うん?やっぱ状況どういうこと?
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
まじで状況が理解できないんだが?
昨日のことを思い出そう。異世界転移してきっかけがあるかもしれない。
ええと、昨日は...確かラノベを読んでたよな?ラブコメ系の。そして、ゲームをしたよな?育成系の。んで、その後はソシャゲで神引きしたよな?爆死という名の。
でもって、そのあと一通り発狂してから寝落ちしたんだよな。多分。
ってことは、寝てる間に異世界転移したってことか?まあテンプレではありそうだけど。こう、寝てる間に体の下が光って異世界に飛ばされるみたいな。
まあこんなに落ち着いてるように見えるけど、現実逃避をかましてるだけだからね?
とはいえ、現実は...無情なもので...
「ねえ、ソータ、いい加減ふざけてないで御飯作ってよ。」
という毛玉一匹。
「吾輩もおなかが減ったのであります!申し訳ないのですが、ご飯を作っていただければと。」
という鶏一匹。
「ねえねえ、おなか...すい、た。」
と拙いながらもしっかりと意思表示をしてる翼付きの猫一匹。
「お兄さん、本当に大丈夫?大丈夫じゃなさそうだったら、私にさせたみたいに『冒険者証明書』を見てみる?なにか分かるかも。」
という、さっき頭をぶっ叩いてきた、俺をお兄さん呼びする少女いっぴ...一名。危ない危ない。流れに流されるところだった。
さてさて、とりあえずは
「この家のリビングかキッチンを教えてくんない?」
と尋ねることにした。
その後、ちゃんとリビングらしい場所に連れてきてもらった。
あれ?羽つき猫の親玉みたいなやつがいる。プラスなぜか首から立派な角?が生えた狼がいた。あと、この家の住人と思われる俺と同い年くらいの筋骨隆々の青年がいた。
そして、なぜか前後にゆらゆら揺れる椅子の上にボスの如く座ってるヤギの角が生えたライオンがいた。そのそばに子分みたいな同様の動物二匹。尻尾にヘビでもいたらキメラだったな。あれ?下半身も違ったっけ?
中々に豪勢だな。でもさ、この感じならさ、まだなんかいそうじゃない?
俺は青年に問いかけてみる。
「この家にいるのは、ここにいるので全員ですか?」
流石にね?こんな明らかにアホみたいに強そうな人に敬語を使わなかったらね、機嫌を損ねて何をされるかわからないからね。うん。そゆこと。
「あん?ソータ、お前何いってんだ?もう二人のことを忘れたのか?それともあいつらになんかされたか?たまにあいつらは人を実験台にしたがるからな。」
うん?二人いるってことか。いやちょっと待て。さっきはお兄ちゃん呼びに引っ張られたり、動物が喋ったことで気にできなかったが、なんで名前知ってんだ?夢じゃないなら尚更。
「やっぱ、わかんなそうな顔だな。待ってろ。今二人を呼んでくるわ。」
うん。やっぱどういうことか全くわかんねえ。
しばらくして。何やら怒鳴るような声と楽しそうな声が聞こえた後、ドアが開いた。
「ったく、なんで私まで来なきゃなんねぇんだよ」
「いいじゃん、ソータが僕たちを忘れてるってなんか面白くない?雇い主が二日目にして雇った人物を忘れる。そして、混乱しっぱなしの雇い主は様々なお願いに悩まされる、みたいな。」
「いや、明らかにそのお願いは私の実験台か、ロサの着せ替え人形にされるだけだろ。」
「うわ~自分で言っちゃうんだ。実験台って。」
「別にいいだろ。私達のことを忘れてるなら余計都合がいいだろ。」
なんだ?この二人は。見た目は、明らかに双子。しかも髪色がどっちも赤い。派手やな。しかもどっちもきれいというか、華麗で、結構好みだ。そして、片方はメガネを掛けている。口調が荒いほうね。は、右目が青くて、左目が緑色だ。
そして、もう片方が右目が紫で左目が青である。
うん。これはなんかあるなあ。俺の経験上(想像上の)、両目のうち片方がどっちにも共通してる双子は何かしらの秘密を持ってる。うん。これは確実だと思う。知らんけど。
いや、普通にきれいな人だな。しかもオッドアイで髪の毛が赤いって、やっぱ異世界に来たんかな?さっきの青年も髪色をよく見たら紺色だし。地毛っぽくもあるしな。
で?結局この二人どころか、ここにいる全員は何なんだ?疑問を浮かべながら聞こうとすると、
「ソータ、やっぱり覚えてない感じ?」
と、右目が紫の子が聞いてきた。
いや、覚えてるも何も、
「そもそも会ったことがある記憶がないんだが。この家のことも俺は知らんし。」
実家と作りは似てるけどな。
すると、その子はやっぱり!とつぶやいてから笑顔になり、
「君は僕の彼氏だよ?」
と、爆弾、しかも水爆レベルのを落としてきた。
え、待って、うん?
「それは、本当か?」
思わず聞いてみると、その子は
「本当なわけ無いじゃん。これは、ただの確認♪本当に記憶を失ってるかどうかのね。」
んだよ。ちょっとだけ期待しちゃったじゃん。...嘘です。かなり期待してました。というか絶対からかっただけだろ。むっちゃ楽しそうにしてるし。
というか気になることって言うか、薄々自分でも気づいてたことを言ってたけど、
「俺は記憶を失ってるってことでいいのか?」
全員に対して聞いてみると、ほとんどが頷いた。
「記憶を失っていなかったらふざけてても蒼汰はそんなことをしないだろう。」
と、でかい方の翼付き猫が言ってきた。
うん。まあ本当に状況がわかんないからね。そんなことをするのは俺の知ってる限りいないからね。
「で?結局俺はどうすればいい?」
まあこんなことを聞いてもご飯作ってみたいなことを言ってくるんだろうな...
とそこまで考えたところで、左目が緑色の子が、突っかかってきた。
「なに偉そうにしてんだよ!記憶失ってんなら少しぐらいは丁寧な言葉づかいを気にかけろよ!」
「はっ、はい...す、すすすんません。」
俺はこんな恐喝には負けないっていつか誓ったっけ?無理でした。
「もう、お姉ちゃんったら。そうやって威嚇するから人が近づいてくれないんだよ。そんな心配ならお姉ちゃんが色々と教えてあげればいいじゃん。」
「っるせーな。別に心配していったわけじゃねえっての。」
そうだそうだ。今の恐喝のどこに心配してる要素があったんだ。
「お姉ちゃんがそう言うなら仕方ないかな。」
うん。これで確定だね。メガネをかけてる方がお姉ちゃんってことね。りょうけい。
「この様子では、飯を作るのは無理だろうな。ファイガ、少し大人しくしていなさい。」
その声が聞こえ、後ろを振り向くと、さっきの大きな方の羽つき猫が小さいほうが部屋の中を駆け回ってるのを諌めていた。
「それじゃあ、私が作るね。簡単なのしかできないけど...」
そう聞こえたかと思うと、急に辺りに煙か霧かが立ち込め、それが晴れたときにはさっきまではいなかった美人が立っていた。
ケモミミ、尻尾付きの。しかも髪の毛や瞳も含めて白金色をしていて、まるで絹糸のように透き通っていて綺麗だった。
うん。もう異世界でいいや。まだ半信半疑だったけど、ケモミミ生やした人まで出てきたら確定だろ。もはや。しかも、俺はケモミミは大好物だし。
「ガルジェが作ったものならどんなものでも美味しいよ。」
「えへへ、ありがと。シルくん。よーし。張り切って作るぞ〜。」
そんな気はしてました。彼氏持ちだろうなとは一瞬思ったけど、まさか狼だとは。ってことは、あのケモミミさんは首から角...かなんかは知らんが、が生えてる狼ってことなのか?でもそうじゃないと、急に現れたことの辻褄も合わんしな。
というか、動物は火が苦手なイメージが…
「ひっ!?シルくん火が火が…」
その慌てた声に俺と『シルくん』と呼ばれた狼が見に行くと、火が高く燃え上がっていて今にも天井が燃えそうだった。案の定火が苦手らしい。
俺も少し慌てたが、すぐ冷静になり、こういう場合は濡れた布がいいと思い直し、布巾のような布を見つけ、濡らそうと思ったが、水が見当たらない。
そこでようやく俺は慌て、水、水と言いながらあたふたしていると、台所の鍋の中にあったのを見つけた。
そこの中に腕ごと布巾を入れた。ものすごい熱かった。思わずアヅァ!!と声を出したほどだ。冷たいのがよかった。
だがまあそんなことを言ってられないので頑張って耐えると、すぐに熱さに慣れたのか熱さを感じなくなった。なんなら冷たく感じもする。
俺はその布巾を絞って火の発生源に広げて置く。だがしかし、火が布巾に燃え移りかけたので、油じゃないなら…と思い、もういっそ水をぶっかけた。
ふう。これでオッケー。
しかし、火は消えたわけではなかった。が、料理をするにはちょうど良さげな火の大きさにはなっていた。なんで消えてはないんだろう?
「これでオッケーかな。」
思わずそう呟くとケモミミさんが
「ソータ、ありがとう!!火加減とかはまだ分からないけど、頑張って作ってみるね!!」
「いや、それで作るのは危険だろ。何を作るつもりなんだ?」
「うーんとね……ハンバーグしか作れないかな。」
まあでもいいんじゃないか?というか、俺も手伝ったほうがいいよな?元はなぜか俺が作る予定だったらしいし。
俺も手伝おうかと提案したら、
「うーん...いや、今日は私が全部作るよ。」
と、断られた。まあ当然だとは思う。
俺はケモミミさんがキッチンの方へかけていくのを見届けて、時々可愛らしい悲鳴があがるのを聞きながら状況をもう一度頭の中で整理していた。
しばらく整理していると、急にさっきの青年が俺に、
「さっきアリサ嬢がいいことを言ってくれたが、ソータ、お前『冒険者証明書』は分かるか?」
と、理由のわからないことを聞いてきた。
「どんなものなんですか?」
俺は全く心当たりがなく、聞いてみると、青年は俺の頭をぶっ叩いた少女に何かを伝え、その少女はポケットから何かを取り出し、青年にわたした。
そして、青年が俺に近づき、それを見せながら俺に聞いてきた。
「こんな感じの物を持っていないか?多分持っていると思うんだが...」
と。
えーと?見た目は大体スマホ。大きさは音ゲー親指勢歓喜のちょうどいいサイズ。素材がプラスチックに近いものと。そういや、俺のポケットにスマホを入れてるような感覚があるな。
ポケットを探りポケットにあったものを出し、青年に見せる。
「こういうやつですか?」
「敬語はいい。本当に記憶がないようだな。だが、俺にはそれが読めんからお前自身で読んでくれ。」
と言ってきた。
俺がそれを見てみると、そこにはこう書かれてあった。
[名前・間多井 蒼汰]
年齢・17 身長・175.4センチ 体重・62.3キロ
出身国・日本 異世界での出身地・ロームの森
レベル・????
体力・4310
スタミナ・1508
耐久力・10703 ※精神面も含めた数値
運動神経・多分高いかもしれない(気の持ちよう!!)
知能・120
神からの贈り物 (詫びの品)・レベルアップ効率2倍
スキル・『???・解放済み機能・・・』『???・解放済み機能・・・』『???・解放済み機能・・・』『???・解放済み機能・・・』『???・解放済み機能・・・』『???・解放済み機能・・・』
冒険者協会公認ランクC
ちょっと何書いてあんのかわかんない。
なんだよ。運動神経・多分高いかもしれない(気の持ちよう!!)って。ふざけてんのか。こちとらただのインテリ派だぞ。
「んで、確認したけど、それからどうすればいい?」
「やっぱなんも思い出せねえか。スキルのところにもなにか書かれてなかったか?」
「書いてあったけど、全部?になっていて全くわかんないんだが。」
いやそもそもこれってステータスプレートよな?だとしたら記憶失う前は冒険者だったってことかな?さっきも冒険者なんとかって言ってたし。
青年は俺の言葉を聞いて、しばらく考え込むようにして、そばにいた双子に何かを聞いていた。
さて、俺はどうしようか。...なんて言っても現状、何も状況がわかっていない俺にはどうすることもできないんだけどな。
すると、毛玉兼ひつじのひつじが俺に近づいてきた。
「ソータはホントに僕たちのことを覚えてないの?」
そう不安そうに聞いてくる様子は近所の公園に居ついていた野良猫を思い出す。あいつはな、いつも俺に癒やしをくれたんだ。それでいつも猫用のおやつを持って行ってたっけ。あっ、そういやどんどん太っていったんだったわ。多分今は8キロ近くある。
そうそうこの毛玉への答えだったな。
「残念ながら俺は覚えてない。そもそも似たような生物は一部似た生物でしかない。」
だって羽生えてる猫なんていないんだもん。
「じゃあやっぱアリサと同じなんだね。それじゃあいつも通りに接するね。だからソータもいつも通りでいいよ。」
なぜにそうなった?まあこの様子を見せられて、今更余所余所しくされても嬉しくないんだろうな。俺がいつもどういう風に接しているかは知らんが。まあその前に。
「まずは、名前を教えてもらえると助かるかな。」
いかがでしたでしょうか?今回は前回の後半同様、蒼汰の様子がおかしかったですね?やはり蒼汰の身になにか...どうなんでしょうね?
さて、少し遅いですが、新年、あけましておめでとうございます。今年も是非読んでいってください。
そして、新年に伴い、もう一つ物語を書いていこうかなと思っています。一話あたりが2000文字前後にしていこうかなと思っておりますので、そちらもぜひ読んでいってください。今週の土曜日から投稿していますので、「世間から英雄と呼ばれた俺が異世界に行ったらすること(仮)」と調べるとあると思います。
次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。
それでは、また次回お会いしましょう。