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ちょっと怖いって(怖いです)

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 とりあえずゼリージさんにコンタクトを取る方法は分からないけど、まあ今度機会があるときにでも聞いてみよう。


 まずはソファーで眠っているアリサを起こして...あれ?


 とりあえず俺は虚空(・・)に向かって声を掛ける。


「アリサ、何で『偽装』を使っているのかな?」


そう、『偽装』をアリサはなぜか使っていたのだ。そして、何で偽装を使っていたかが分かるのかというと、『偽装』を使って存在自体を『偽装』しているときは分かりやすいように爪にネイルをさせるように決めたからだ。そうすれば『回復粉』の無駄遣いやもしものことがあった時にスムーズに対応できるようにすることができるのだ。


 あ、あと『回復粉』はこの前に色々と実験したんだけど、まず、傷が治るのは当然として、俺のスキルを使って作った道具に刃こぼれとかも治るのかと思い、かけてみると、なぜか元の材料に戻ってしまった。


 さらに、アリサが『偽装』で作り出した自分にもかけると前と同じくその姿がなくなったのだ。


 ここから考えられることは『回復粉』は傷を癒すだけでなくスキルの解除もできるのではないかということだ。もしもスキルの効果自体が『状態異常』となっていってその効果を打ち消すものであると考えたんだ。


 それからも色々と試していたんだけど、ほぼほぼ確証に近い結果になったで。


 ...とまあ、話がそれてしまったが、何故アリサがわざわざ『偽装』を使っていたのかというと、


「あの3人にはみんな、うまく言葉にできないけど、違和感があった。だからすこし様子をうかがってた。まあ違和感の正体はつかめなかったんだけどね。」


とのことです。現場からは以上です。


 ...違和感って何だろ?直感的なものが何かを告げようとしてんのかな?俺だったら直感的に『あ、次引くガチャ、これ当たるな。』みたいに感じて思いっきしはずすんだけど...俗にいう霊感的なものなのかな?


 まあ、俺には何も分からなかったし、説明が難しいってんなら俺が考えてもどうしようもないが。



 俺たちはあの3人が戻るまで待っていた。


 そして、まず最初にディガが戻ってきた。


「あん?レサとロサはまだなのか?」


その問いにはアリサ(サラ)が答えた。


「まだ来てないけど...あの二人と仲でもいいの?」


「あ?何でだよ?別に良くも悪くもねえが...」


「いや、名前呼びしてたからよ。」


「別に、あいつらが名前で呼んでいいって言ってたんだからそう言ってるだけだぞ。...ま、何だかんだで1年ぐらいは寝るときと飯食う時以外は大体一緒に過ごしてはいたかな。


 なんでもここで色々と教えられてたんだが、問題児だなんだ言われて一緒の所に放り込まれたからなんだが。一つ心当たりがあるが、あいつらにもあるかは分からねえ。


 あ~、思い出したらあの施設の奴ら、マジでイラッてくる連中だなあ!」


「落ち着け。落ち着け。ここでイラついてもどうにもならんて。」


急に大声出すからちょっとびっくりしたし。


すると、ディガは深呼吸をし、


「......ふう、そうだな。目の前にいねえ奴にキレてもただのダセえやつだからな。」


深呼吸をして心を落ち着けるってタイプなのかな?今度俺もやってみよ。思ってるよりも心を落ち着かせるのには効果があるかもな。


 すると、俺の視線に気づいた様子のディガが


「ああ、今のは俺のじいちゃんから教えてもらった方法だ。いつも俺と親父は怒りやすいからな、じいちゃんに心を保たせる方法を聞いたんだ。」


 あ、そゆこと。まあ、そういうのは結局は気の...いや、なんだか水を差すようだから言わないでおこっと。


 そこでディガはとあることに気が付いた。


「そういや、お前ら二人の名前を聞いてなかったな。」


あ、そういや言ってなかったな。


「あたしの名前はアリサよ。これからよろしくね?」


おっと、一足先に言われてしまったか。じゃあ俺も


「俺はソータ。まあ、これから君らを雇うっていう立場にはなるけど、気兼ねなく接してほしい。改めてよろしく。」


ディガは満面の笑みで


「アリサとソータだな。よろしくな。これから分からないことがあったら言ってくれ。逆に困ってたら助けてくれよな。」


......あ、一番接しやすいかも。同性ってこともあると思うけど。


「そういや、ソータってその感じなら多分冒険者だよな?どんな武器使ってんだ?」


「あいや、武器って言ってもそんなに使ってはいないよ。武器としては。一応、料理とか細かい作業をしやすいようにナイフにしてるけど...結局は問題なく併用で来てるから....」


なんだ?どんどんディガの顔が曇っていくぞ?


「...それじゃだめだ。ソータ!お前は道具というのが分かっていない!」


「えーと、なんか変なこと言った?」


「おかしなことしか言ってねえだろうが!そもそも道具が作られた目的が分かっちゃいねえ!


 いいか?ナイフってのはな、ここらじゃ特に材料の加工や解体するための道具だ。だから切れ味自体はいいが、もろい。そんなんでやってるとそれこそシャイン鉱石以上の強度の鉱石で作らないとすぐに壊れるぞ!」


「その鉱石でコーティングはしてるよ。」


「だめだ。コーティングぐらいじゃ。そりゃ強度自体は高くなるが切れ味自体は落ちる。


 いいか?武器として使うんならナイフよりも長剣あたりがいいぞ。ちょっと重いが、お前の体つきならすぐに使いこなせるようになるさ。」


「だから、別にナイフでも問題ないって...」


剣幕がすごい。気圧されるってレベルじゃねえな。おい。


「あん?じゃあいっぺん見せてみろ。どこの誰が打ったもんかは知らねえが、俺が作る剣より悪かったら承知しねえぞ。」


そう言って俺にナイフを見せるように言ってきた。それと、ちょっと離れたところで何か知らんがアリサはごにょごにょ言っている。


 ってか、俺が作ったナイフだけど、全く打ってはいないから、果たしてどんな反応なのやら....


 ディガは俺からナイフを受け取るとまじまじとナイフを見つめた。そして頭をひねったり、うなったりしている。


 もしかして、問題が多すぎて頭をひねってるとかじゃないよな?と、まるで数学の先生にプリントを丸付けされるような緊張感で待っていると、


「......なんだよこれ。誰が作ったんだ?」


と一言。あ~、そりゃ悪かったですよね。専門的な知識なんて一切持っていない私が作ったものなんて、ちゃんとこっちの鉱石とか常識を知っている人に比べれば全然ですよね。あれ?普通に失礼な言い方やな。


「なんか問題でも?一応、俺が作ったけど....」


「なんでそんな自信なさげなんだ!?ってかお前の師匠は誰だ!?」


「いや、師匠とかはいないけど...」


「ってことは自分でか?やべえな。ちょっと見た目が気になるが、強度、耐久力、切れ味、どれをとっても基本、アラガン鉱石とはちげえぞ。こんなん、アラガン鉱石もシャイン鉱石も矛盾したように聞こえるかもしれんが、加工しないで加工しないと不可能だぞ?火に一切当てずにな。」


一切熱さないで打ったらこんな風になるってことかな?まあ、確かにスキルを使ったら加工しないで加工できるって言えそうだけど。


「ちょっとスキルで作ったんだけど....」


すると、ナイフを見つめていたディガが首を傷めないか心配になるぐらいの勢いで、グリンと俺の方に顔を向けた。目が怖いです。若干血走っていて。


 そして、ディガは俺につかみかかるように


「いったいどんなスキルだ?どんなスキルかを教えてくれ!」


「ええと、手に持ったものを想像した形に作り替えられるって感じのスキルだよ。」


しかし、ディガは腑に落ちないように「ありえねえ。んなん聞いたこともねえぞ。」とつぶやいてる。


「なあ、スキルって基本的に1つしか存在しないのか?」


俺が声を掛けると、一度だけディガは深呼吸をし、


「あ?何言ってんだ?たくさんあるだろうがよ。」


...あ、聞き方の問題か。


「ごめん、ちょっと言い直すわ。スキルは1種類につき1つしかないのか?」


俺がそう問うと、ディガは少し考えこむ様子で


「確か...本でそんな感じの伝承を見た気がしなくもないが...どうだったかなあ...覚えてねえ。

 あ、さっきスキルのことを聞いた件についてだが、悪かったな。聞くのは良くなかったな。

 それと、いくら品質のいい道具でもちゃんとした使い方を知らないと壊す羽目になるからな?気をつけろよ?」


いや、別にいいんだけど...ディガがそう言ってるならそうした方がいいかな。


「同じスキルは同時に2つ以上存在することはないわ。」


うおっ!?びっくした。急にしゃべるから驚いたがな。あれ?ちょっとさっきとデジャヴ?


「え、じゃあ、そのスキルを持っている人が亡くなった場合はどうなるの?」


一応、これも気になっていたので聞いてみることにした。


 アリサは少し視線を上に向け、


「確か....確認されたことのある事例としてはその亡くなった人が持っていたスキルをしばらくして別の人が持っていたっていう事例があったの。それでも確認されてるのはほんの少しだけらしいわよ?ま、逆に過去に誰かが持ったことのないスキルを持っている人の割合の方が多いらしいわ。結局、スキルはどこから来るのか、どんな条件で獲得できるのか、それは今でも研究され続けてるらしいわ。」


...たしかに。なんとなく感じてはいたけどスキルを手に入れる方法とかは公になってはいなさそうだったからな。あと、やっぱり、むやみやたらにスキルのことは言わない方がよさそうだな。


 ...知らない可能性が高いなら余計に情報を探らせたらだめだと思うし。ふとした拍子に足をすくわれる羽目になりかねんからね。


「お~!確かにそんな話だったな!思い出させてくれてありがとよ。アリサ嬢」


「え...えっと、アリサ嬢...?」


そんな会話をし始めたころ、レサとロサが入ってきた。あれ?なんかさっきより髪色薄くね?気のせい?


「おら、荷物まとめてやったぞ!早くその家に案内しやがれ!こちとら気になることができたから、それの研究がして―んだよ。」


「あはは。ごめんね?お姉ちゃんはこんな感じで研究を邪魔されるといつもより口調が荒くなるんだ。」


いや、さっきとあんま変わんないと思うけど?


「あ、あと、ソータは気づいたみたいだけど、髪色が変わってるでしょ?これはね、時間によって変わるんだ。」


おっと、鋭いな。視線で気づくとは。


「おい、余計なこと言うな!」


「いいじゃん。これぐらい。余計ではないでしょ?今言っとかないで「だれ?」とかなっても僕は嫌だもん。」


「...はあ。好きにしろ。」


「僕たちは特殊体質でね、髪の毛の色が一日ごとに10時間ぐらいかけて変わるんだ。それと、目の色がね、僕は右目、お姉ちゃんは左目が一日ごとにランダムに変わるんだ。原因はまだわかってないってことで」


そう言って意味深に笑ったロサの口からはキラリとまるでナイフのような鋭くとがった犬歯がのぞいた。



 とりあえず、みんな揃ったってことで、ここを出て、家に戻るか。


 俺はドアの入り口に立っていた兵士の人に声を掛け、外に出してもらう。


「ソータ殿。国王様が次回会う時もよろしくとのことでした。」


軽いな。おい。確かに本人が気楽な方がいいって言ってたしな。


 俺たちは門を通り抜け、町の外の門に向かう。


 歩いている途中、俺がディガに質問攻めされたり、ディガがアリサに質問攻めしたりしていたが。


「おい、ロサ、これどこに向かってんだ?」


「あれれ?お姉ちゃん、話聞いてなかったのかな?」


「ちっ、っるせえな。いつもの事だろうが。」


「いつもの事ってわかってるんだったら、直した方がいいと僕は思うな~」


「余計な世話だっつーの。それで?どこに向かってんだ?」


「『ロームの森』だよ。そこにソータは住んでるらしいよー?」


「イかれてんのか。まあ、私たちも大概だが。」


「ね~、お互い様だよね。そこは。」


という会話も聞こえていたりしたが。仲いいなこの二人。ていうか息ぴったりやないか。まあ俺も地球にいた時は息ぴったりな奴はいたんだけどな。もう会えないと思う。あいつには悪いことしたなあ。


 でも今はどうすることもできんからどうしようもないんだけど。



 俺たちは『ロームの森』へと続く門を潜り抜け、更に奥へと足を踏み入れる。


 その際、後ろから


「なあ、ホントにここの奥に入っても大丈夫だよな?ここの動物に食われたりしないよな?」


と不安がっている人が一名。


「大丈夫でしょ。お姉ちゃんは心配性だなあ。そうやってお姉ちゃんが不安がっているのを見ると、かっわいいからそのまんまでいてほしいけどね。」


と不安がっている一名をなだめる者が一名。


「......この木...そこら中にあるのに、かなり品質いいぞ!すげえ。作り甲斐があるぜ!」


と、職人目線で興奮している輩が一名。


「いきなり叫ばないでほしいわ。びっくりするし。」


と、いつかの自分に言う必要があったことを言って興奮した輩に軽く引いている少女が一名。


 いやあ、ここにきて少ししか経ってないのにいろんな出会いがあるな。これから会うであろう人たちもこんないい人だといいな。...ま、いい人ばかりでないことだけは確かだけど。


 もちろん、人だけじゃなくて動物たちとの出会いも大切にするよ。


 今のうちにこの関係を大切にしておかないと...


 ......失ってからじゃ遅いからね。後悔が残るだけだし。


 そうしないためにも、できることをしてこれからも日々頑張っていこ。



 はてさて、蒼汰さんは新たな仲間が増えたようですね。


 見た感じと事前情報によると、3人とも一筋縄ではいかないようです。...まあ、蒼汰さんはその一筋縄ではいかない、絡まったものをほどく力があるので、心配には及びませんが。


 あ、どうしよう...ちょっとネタバレしちゃったかも。...ここはひとつ大目に見てくださいね。


 まあでも次回以降の予告?は大事ですよね。


 蒼汰さんはこれから新たな仲間たちと協力していくつものトラブルを解決して...あだっ!?


 私は頭に衝撃が加わり、変な声が出てしまいましたね。


 衝撃を加えてきた犯人である先輩は資料をもって呆れたような顔をしていました。


「いきなり何をするんですか?先輩!!」


「そりゃ、エルスがまた仕事をほっぽり出して奇行に走ってたからちょっと現実に戻してやろうと思ってな。」


「余計なお世話です!!」


「私に取っちゃあ、全然余計どころか、むしろ必要だと思うんだが?」


「じゃあ、必要ないと思います!」


「じゃあ、この前のあの件、誰が後始末をしてやったと思っている?」


「うっ、それは...すみません。」


すると、先輩はニコッと笑い、わたしの背中には冷や汗が流れ始めました。


「分かってくれたならそれでいい。さて、今回の奇行の件だが、どう説明する?」


目が笑ってないです!!正直に言わないとろくでもないことになるのは見えていますね。白状しましょう

「最近、私の出番が少ないなって思いまして。少しは出てきた方が面白くなるかなと思いまして...このま前、やっと出番が来たと思ったらちょっとだけでしたし。」


そこまでを聞いた先輩は私の肩をつかみ、


「そういうメタ発言できるお前の頭の方が面白いぞ。だからな、心配しないで仕事に取り掛かれ。」


はい...すみませんでした。今日はちゃんと真面目にやります....


「今日だけじゃない。せめて5日は真面目にやれ。」


あれえ!?思考読まれてる!?


「いや、お前がそんなメタ発言するならって思ってな。メタ発言できるならメタ的行動も取れるに決まっているだろう?つまりはそういうことだ。」


............以上、今後も蒼汰さんの活躍を陰ながら応援するわたくし、エルサでした。また次のきか...

「んなもんどうでもいいから、さっさとやれ。」


あれ?先輩、今日機嫌が悪いですね。


「だ・れ・の・せいだろうな?ああ?」


...それでは~。


「メタ発言もやめろよ~。」


 ......少し反省しておきましょう。


 いかがでしたでしょうか?今回は蒼汰のナイフにディガが驚いていたのが驚きでしたね。それと、エルスさんは相変わらずのサボりのようです。実は駄女がm......何がとは言いませんが、危ないので、これ以上言うのはやめておきましょ。(一瞬タヒを幻視したんだが。そんぐらい背筋が凍りました。はい。)


 さて、蒼汰はこれからどんな風に異世界生活を歩んでいくんでしょうね?僕自身も結構楽しくて仕方ないです。これからもぜひ読んでいってください!(今日はいつもよりなんかちょっとテンションが高いです)


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。


 それでは、また次回お会いしましょう。

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