色々あんなあ。(13日目~18日目飛ばして19日目)
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
アリサがここに来てからちょうど一週間ほどたった。
アリサも動物たちもお互いに慣れてきた。
今日も仲良く.....
「この椅子はあたしが座るからどいて!」
「なんだって!?ここは俺様が座ってるんだ!使いたければ力ずくで奪いな!」
「よし、なんて言ってるのかは分からないけど、嫌だって言ってることだけは分かるわよ?」
仲良く過ごしていた。うん。別に見なかったことにしようとかはないから。ここ二日は見た光景だなって思っただけ。
ちなみに、今二人が取り合ってる椅子はいわゆる『ロッキングチェア』だ。簡単に言うと、前後にゆらゆら揺れるイスだな。しかも複数人で吸われるタイプの。
今度、みんなで乗れる、かごタイプのブランコでも作ってみるか?
俺は手早く朝飯を作り、とりあえずイスの取り合いをしてる二人をなだめる。(準備はガルジェがやってくれている。)
「二人とも落ち着けって。見てみろ、リーズ達はみんなで仲良く使ってるぞ。それ以上けんかするなら使用禁止になるかもしれないけど、どうする?」
すると、二人はバッとすぐさま取り合いをやめた。そして、アドルが体を椅子の隅に寄せ、アリサを座らせた。
その様子を見た俺はにっこり笑い、
「うんうん、そうやって仲良くしとかないとね。」
と言った。流石俺だな。こうやって簡単に争いを止められる。HAHAHA!!
.....これでいいのだろうか。もっと別の止め方もあるよな?今度ちゃんと考えとこ。
それはそれとして、
「みんな、飯出来たぞ。」
そしてみんなは(ガルジェとアリサ以外)いつも通りドタバタと....(以下略)
みんなが席に着いたところで、それぞれ「いただきます。」と口にしてから食べ始めていた。
なんでみんながいただきます。と言い始めたのかは原因って言ったら、聞こえが悪いかもしれないが、ファイガにある。
ファイガが俺の真似をして「いただきます」って言い始めたから、みんなもそれに自然に合わせていったって感じ。もはや末っ子補正。
俺も食べ始めるのだが、(もちろん言いました。)今日の朝飯もうまくできてる。
ちなみに今日は卵焼きと千切りしたキャジャと生姜焼きモドキだ。
調味料が思ってたよりも豊富でかなりのレパートリーがあった。しかも、どれも味が日本で売られてる調味料と変わらなかった。
プラス、一度開けてもずっとかは分からないが、痛む心配が絶対にないという。助かるわー。調味料が痛んだら料理どころではなくなるからな。というか、調味料類はカビと湿気に気をつけろってこったな。
だけど、一つ気になったことがあって、それが、調味料の見た目と味が完全一致することだ。
一番わかりやすいのがこのケチャップモドキで、見た目通り味もケチャップだ。名前は分からなかった。
それは当たり前だと思うだろう。しかし、この世界のトマトの味がするものは完全真っ黒なだけのトマトである、『トメイト』だけだ。
もちろん、自分でも『トメイト』を使って料理を作っても黒くなった。
一体どんな製法になっているのだろうか。謎である。でも、調味料は間違わないにこしたことないしな。
ちなみに今日の朝飯がなんで生姜焼きモドキなのかというと、見た目ゴボウな味・香り・食感がショウガだったから、ショウガモドキと呼んでいるのだ。実際の名前は『メシノカオリタカクナリマツルデゴザロウ』という色々とツッコみたい名前だが、明らかに長すぎるためさすがにショウガモドキと呼ぶことにした。
みんなもこの飯には満足した様子で、アリサも、
「この薬味がこんな感じでおいしくなるなんて知らなかったわ。.....すごいおいしい。」
とのことだった。.....最後のはアリサになってたな?今。...というか、こっちでも薬味なんだ。ショウガは。(味がね?)
俺たちは朝飯を食べ終わり、食器類を片付けるのだが、その際、
「そういえば、ソータ、今日は何作ろうとしてるの?やっぱり家具?それともあの失敗してた武器?」
こうやって聞いてくるのだ。まあ、その方がただただボーっと一日を過ごすよりはいいし、こうやって近くに急かしてくれる存在がいると、結構アイディアが浮かんでくるんだよ。
あ、失敗してた武器ってのは前に作った、「銃(笑)」のことな?あれはまず何かに引っ掛かって引き金が引けなかったし、手元で爆発が起こって、やめることにした。危険だからな。
やっぱり、そういう危険物を扱う系の物はちゃんと専門の人がいないとだめだな。......この世界に専門家的な人がいるのかがわからんが。
さて、話は戻すが、今日は何作ろうかな.....?
何かスキルの組み合わせで作れそうなもの......道具だよなあ。
あ、一つ思いついた!もしかしたらさあ、『冒険者証明書』に書かれていないことでもスキルの組み合わせ出来るんじゃないか?
だって、一つ、組み合わせられるスキルがあるんやで?ってことはその可能性がかなり高いよな?
よっしゃ、試作でもいいから作るか!
「何か思いついた顔してるわね。」
「ああ、作れたらかなり便利なものを思いついたんだ。......というか、何で何か思いついたってわかったんだ?」
「顔に出てるからよ。いい案が思いついたときとか、あたしたちを驚かそうと企んでるときとかは表情が緩んでいつも以上に楽しそうな顔してるもの。」
なるほど。そんな癖あったのか。知らんかった。
「.........あっ!!ソータ、急いで出かける準備しないと!」
「えっ?いや、急にどうした?どこに出かける準備?」
「リスタイル王国よ!ちょうど約束の1週間がたったでしょ?だから行かないと。」
やべえ、かんっぜんに忘れてたわ。
とりあえず、持って行くものは.....そんなないな。一応、お金と圧縮した木の棒とナイフを一応持って行くか。何が起こるかもわからなんだし。あ、あとゼリージさんの手紙もね。
早速行こう。アリサも呼んでいるようだし。
「早く行かないと、どんな目で兵士ににらまれるか分からないわよ?」
あっ、急ぎましょう。
俺とアリサはみんなに出かけることを伝え、昼食はガルジェに作ってもらうように伝えておいた。
ガルジェはこの一週間でかなり料理の腕が上達していた。呑み込みが早いんじゃ。
俺の前でだったが、ハンバーグを作れるようになったのだ。肉塊からミンチにするところから、焼くところまで。火加減の調節はまだ難しいらしいが、アリサに(というかサラに)教わってるからそれもそのうちに調節が完璧になるのかもしれない。
とりあえず、昼ごはんは、まあ任せられるレベルだから、任せるとしよう。
もしもやけどした時の対処法とか、最悪『回復粉』を渡してるから大丈夫だな。もし、失敗してもみんな大目に見てくれるだろう。
そんなわけで、リスタイル王国へとやってきました。門番さんに『冒険者証明書』を確認してもらい、門をくぐって中に入る。
そして、真っ先に向かいますは......『調味料あるよ。色々あるよ。』さんですね。
いやあ、気づいたらね、しょうゆモドキとみりんモドキとケチャップモドキとマヨネーズモドキがなくなるから、結構多めに買おうと思いましてね?忘れないうちってのは大事だから。あと、砂糖もね。
だから、目的を見失ってるって訳じゃないから。言い訳するつもりも、言い訳するわけもないけど、目的は調味料を追加で......ちゃうちゃうちゃう。ゼリージさんに呼ばれてて、王城に行くことだから。
「いらっしゃい!!あれ?この前のお兄ちゃんだ!今日は何を買いに来たの!?」
あれ?二度目だからか、そんなにうるさく感じないぞ?
ちな、アリサは何か買っておきたいものがあるってことでどこかへ行ってしまった。一応、そんなかかるわけじゃないから、また30分後って言ってたけどね。
俺は調味料を一つ一つ指さしながら、
「今日は、あれと、あれと、あれと、あれとあれを5つぐらいずつください。」
「お兄ちゃん、あれじゃわかんないよ。届かないからお兄ちゃんがここに持ってきてくれる?ちょっとお母さん呼んでくる!」
走っていったな。瓶類が多いのに、危ないと思うんだが。ま、そこら辺の注意とかは親の仕事だからな。俺が口出しする必要はないわな。
それぞれ調味料を5つ持ってきて置いたところで、ちょうど店主さんが来た。
「ああ、あのお兄ちゃんってお客さんの事でしたか。本日は何を.....」
置かれた調味料の量に目を丸くしてるな。
「ここに置いたやつを全部ください。結構、消費頻度が多くて。」
「......気に言っていただけたならよかったです。少し待っててくださいね。」
前と同じようにメモ帳を取り出し、値段を計算し、
「全部で7300サルサです。」
俺はお金を渡し、いつの間にか紙袋に詰めてくれてた息子君から紙袋を受け取り、お礼を言って店を出た。
出るとき、視界の端に二人がハイタッチしてたように見えたが...気のせいかな?まあいいや。
それじゃ、集合場所に行くとしますか。
集合場所に来たが、まだアリサは来ていないようだ。
暇なので、さっき買った調味料をそれぞれ一つにまとめておいた。
......大分コンパクトになったな。
「ソータぁ!お待たせー!」
お、ちょうど来たな。アリサは俺がカバンにさっきまとめたものを仕舞っているのを見ると、
「もしかして、待った?」
と聞いてきた。
お、来ましたねえ。テンプレな質問。こんなん、もう、ね?
「待ったぞ。それこそ10分ぐらい。暇だったから調味料を一つにまとめてたんだ。まあ、そのおかげでかなりコンパクトになったけどな。だから、待ってたとかは気にしないでいいよ。」
ふっ、俺は蒼汰。テンプレなどお構いなしに自分の言いたいことを言う。ただそれだけだ。
俺から何かを感じ取ったのか、アリサは苦笑いしながら、
「じゃあ、そうするわ。それじゃ、本来の目的地に行きましょう?」
「おけ。んじゃ、レッツゴー。」
「なにそれ。」
「出発するときの掛け声みたいなもんだよ。」
「あ、うん。説明ありがと。」
城に着いたな。おっ、ウルガさんが手を振ってくれてる。暇なのか?
「こんにちは、ウルガさん。今日はお仕事は休みですか?」
「そうですねえ。今日は5日ほど休みを頂いたので、装備などは預けて実家に顔を出してみようかなって。」
「そうなんですか?俺はちょうど今から、ゼリージさんに呼ばれたので、会いに行くところです。」
「そうでしたね。そういえば。......それじゃあ、僕はこれで。多分今、国王様は城内で一つ問題が起きたから少し気が立ってるかもしれませんので、そこは覚えておいてください。」
と、そこで俺の陰に隠れていた(というより俺が前にいて姿が隠れていただけだが。)アリサに気が付いたようで、
「あれ?ソータさん?この子って、前来たときはいなかったですよね?」
「ああ、この子はアリサって言って....」
待ったがかけられた。もちろんかけたのはアリサだ。
「ちょっと待って。ソータ。自己紹介ぐらいは自分でできるわよ。」
そうか。それならいいか。
「ウルガさん......って言ったわよね?あたしはアリサ。冒険者やってるだけの12歳よ。(あたしは違うけどね。)こう見えてあなたよりも強いから。侮らないでよね。」
それを聞いたウルガさんは絶妙に微妙な苦笑いを浮かべた。うん。ウルガさんの気持ちは分かる。初対面で、いきなりお前よりも強いって言われるのは明らかおかしいもんな。俺も言われたから。
だが、そこはちゃんと兵士なのか、
「自分はリスタイル王国兵士ウルガと申します。以降お見知りおきを。」
「堅っ苦しいわね。もっと楽な感じでいいのに....」
ウルガさんが一瞬スンとなった。だが、すぐに取り繕い、
「すみませんねえ。これは癖なので、あんまり気にしないでいただけると助かります。」
「ふーん。そういうことにしておくわ。そんなんだから、この国の兵士はみんな弱っちいのよ。まあ、帝国の舞い上がってる連中よりはマシだけど。ロームの森を訓練の場にできない時点でまず駄目ね。
あ、ごめんなさいね?別に馬鹿にするつもりはなかったのだけれどね?
スキルの一つも取れないようじゃあね?ってことよ。」
あの、アリサ...いや、サラさん?何でそんな煽るようなことをおっしゃってるのですか?しかもかなり性能高めだと思いますよ。ウルガさんも結構イラってきた感じですしね?今もうつむいてますし。
「......『スキルの一つも取れないようじゃあ』....って言いましたけど、僕にはそんな才能なんてありませんよ。」
あ、違ったね。シンプルに悔しがってただけだった。
「才能のない僕が何をしても無駄ですよ。どうせ、何をしたところで何もうまくいかないんですから。」
あらぁ、やらかしたっぽいな。サラさん。流石に煽りすぎだったかもな。
俺にどうすればいいってみた来るんだったら、反省してくれ。
しゃあない。フォローしてやるか。
「あの~、ウルガさん?さっき才能がないからどうとか言ってましたよね?」
「はい、言いましたけど....『才能があるから大丈夫』みたいなことを言ってくれるとは思いますけど、お世辞でもそう言ってもらえると嬉しいですよ?」
いや、言って?みたいな風に言うなや。しかも、
「そんなことを言うつもりは全くないですよ?むしろ逆です。ウルガさん、あなたは才能なんてないですよ?」
「はは、そうですよね。分かってました....はあ。」
「最後まで聞いてくださいよ。
そもそも最初は誰であっても『才能』なんて持ってないですよ?唯一持っているのは『素質』です。
その『素質』がある事がきっかけで自分が努力で来たときに『才能』になります。ですが、周りは結果だけを見て天才だの、才能の塊だのともてはやします。
それはつまり、『過程』が見えていないということです。何事も『過程』がなければ『結果』はあり得ません。それは逆を言えば、過程さえしっかりしていれば必ず『結果』が出るということです。
そこで初めて『才能』と呼ばれるものになります。
だから、落ち込まないでください。『才能』は結局、努力や素質の問題なので。」
「ですが、素質がなかった場合は....?」
「そこを努力で補うんですよ?素質が0なんてことは絶対にないです。0じゃなかったらいくらでも伸ばせます。たとえ素質が1でも『才能』は100にも1000にも成るということです。」
それを聞いたウルガさんはしばらく考え込み、
「.........ソータさん、ありがとうございました。まずは自分にできることを頑張ってみます。アリサちゃん...「ちゃん?」さんもありがとうございました。おかげで自分を見直すことができました。
それでは僕はそろそろ行きますね。また今度お会いしましょう。」
行っちゃった.....何か憑き物が落ちたような感じだったけど、これで合っていただろうか。まあ、持論を話しただけだから正解も不正解もないんだけど。
まだ何か気にしている様子のアリサに
「アリサ?別に気にしなくていいと思うぞ。今度から気をつけてくれればそれで。」
「でも、あたしがあの人を傷付けちゃったかもしれないし....」
「じゃあ聞くが、それはわざとやったのか?」
「それは.....違うけど.....」
「ならそれこそ次、気をつければいいだろ。」
それから少しの間アリサは考えている様子だったが、考えがまとまったのか、
「今度、あの人に会ったら謝ることにするわ。............それじゃ、中に入りましょ。」
うんそれでいいと思うよ。
んじゃ、入りましょうか。
いかがでしたでしょうか?今回はいきなりあれから1週間がたちました。その1週間は特に何事もなく過ごしていたようです。
さて、今回から3章に突入したわけですが、現状、どこまで続くのかが見えてないんですよね。一応、ストーリーの構成等は決まってるので、楽しく読んでいただけると幸いです。
次回の投稿も来週の金曜日の予定です※都合上、遅れてしまう可能性があります。
それでは、また次回お会いしましょう。




