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さあどうぞ熱いうちに(19日目終了20日目スタート)

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 …そして3人は三者三様の反応をした。


「うめぇ!!なんかこう、一気に頬張りたくなる美味さだな!!」


「いいんじゃねえか?私としちゃあもうちょい味が濃いめだともっとうめえと思うが。」


「お姉ちゃんが人のこと褒めるなんて珍しいね〜でもその気持ちはわかるかな〜

 この、揚げ肉は多少油っこいけど、それよりも主張の強い香菜の香り、それに上手く調和された味がなんとも言えない感じでとても美味しいよ。しかもこの外側のサクサクなやつは肉の食感と相まって噛むたびに楽しませてくれて、美味しさも倍増してるね」


なんか、1人食レポしてくれてるんだけど。言ってること7割ぐらいしか分からないけど。


 まあ喜んでくれてるようで何よりだ。作り手冥利に尽きるってもんだな。


 みんながうまいうまいと言いながら食べているのを見ながら俺もまずは一口。


 うん。さっき味見した時はゆっくり味わうことはできなかったけど上手くできてるわ。揚げ加減も味の濃さ加減も。ちょうどいいね。


 そして、みんなが食べ終わって片付けも終わった頃、俺はライアと話していた。主に王国の中で何があったかだが。


 すると、唐突に


「蒼太、この辺りにいくつか人の気配があるが、お前が呼んだのか?」


おっと、どんなのかは知らんけど多分俺目的だよな。


「いや、呼んでないけど?ここに連れてきたのはあの3人だけだし」


「そうか、ではなぜそんなにニヤけているのだ?」


ニヤけてる?まさかの俺を狙ってくるという、テンプレ的な展開にワクワクしてるなかもな。


 いうても王国の兵士の可能性も…ないか。時間的にも暗いから偵察隊でもない限り、森には入らないだろうな。


「それで、どうするのだ?このまま放置するか?それとも追い返すか?今なら私があいつらを狩ってきてもいいぞ。」


 まあ結構恐れられてるみたいだし、脅かすぐらいで逃げていくかもな。あと暗いし。


「じゃ、脅かしてくるぐらいでいいよ。少なくとも今は夜だし、明かりもない状態で戦うのは相手側が不利だから多分逃げていくと思うよ。」


「わかった。それでは行ってくる。」


ライアはそう言って出かけて行った。


 俺はというと椅子に腰掛けてゆらゆらまったりしていた。あの前後に揺れるタイプの椅子な?


 …えっ?ライアが動いてるんだからお前も動けって?いやいや、俺は日中ずっと動いてたし、明日からすることを予定として頭ん中で立ててるんだよ。


 よし、大体の予定は立てれた。さっきの説明までの間、たったの30秒。たりめーだろ。紙に書くわけでもないんだから。


 特に意味もなく立ち上がると、ライアが戻ってきた。


「おかえり。どんな感じだった?」


「ああ、あいつらは身なりからしてこの国のものであったな。だが、どういうわけか、血の気が盛んでな、中々怯まなかったのだよ。少し唸りを強くしたら逃げて行ったがな。」


「わかった。ありがとう。多分、そいつらはゼリージさんが言っていた内通者だと思う。」


「なぜそやつらがここにきたのだ?明らかに関係ないではないか。」


「ええとね、ゼリージさんに内通者を見つけたら教えてくれという情報をもらったんだ。すると当然、俺は王城外で探すと思うだろ?探す人数が増えればその分見つかるリスクは高くなる。


 だから、俺が動き出すより先にやってしまおうという考えだと思うよ。」


「そやつら、そのゼリージとやらの思い通りに動いてる時点で単純だな。蒼汰にも読まれているしな。」


まあ完全にラノベとか漫画とかの展開からつなげて予想しただけだけど。


「おっと、蒼太、明日も何かするのだろう?そろそろ寝なくていいのか?」


「たしかに明日することはあるけど、わざわざ言わなくてもいいからな?寝るけども。」


おい?なぜに今鼻で笑った?やめいやめい、微笑ましいものを見る目つきで見るな。気恥ずかしいわもう。


「それじゃあ俺は寝るよ。おやすみ。」


「ああ、おやすみ。」


 俺はライアにそう言って部屋に行く。


 部屋に入りベッドへとだあいぶ。


 枕に頭を乗せた瞬間、意識は沈んでいったのであった…



 そこは楽園であった。否、楽園のようであった。


 そこにいる民たちは皆、姿は違えど、服装、動き、表情、果てには呼吸までも同じであった。


 皆は笑顔を貼り付けたまま虚ろな目でただ口を揃えてこう言う。


『嗚呼神様神様私たちに幸福をありがとう生活をありがとう命をありがとう労働をありがとう今日も立派な生贄が育ちましたこの命を天へと還すとき私たちは救われます』

と。


 そう何回も何回も何回も。1人も一言一句違わず、一呼吸も置かず。ただただ機械的に。


 しかし1人に気づかれてしまった。すると、全員が一斉にこちらを向き、×××に一歩一歩、訓練された兵士のように、足並み揃えて近づいてくる。笑顔で何かを呟きながら。


 ×××が何を呟いているのか耳を凝らしてみると


『見つけた1人。逆らう1人。信じぬ1人。今なら間に合う信じる1人。今なら信じる1人。なれぬなら贄へと1人。どうするか。』


 と問いかけていた。しかし、×××は腰を抜かしてしまって動けない。


『問いはあなた。答えぬはあなた。信じぬはあなた。贄はあなた。信じるか信じぬかさあ答えよ。』


 集団はドンドン×××に近づいてくる。


 しかし×××は動けるはずもなくただ涙目になって呆然とするばかりだ。


 ついに集団が×××をつかもうとした途端、急に辺りが光り出し、光が収まると×××はいなくなっていた。


 集団はまた元の場所に戻り、


『嗚呼神様神様私たちに幸福をありがとう生活をありがとう命をありがとう労働をありがとう今日も立派な生贄が育ちましたこの命を天へと還すとき私たちは救われます』


と、繰り返していた。次の食事の時間まで繰り返し繰り返し……



 ファァァ、よく寝たわ。まだ気温が頭より低い感じだからまだ早朝だな。寝違えたかな?首が痛え。


 俺が起きあがろうとすると、俺の上に何かが、いや誰かがいた。


 そいつは俺より少し小さいぐらいの身長のようだった。そして、綺麗な銀髪をしていた。もうね、太陽の光が反射して眩しいレベル。


 俺は寝ぼけ頭ながらそいつをとりあえずどかして顔を洗いに川へと行く。なんとなく桶に水を貯めてってより、川で洗った方が雰囲気出ていいんだよなあ。……この川に菌がいないことを祈っとこ。今更すぎるが。


 …で?あいつ誰?ちょっと怖くなってきたんだが。


 俺は再び部屋へ戻り、そいつの姿を確認する。うん、分からん。明らかに昨日連れてきた2人のどっちにも体格があっていないしなあ。ちなみに女性な。


 4人中4人ともこの人よりは身長低いし。


 まあ起きてから聞くか。まずは着替えよ。


 俺が着替えようと服を脱いだところで、


「んむう…もう朝…?」


と可愛らしい声が聞こえた。


 俺は服を着ながら話しかけてみる。


「思いっきり朝だけどぐっすり眠れたか?」


「うん…ぐっすり……zzz」


二度寝突入!!これは起こす必要がありますね。しかも寝ぼけてるなこれは。


「おーい、起きろー。よく分からん誰かさん。」


「あと5時間だけ……」


「二度寝の域よ。ってか、お前誰だよ?」


と、聞くと、パッと起き上がり、目を見開く。宝石のような煌々とした赤だな。


「…あれ?なんでこの姿……?」


うんなんか呟いてる?


「ごめんなんて言った?」


「ううん、なんでもないです……」


?なんか隠してるように見えるが…まあいいや。


「なんでここにいたんだ?そもそも誰だよ?」


「あ、えと、なんか迷い込んだみたいです。さよなら!!」


そう言って窓から飛び出して行った。


 なんだったんだろ?なんか腑に落ちない感じがするけどな。こう、出かかってるけど出てこない感じ。


 まあなんで知らない人が俺の上で寝てたのかが気になるけど、それにあまり驚かなかった自分もいるんだよなあ。そこ含めてなんか引っかかるものがあるんだよな…


 まあまあ、それはそうと朝飯を作りますか。


 

 リビングに行くと、まだみんな起きてないようで静まり返っていた。なんか珍し。ここに1人でいることなんてなかったから新鮮だけどな。


 さて、何を作るか…ここは朝飯らしくチャーハンと行きますか!…冗談です。


 相変わらず1人でどうでもいいことを考えておりますけども、『トッグ』というイノシシさんの豚肉がありますのでそれを使っていきたいと思います。


 朝だから…味噌汁とかも合わせたいよな。


 豚肉と味噌汁合わせて豚汁。オッケーこれにしようや。


 よしじゃあ早速作るか。


 まずは肉を一口大にカット。指を鳴らせばこの通り簡単にできました。


 次にキャジン。を切る前にお湯を沸かしておく。さて、買っていきましょう。


 キャジンはまんまにんじんなんでいちょう切りにしていきます。


 まずキャジンを半分にカット。その半分にカットしたキャジンをさらに半分にカットします。そこから長い方から順に5ミリ幅になるぐらいで切っていく。まあその過程は飛ばしますけども。


 その後もごぼうもどきをささがきにして細く切っていったり、キャジャを一口大に切ったりした。


 それら全てをお湯へとドーン(省略しました)


 大体火が通った頃に生姜もどきをぶち込んでもう少し煮込んだら火を止めて仕上げの味噌をと。


 味噌を入れたらもう一煮立ちさせて完成っと。


 一口味見…うん、うまい。


 だけどなあちゃんと出汁も入れたいよなあ昆布とかの。あと、こんにゃくも欲しかった。そもそも売られてなかったから仕方ないんだけど。


 俺はみんな分を器に豚汁を注ぎ、食卓に並べる。


 さて、ディガとレサとロサとアリサを起こさないとな。動物たちはみんな起きてきたし。


 俺はまずはアリサを起こしに行く。アリサの部屋の前でドアをノックし、入る。


 ぐっすり寝てんなあ。


 俺はアリサを軽く揺さぶり、起こす。


 するとすぐにうなり声みたいなものを上げながらアリサの目が開く。


「おはよう、ソータ。もしかしてご飯?」


「おはよう。ご飯ができたから呼びにきたんだ。」


「わかった。すぐ行く。」


アリサが起きたことだし、他の3人も起こすか。


 まずは…ディガからかな。


 ディガの部屋に行き、ノックしてから入ると、ディガは大きないびきをかきながら寝てた。というより部屋がかなり散らかってるんだが…


 まあ、ディガを起こそう。


「おーい?ディガ?起きろー。」


「あと1分だけ…」


1分なら許容できるかな。しなくていいか。


「ほら、飯ができたから早よ起きて。飯抜きなるで。」


すると、ディガはガバッと起き上がり、


「わかった。起きる起きる、すぐ行くから待っとけよ?」


よかった。やっと起きたな。目は開いてないが。


 さて、もう奥から起こしていくか。


 だから…レサだな。


 レサの部屋に行き…(以下略)


 中に入ると、まるで映画に出てくるマッドサイエンティストが人体実験でも行ってそうな部屋になっていた。


 というか、おきてるね。うん。


「レサ?飯できたから呼びにきたけど…」


するとレサが振り向き、


「朝はいらん!朝はいつも私が持ってきたやつを食うからな。」


そういうレサは髪の毛が紫色になっていて、左目が黄色になっていた。


「ダメだよ、お姉ちゃん。いつも言ってるけど、サプリだけじゃ足りないって言ってるでしょ。ソータがご飯作ってくれたんだからそっちを食べた方が体のためだよ。ほら、体壊したらお姉ちゃんの好きな研究もできなかったでしょ?」


ふっ、俺に気づかれず背後をとるとはな。さすがだ。


 いつのまにか俺の後ろに立っていたロサがレサに忠告していた。


「ちっ、わーったって。だが、飯はここにもってこい。まだ気になることがあるからな。」


「まーたそう言って。そうやって今回もサプリで済まそうとしてるでしょ。ちゃんと部屋から出て食べてもらうよ。ほら行くよ。」


「あーもう、しゃあねえな。行ってやるよ。」


なんだかんだでレサってロサの言うこと聞いてるんだよなあ。


 そのまま3人でリビングに行くとみんな揃っていた。


 俺たちは席に着き、食べ始める。


 みんな気に入ってくれたみたいで良かった。


「そういや、ソータ、材料ってどこにあるんだ?よかったら飯食ったら教えてくれねえか?」


 確かにそうだな。生産職は材料がないとどうしようもないもんな。


「わかった。」


 

 飯を食べ終わり、片付けも終わって、ディガに色々置いてある倉庫に連れて行った。


 あ、この前色々作ってそのまま材料を切らしてるんだったわ。


「一応ここなんだけど…材料が今あまりないんだよね。今日取りに行くわ。」


「え、いやちょっと待て。取りに行くって言ったか?買いに行くじゃなくて?」


あー、そういう鉱山資源とかは普通は国が管理してるか。


「まあこの近くに鉱山があってね。なんなら行ってみる?」


「見れるなら見てみたいが…」


「よしじゃあ行こう。今すぐに」


するとディガは顔を輝かせ、


「いいな!それ。早速行こうぜ!」


と言っていく気満々である。よほど気になるっぽいな。


 俺は出かける時のいつものものを持って、ディガと共に出発する。一応ライアには言っといたから、大丈夫だとは思うけど…


 鉱山に着くと、ディガが何やら興奮していた。


「すげえ!!これがアラガン鉱石の原石か!!しかも、キルス鉱石まであるじゃんかよ!かなりいろんなものを作れるぞここにあるものだけでな!」


うんうん、ちょっと分からないけど、その驚いた表情だけで十分だ。


「なあソータ、そこにある扉?みたいなのは何だ?」


いやいや、ディガくん何を言い出すかと思えば。扉?んなもん作ってないからあるわけ......なんてテンプレ的なつなぎをしたけれども。あるね扉。しかも地面に。埋まってるね。


「知らん。っていうか俺も今始めて気がついた。」


「マジか。じゃあ、ちょっと開けてみようぜ。」


そう言って扉の取っ手に手をかけ、思いっきり力を込めていた。顔が赤くなるほど。


「だめだ。上がらん。ソータ、お前開けられるか?」


「多分無理じゃないかな?ディガのほうが体格いいんだし。」


「いや、レベル差があんだろ。お前ならいけるって。」


まあそこまで言うならやってみるけども。


 俺は扉に手をかけ、思いっきり引っ張る。ドアが外れて吹っ飛んでいった。


 スキルの存在忘れてたわ....ディガが目を丸くしてるし。


 扉が外れた先には下へと降りる階段が続いていた。


 そこで、驚きから開放されたディガが


「どうする?入ってみるか?」


と訪ねてきた。


 俺の答えは......


「もちろん!入ってみようぜ。なんかいいものがあるかも。」


と、洞窟探検に出かける子供のごとく目を輝かせて中へと躊躇なく足を踏み入れる。


「さあ、この階段の先はどこへと繋がっているのか。冒険の始まりだな。」


「まあ、短かったら逆に面白いがな。」


そんなわけで行ってみよう!何があるんだろう?楽しみだ。


 いかがでしたでしょうか?今回は謎の奥へと続く階段が...どうなっていくのでしょう?はたして、階段の先にあるものとは...?次回以降をお楽しみに。


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 それでは、また次回お会いしましょう。

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