはバレないようにっていうのも、なんか仲間外れみたいであれだけど、レサがあまり知られたくないって言うんだったら、それに合わせとこ。


「りょかい。そういうことなら気をつけておいとくわ。それでも、勘づかれたときはすまんな。」


「別にいい。あくまでも疑いがあるだけで、本当にあっち側だったら、記憶を奪うだけだ。」


 それを言い残してレサは部屋を出ていった。


「......それで?このことについて、モルは何か言ってたの?」


 部屋のドアが閉じた瞬間、サラが聞いてきた。なので、俺はモルが帝国の近くに均衡守護者(バランスガーディアン)の一人がいるから、そいつに協力を仰げば、うまくいく確率が高くなると言われたことを伝えた。


「その様子だと、誰か知ってるみたいだけど、どうやって知ったのかしら?他には普通伝えられないはずなんだけど。」


「そんなこと言われてもなあ......モル自身のスキルかなんかじゃないか?少なくとも、俺にはわからん。多分聞いても教えてくれないだろうな。」


「情報収集系のスキルではあるんでしょうけど......それはそうとして、モルって前と比べてかなり技術が上がってたわね。あれは多分、スキルを使わなくても勝ってたでしょうね。」


 まあ、完全に舐めプだったもんなあれは。しかも、ロサが秘策みたいにして使ったのも、一瞬で見破ってたし。


「結果的にうまくいったから、よかったんじゃないか?モルも別に問題なく勝ってたし。」


 と、そこで、俺はあることに気が付いた。


「サラ......じゃないな。あんときはアリサか。見てたんだよな?」


 あの動いた茂みのところにいたのかな?


「.....アリサは音がして気になって行っちゃったみたい。しかも、あの時の精神年齢は数歳に戻ってたらしくて、そのせいか、無意識に固有スキルを使ってたみたいなの。」


「固有スキルか......結局、アリサの持ってる固有スキルって何なんだ?」


「さあ?あたしも使ってるところをちゃんと見てないからわからない。だけど、この子の場合、その身に眠る種族の血が喧嘩しちゃって、固有スキルを使うと苦しいらしいの。だから、使わせるのは本当に危険が迫った時だけにして。」


「わかった。だけど......その時は、サラが何とかできるだろ?そんな危険が起こることなんてないさ。」


 なんか、フラグみたいになっちゃったけど、実際、不意打ちとかでなければ、ちゃんと対処できるだろうしな。モルと張り合ったってぐらいだし。


「とりあえず、もう寝ようか。」


「そうね。あたしは大丈夫だけど、この子の体は疲れてるでしょうから。」


 サラはそのまま立ち上がり、部屋へと戻っていった。


 さて、俺も寝るか。正直、眠くはないんだけどな。寝るときに雨の音とかがあったら、ぐっすり眠れるんだけどね。


 ベッドに寝ころび、目をつむる。何もせずにこうやって目をつむると眠れるからね。


 しかし、しばらくたっても眠れず、時々無意識に目を開けたりしていた。


 だが、次第にうとうとしてき始めた。


 それでも、眠りには落ちず、そのまま体感30分ほどが経過していた。



 すると、ドアが開き、誰かが入ってきた。半分閉じかけの目ながら、ドアの方を見てみると、なぜかそこにはゼリージさんがいた。


 一瞬で意識が覚醒したが、しばらく寝ころんだままその様子を見ていると、俺のいるベッドに入ってきた。


 俺は色々な意味で怖くなり、ベッドから出ようとしたが、なぜか体が動かない。


 次第にゼリージさんの距離が俺に近づき、ついには俺を抱き枕にするように、頭を俺の胸にうずめながら、抱きしめてきた。


 俺はそこから抜け出そうと思って動こうとしても、やはり全身が痺れたように体が動かない。


 そして、ゼリージさんは俺の顔に顔を近づけ......



 ............とんだ悪夢だったな。人柄としてはいいと思うけど、さすがにあのおっさんから迫られるのはきつい。


 さっきまで見てた悪夢の影響か、飛び起きてしまった俺は、のどが渇いてしまったため、水を飲みに部屋を出る。


 まだ夜中であるため、足元が見えにくいが、目が慣れているため、そこまで気にならない。それに、足元に物が落ちたりしてるわけでもないしな。


 リビングに行き、水を飲み、部屋に戻る。その時に気が付いたことがあった。


 レサの部屋のドアから光が漏れ出していたのだ。


 さすがに覗くわけにもいかないので、そのまま部屋に戻ろうとしたのだが、中からボンッと小さく破裂音というか、爆発音が聞こえた。


 レサが無事かどうか確認するために、ついドアを開けた。すると、そこには、お風呂に入った後だったのか、バスタオル一枚を体に巻いたまま椅子に座っていた。


「あ?ああ、お前か。今音がしたのは、何もないから気にすんな。」


 俺は目を逸らしながら、レサに気になってたことを言う。


「いやいやいや、それよりまず気になることがあるだろ。なんでバスタオル一枚なんだよ。」


 それを指摘されて思い出したように、自分の体を見下ろした。


「風呂上がりに服がなかったんだ。服が乾くまでそのままだったんだが......そのまま忘れてたな。」


「それなら、早く服を着てくれ。ついでに、早く寝ろよ?」


「いや、吸血鬼族(ヴァンパイア)をなめんな。夜が本筋入れられる時間に決まってるだろ。」


 あ、やっぱそうなんだ。ロサが寝てるからてっきり夜は普通に寝るのかと思ったわ。


「ま、お前は寝とけ。今から起きてても、朝昼頭が働かないだろ。ついでに、着替えるから、もう部屋を出てくれ。」


 ふつうに言うとおりだわ。まあ、机になんか焦げてる感じのものがあるのは気になるけど、普通に考えて、ここに残るのはよほど常識のない奴か、覗き趣味の変態かだからな。


 俺はレサの部屋を出て、自分の部屋へと戻る。


 そして布団に潜り込み、目をつむる。しかし、俺の足元にある感覚に違和感を覚えた。


 足元がぬくぬくだった。正確には、誰かがいるため、その体温で温まっていた。


 誰かと思って、布団をはがすと、暗くて見えにくいが、ロサのようであった。


 また寝ぼけてここに来たのかと思いつつ、部屋まで運ぼうと立ち上がって持ち上げ、ロサの部屋まで運び、ベッドに下ろした。


 そのままぐっすり眠っており、起きた様子はなく、軽く寝返りを打っていた。布団をかぶせてあげ、部屋を出た。


「おやすみ。ぐっすり寝てね。」


 部屋を出るとき、そう言って出たのだが、なぜか俺にはロサが頷いて、笑っているように見えた。


 ともかく、俺は再びベッドに入って、寝ころび、目をつむった......


 結局、目がさえてまたしばらく眠れそうにないな。



 いかがでしたでしょうか?今回は、蒼汰が悪夢を見てしまいましたね。あの後、悪夢の続きを見なければいいですけどね。


 さて、今回で3章が終わりました。次回から、帝国へと向かっていく蒼汰たちを書いていく予定です。これからもぜひ、読んでいってください。まだまだ続く予定ですので、最後までお付き合いいただけると、幸いです。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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