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便利なスキルがあるから異世界サバイバルぐらい余裕だよ?  作者: cats&ryu
第三章

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番外編②(2)

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 俺たちがおじいさんから距離を取った理由は...


「ごめん。ちょっと頭に血が昇って吐きそう。ちょっとこの体制はやめて。」


 あ、きつかったか。ごめんな明兎。やっぱおんぶにすべきかー。


 カバンを前側に背負い、明兎を背中に背負い、おじいさんへと向き直る。


「そんな怖い目つきをされてどうかしましたか?」


一応言っておくが、俺は今、足を一歩後ろに下げている。これはいつでもこのドアから出られるようにしてるだけで、決して怖いからではないからね?......怖いからじゃないから。本当に。


 おじいさんは俺の質問を聞くと、みるみるうちに眉を吊り上がらせた。


「貴様らあああ!!やはりだましておったのだなあああ!!」


こっわ。やっばい、絶対逃げた方がいいタイプの場所だここ。


 大体、こういう集団で自分たちが呼んだのに、思い通りではなかったら、殺すか捕まえるか、追放のどれかでしかないというのがお決まりだ。


 俺は即座に明兎を落ちないように支えつつ、さっき見えた外につながるであろうドアまで、全力でダッシュしていく。


「だますも何もできませーんっっ!!」


という、セリフを吐きながら。明兎はなぜかアッカンベーしてた。おじいさんがブチギれたことに、腹が立ったのだろうか。俺が逃げ切れると確信しているようだ。俺が頑張るしかないか。


 とりあえず、ここから出て、確実に追いかけてくるだろうから、追いつかれないところまで逃げないと。

 ドアを開け、庭のような場所に出る。


 案の定手に縄を持って追いかけてきた。50人ぐらいで。


 さて、捕まったらおそらく終わりの鬼ごっこ開始ね。この場合はケイドロか。


 だが、俺は小学生では『逃げるウサギ』と呼ばれたほど、逃げ足には自信があるんだ。それから7年経ってるが。


 ってことで、逃げまーす。


 ここ自体、柵に囲まれているのだが、ちょうど、誰か入ってきたのか、一か所外に出られそうなところがある。しかも、今は誰もいない。


 チャンスと思い、そこから出ると、一気にスッと体が軽くなった。ここから出られた安心という精神的なものよりは、完全に物理的なものだ。


 別に背中を見ても、明兎はいる。明兎が降りたからというわけではない。


 やはり場所的なものがあるのだろうか。いくら異常事態とはいえ、あそこまで冷静だったのは普通に考えておかしい。なにかしら力でも働いていたのだろうか。


 って、早く離れないと!!


「空兎、もう誰も追ってきてないよ。」


その明兎の言葉で、俺は振り返る。


 なるほど。確かになんか戻ってる。しかもこの柵が中と外を明確に分けているかのように、ぴったり追いかけてこなくなったようだ。


 なに?なんかゲームのエリアごとのバリアみたいなもんでもあんの?そうとしか考えられん。


 まあいいや。遠くに町みたいな場所が見えるし、そこに向かうか。


 と、その前に...


「明兎、結局追ってこなかったから、下ろしてもいいか?」


「別に歩くの疲れるから、このままでもいいよ!!」


「いや、俺が重いから降りろって...」


 すると、明兎は俺の首を絞めてきた。


「ん?もう一回言ってみ?」


俺は首が締まった状態でかすれ声でしっかり言う。


「いや...だからさお前が...重いか...ら降りろ...って...」


すると、明兎は俺の首から手を離した。


「素直に言えてよし。でも、本人が気にしてることを軽々しく言ったらダメだからね。」


「それは気をつけるわ。それはそうと、重いから降りてくれ。」


その言葉に観念したのか、明兎は降りた。降りる際に、首に腕をかけられて、そのまま後ろに地面に引き倒された。急に首に力がかかって、死ぬかと思った。咳き込んだし。


「なんで、こうされたか分かる?」


 わかってしかいないからやったんだけどね。


「はいはい、分かったよ。もうしないわ。」


すると、満足したように明兎は笑った。目が笑っていなかったが。


 さて、少しは明兎の緊張もほぐせたところで、まずは、町に向かう前に、荷物を確認しておこう。手持ちの確認はあるあるだしな。


 近くに明兎を呼び、一緒にカバンの中身をのぞき、一つずつ出して、確認する。


 まずは、保存食類と。缶詰と乾パンだよな。賞味期限は問題なしと。ついでに割りばしと水も2リットル入ってた。


 次に、テントか。大きさは分かんないけど、結構コンパクトサイズっぽいから、二人入るぐらいは大丈夫だろうな。


 あと、マッチとライターね。これはシンプルに燃料として使えるな。


 それと、サバイバルナイフとカッパとロープっていうね、しかも、カッパは4人分あるし。え、何?キャンプどころか、無人島にでも行くんじゃねえの?みたいな中身なんだけど。でも確かに役に立つからいいんだけど。


 ついでにエチケット類と一緒に、カバンの底に一つ、文字通り黒歴史が眠っていたから、それは見えないようにして、取り出さないでおいた。


 とりあえず、確認はできたから、カバンに戻して背中に背負う。


「それじゃあ、町に向かうか。多分歩いていくしかないけど、5時間ぐらいかかりそうだな。」


そう、遠くに見えるといっても、ここが、遠くにうっすら町が見える丘だったのだ。


 正直、これをとっさに掴んでよかった。これがなかったら、多分、この距離は絶望していた。


「疲れたらおんぶしてね。空兎なら別に大丈夫だと思うし。」


「その前に俺の足が棒にでもなんなければな。」


 それからしばらく、明兎と他愛もない話をしながら、見えた町まで歩いていた。


 だが、次第に明兎の足が止まっていき、ついには泣き始めた。


「ううっ...ねえ空兎...私たち...ひっく...これから...どうすれば...いいの...帰りたい...ひっぐ...」


 無理もないか。実際、俺もかなり不安で、一人なら不安で泣いていたかもしれないな。明兎の前だから、どうにかして、保ってはいるけどな。


 明兎もまだ中学生だ。俺はもう高校卒業したが、実家から離れられないでいた。まあそんな金もないからなんだけど。


 そんな明兎が不安になって泣くのも仕方ない。


 今は完全に森の中で、野生動物や、虫系が来るのが怖いが、ここら辺でテントを立てて今日はここで寝泊まりしよう。


 さすがにこの状態で無理に歩かせでもしたら、体調崩してしまうかもしれない。


 俺はテントを立て、少し枝を切ってきて集める。明兎はテントで待たせておいた。


 そこから、覚えている限りで、火の入りやすい枝の組み方で組む。


 枝同士で支えさせ、下に空気を通すための隙間を作って、枝を組んだ。


 さらに、葉っぱと、いい感じの草も取ってきて、その枝の下に敷いた。そこに擦ったマッチを放り投げ、葉っぱに燃え広がった時に枝を近づけ、仲立ちの役割として、組んだ枝に火を移らせる。


 ある程度燃え移ったら、空気を送ればオーケーだな。火も大きくなったし。


 食いもんは...缶をそのまま放り投げてあっためるってわけにはいかないし。


 どうあっためようか...器なんてないし...かといって、ナイフで器をほるにしても、材料となる大きい木とかもないし。


 今回は冷えたまま我慢してもらうしかないか。湯煎するにしても、貴重な水は使いたくないからな。


 俺は、明兎のところに行き、外とテントの中とで、どっちで食べたいかを聞いた。


 帰ってきた答えは、


「外で食べてみたい。」


とのことだったので、火の近くで食べることにした。


 実際、キャンプ以外に屋外で食べることなんてなかったからな。まあ実質キャンプみたいなもんだけど。


 まあ、多少は元気出たっぽいから大丈夫かな。あたりも暗くなってき始めたし、食べるのにもちょうどいい時間帯かもな。


 俺たちは手を合わせ、それぞれ食べ始める。


 俺が食べているのが鯖味噌缶で、明兎が食べているのは照り焼きチキンだ。言うと悪いが、正直、手作りに比べると、味は劣ってしまうが、俺が作るより断然おいしい。あくまでも俺以外が作った場合の話なんだけどな。


 まあ別に美味しいからいいんだけどね。


 ...これからどうするかだよな~。町に行っても何をするかだし...


 まあ行ってから考えればいいか。


 夕暮れ時になってきたし、飯食ったら寝るのがよさそう。


 お、明兎も食べ終わったな。


「片づけは俺がやっとくからお前は先に寝とけ。この時間からは寝れんと思うが、寝れるうちに寝とけ。何が起こるかわからんからな。」


 明兎は頷き、テントの中へと戻っていった。......俺が言うのもなんだが、少しでも手伝おうか?とか言って欲しかったな。まあ、どのみち断ってるが。


 ...にしても、どうやって汚れが広がらないようにするかだよな...葉っぱとかでくるめばいいか。途中で川とかでも見つければ洗えるんだけどな。環境汚染になるが。


 とりあえず、大きめの葉っぱでくるんでおいた。何重にもね。


 よし、俺も寝るか...っと、その前に、明兎、寝てるよな?


 うん。寝てるな。じゃあちょっとカバンからノートを取り出してと。


 黒歴史とはいえ、それは蒼汰のだから俺が見る分には構わないな。確か...異世界に行ったらしたいことリストがあったから、それをやっていくのもいいかもな。


 ちょっと見てみよう。


“『異世界(アナザーワールド)に行ったら』

 異世界に行ったらすること


・好きな場所で暮らす

・世界の重要な秘密を握って、チーと能力を加速させる

・チート能力をゲットして無双したい(願望)

・かわいい女の子に監禁された...”


よし、閉じよう。今内容思い出したわ。こっから先はほぼネタみたいなもんだったわ。うん。絶対深夜テンションで書いただろっていうね...最後に『※途中からネタです』ってあるしな。


 まあ、かわいいロリになら世話されるんだったら監禁されても......冗談だからね!?監禁はされたくないよ?かわよいロリを見つけるのはいいかもな。


 あと、モンスターとかも倒してみたいな。まあまずいないって可能性もあるが。


 というか、異世界あるあるで、文字がわからないとかもありそうだな。言語は問題なさそうだから、コミュニケーションは取れそうだけどな。


 ......あ、結構大事な問題忘れてたわ。飯だよ飯。なんかあるじゃん?貴族以外は貧しくて、ろくにご飯も食べれないって。そういうのがなければいいなあ。


 ...まあ、金がないとどのみち食えないんだが。


 なんか売ればそれが貴重だったとかあるから、持ち物は何がいらないかは確認しておかないとな。


 ......せっかく異世界に来たんだ。せめて楽しみたい。今のうちに俺は俺でやりたいことでも決めておこうか。


 早めに目標は決めておかないと、楽しめないからな。目標を達成する楽しみも色々あるしな。


 ......なんて、考え事していないと不安で押しつぶされそうなんだよな...俺が先に折れると明兎にも負担になって、心の面で共倒れになるかもしれない。絶対にそれだけは避けておきたい。いくら明兎が見ていないとはいえ、俺が泣くわけにもいかない。


 はあ。逆にもうここまで気負いすぎる必要もないように思えてきた。気楽に言った方が楽なんだろうか。


 いやいや、気楽にいけば俺の場合、現実から目を背けることになる。それは絶対だめだ。


 ...今は気楽な方がいいかもな。ここまで考え続けると無意識にもストレスが溜まる。今日はもう何も考えないで寝よう。ゆっくり考えるには安全が確定している場所...宿とかね。そこで考えるのがよさそう。


 いやでも、見張りとかいるかな?見張りをするのは定番だしな。


 いや、見張りなんてしても、素人の俺に何かできるわけでもなく、さらわれるとしても、抵抗のしようがないからな。やる意味はないだろうな。


 じゃあ俺も寝るか。というか、こんなこと言うと気持ち悪がられるが、明兎と一緒に寝るのは何年ぶりぐらいだろ。多分小学生以来だな。



 いかがでしたでしょうか?今回も番外編でしたね。空兎くん視点で書いていたのですが、喋り方が似ているため、どう区別しようか悩みました。結果、悩まないで書くことにしました。


 さて、次回からちゃんと本編に戻るので、次回もぜひ読んでいってください。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 それでは、また次回お会いしましょう。

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