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ありがとうございました!任せてください!

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

 俺はチェックしておいた最後の店に来た。


 そこは『調味料あるよ。色々あるよ。』と看板に書かれてあった店だった。


 これは....ネーミングセンスの問題か、小さい子供がつけたか、適当に名前を付けたかのどれかっぽい気がするのだが....


 って、んなこたあ気にせんでいいんですわ。問題はどんな調味料を取り扱っているかによるよな。


 さっきチラッと見た時は結構な量の調味料らしきものは見えたが、実際どんな調味料があるのかは分からないから、見てみるとしよう。


 俺はドアを開ける。そうすると聞こえてくる鈴の音。そして、中にいた店員らしき人の


「いらっしゃい!今日は何を買いたいんだ!?」


という声。正直うるせえ。元気すぎ。しかも『今日は』とかじゃなくて、初めて来たんだが....


 決めた。うん。いつも通りでいこう。多少うるさくても許容範囲にしておこう。しかも子供だから、お手伝いとかそんな感じだろう。


「今日はいろいろと料理を作るための調味料を買いに来ました。」


俺がそう伝えその子に伝えると、その子は、


「おお、それはいいな!待ってろ!すぐにいろいろ持ってきてやるからな!」


と言って、駆け出して行った。店の中でも元気なんやなあ。


 しばらくして、さっきの子がたくさんの瓶に入った様々なものを机に置き、またどこかへ行って、それからさらにしばらくして、その子の親らしき人が来た。この人が店主さんかな?


「本日はどのようなものをお探しでしょうか?一応、この店の物全種類うちの子が持ってきたみたいなんですけど....」


そういわれてもなあ。見た目と味が違うんじゃ、どうしようもできないからなあ。


 .....そうだ。この手がある!


「すみません、これを1つずつ全種類買った場合はいくらぐらいになりますかね?」


「全種類ですか?ええと......大体ですが、32000サルサほどかと.....何せ、貴重な調味料もありますので.....」


おお、それぐらいなら一つずつ買っても問題ないな。


「じゃあ、それでお願いします。」


「分かりました。」


そして、店主さんと思わしき人はテーブルの下からか、メモ帳を取り出して、値段を計算していた。流石に一つずつとはいえ、全種類だと量も多くなるしな。


 その間、その店主の息子が紙袋に勝った商品を詰め込んでいた。


 しばらくして、店主さんは、


「計算が間違っていなければ、全部で32500サルサです。」


俺は金額分の金を渡し、紙袋を受け取った。


 俺は店のドアに向かって歩き、ドアを開け、出るところで、


「ありがとうございました、いい買い物ができましたよ。」


とお礼を伝えた。すると、逆に店主さんが


「いえいえ、こちらこそ。今後もぜひ個々の商品を買っていってくださいね。調味料の味には自信がありますので。」


と、俺に自慢気な、そして、驚くだろうという、いたずら心がありそうなちょっと無邪気な表情がうかがえた。


 俺は店を出て、宿に向かう。気が付けば日が傾き始めていたため、少し速足で戻る。


 というか、肩的には問題ないのだが、多めに肉を買ったせいか、ずっしりに感じる。気持ちの問題だが。


 ......さて、宿についたわけだが、まだアリサの姿は見えない。だから、買ったものを使って何かしら作っといて待つか。


 まずは......食べ物とそれ以外を分けるための袋を作らないとな。ついでにもう一つぐらい大きめのバッグでも作ろ。


 俺は買った布のうち、特に丈夫な布を持って、ビニール袋の形を想像する。これにより、大きい袋が一つできて、容量も大きいから、肉と野菜類を袋に移し替える。


 これで布に匂いが移る心配や、濡れる心配もなくなったな。


 次は、バッグだな。これは今持ってきてるバッグより一回り小さくする。これは、ちょっとしたものを買い物をするときとかに使ったり、鉱石を取ってくるときとかに使う予定だ。大きいほうは買い物を多くするときとか、どこか、遠くに出かける必要があるときとかに使っていこう。


 あ、あと、水筒も作らないと思ってたから、バッグのサイドに水筒を入れる場所を作ろう。.....いや、ひっかける感じでいいか。


 他に何か付け足す必要がありそうなものは.....ないか。何か気が付いたら、その都度、改良していけばいいしな。.....そう考えたら、布を余分に内側にいつでも使えるようにまんまで付けておくか。


 .....よし、出来たな。さてと、次は....


「ソータ!もう買い物は終わったのね。あたしもちょうど荷物をまとめるのとおじさんたちとの話が終わったわよ!」


おっと、びっくした。しかも、来てたのに気が付かなかった。でも、ちょうどキリがよかったな。だけど、


「アリサ、後ろから急に大声で話しかけられるとね?ほとんどの人はびっくりするからね?うん。だから、出来るだけ、自分の事を気づかせてから話しかけようね?驚いた一人だから。」


「えっと.....それはごめん!これから気を付けるようにするわ!」


声が大きいのは変わらないのね。.....言い方変えよう。元気なのは変わらないのね。本人が気を付けるってんなら、まあいいや。


 俺はいろいろと出していたものを片付け、アリサに、


「そういや、キリュウさんとメルカさんとどんな話をしたんだ?」


と気になっていたので、聞いてみた。


 しかしアリサはなにやら表現しがたい複雑な顔になり、


「まあ、色々よ。今までの思い出とか、気を付けてほしいこととか。そんな感じ。」


 オケ。そういうことね。でも、釈然としない言い方ってことは少なくとも今はあまり俺に話したくない内容なのだろう。だけど、それを無理に聞くというのは無粋だからね。本人が話したくないなら別にそれでもいいか。


「まあ、ここには一日だけとはいえ、俺も世話になったからな、ちゃんとメルカさん達にあいさつとお礼をしてから行くことにするよ。」


「そうね。ちょうど、おじさんたちもソータにあいさつをしたいって言ってたから、それがいいでしょうね。」


そうなのか。それなら尚更行っておきたいな。


 ......あれ?何かおかしいような...あっと、


「アリサ、そういえば荷物ってどこにあるんだ?荷物をまとめて持ってきてるんだよな?」


「そうだったわね。......ソータには分からなかった?『荷物の重さがない』って自分に『偽装』して、見た目も『荷物がない』って『偽装』することで、何も持っていないような感覚になるの。一応、あたし自信には荷物は見えるから大丈夫よ。.....それにしても、スキルの影響があるのは必ず、お互いにあるという訳ではなさそうね。」


アリサはそう言って指を鳴らす。


 すると、アリサの背中にパンパンになったバッグが出現した。


「うっ......重い.....見せるために解除しなければよかったわ。せめて、下ろせばよかったわ....」


そう言いながらプルプルしていた。どうやら、バッグが重すぎて、下ろすにも下ろせないらしい。


「はぁ....ちゃんと気をつけなよ。下手したら、骨とかをやるかもしれんよ?」


そう言いつつ、アリサの背中からバッグを下ろしてあげる。一体何が入っているんだ?と思うぐらいにはずっしりとした重量を感じた。でも、買い物した後のカバンと同じぐらいの重さぐらいには感じるから、全部荷物が入ってると考えたら、妥当なところか。


「ありがと。ソータ。気を付けるわね!荷物は持ってもらっても大丈夫かしら?」


「別にいいけど....何で?さっきの方法を使えば大丈夫なんじゃないのか?」


「大丈夫じゃないわよ!偽装してる間も体が重さから来る疲れがくるの!だから、正直、疲れるから無理!そういうことよ。わかった?」


「オケオケ。そういうことならわかった。荷物は全部俺が持つから安心しな。」


「いえ、さすがに全部持つっていうのはあたしとしても申し訳ないと思うから...この布とかが入った袋ぐらいは持つわよ。」


そういうつもりじゃないんだけどな......でも、本人がそう言ってくれるなら、手伝ってもらおう。


「それじゃ、このバッグに布を袋ごと入れておくから、それを背負って持ってくれ。手で持つよりはいいと思うぞ。」


「ありがと。.....もうこれで荷物は全部かしら?」


「だよ。それじゃあ、まずはメルカさん達の所に行こうか。」


「そうね。あたしもそれ以外にやり残したことはないし。」


 俺たちはメルカさん達の所に向かう。


 そのうち、メルカさんとキリュウさんの姿を見つけた。なにやら話をしていたようだったが、俺たちにすぐに気が付いたようで、二人とも、こちらを向いた。


「ちょうどよかったな。ソータ君、君に渡したいものがある。」


メルカさんはそう言って、取り出したものは....


「手紙....ですか?」


「そうだ。じゃが、今はまだ開けないで欲しいのだよ。」


「え.....じゃあ、いつ開ければいいんですか?」


「そうだの......本当に何もやることがなくて暇なとき、もしくは、アリサに、いや、メルフェ(・・・・)に関わることに巻き込まれたときに開けてほしい。」


メルカさんはそう言って、更にもう一つ取り出そうとしていたが、それより先に、


「えっ....?待って、なんであたしの『本名』って書かれてるところの名前が....本当にあたしの名前なの?それよりも....おじさんたちに見せたことないのに....何で知ってるの....」


と、驚きを隠せていない様子でアリサは動揺していた。それを見かねてなのか、キリュウさんが、


「アリサ、大丈夫だ。ちゃんと本名だ。でもまあ、隠していたのには、ある理由があるんだ。」


フォローになってる?それ。


「理由?どんな理由なの?」


「すまんな。それはまだ言うときじゃない。だが、そこのソータ君と一緒に生活でも旅でもしていれば必ず理由が見えてくるはずさ。俺の勘と、メルカの予感(・・)が告げているから間違いはねえ。それと、さっきした約束は守ってくれよ?万が一、破ってもいいときはそんな状況になった時だけだからな。」


キリュウさんはアリサにそう言い、


「そろそろ注文が入ってくる時間だな。一足先に行くぞ。よろしくな、ソータ君。頑張れよ。アリサ。」


と言って食堂の方に向かってしまった。


「すまんね。ソータ君。あれはメルカなりの別れの仕方なんだよ。そこは理解してくれると嬉しいだが....」


「もちろんですよ。むしろ、『自分らしさ』があって、いいと思いますよ。ああいう感じでも。」


「そうか。ありがとう。ところで、さっき言おうと思ってたんだが、これを君に渡しておく。もしも、これを見るときは、極力、アリサがいないところで見てくれ。もしもばれた時はワシからもらったと説明しておくれ。ついでに、うちの自慢の『スァユ』もあげよう。これでうまい料理でも作ってくれ。」


そういって渡してきたのは、10センチほどの水晶玉と瓶に入った、黒い液体のようなものだった。そして、メルカさんは


「ワシはもう年だ。あの約束からはまだ少ししか経っておらんが、あいつらの意志を、アリサを、託したぞ。


 一つだけ言っておこう。ソータ君。君はこれからいくつもの困難や、事件、出会い、そして、別れに直面するだろう。だが、それに対して目を背けるな。目を背けた瞬間に後悔をする。


 だが、これは君次第だ。君の選択が大きな選択になる場合もある。そして、これは約束してほしい。何があっても、自分が信じた者を裏切るようなこと、失望すること、これだけはしないでほしい。


 己の選択を信じろ。あとから迷うな。だが、今は迷いに迷え。迷って迷って、その先に答えが出なくてもいい。それに、失っていないからこそ分からないこともある。だがな、何かを失ってから気が付くぐらいなら、一生気が付かなくてもいい。


 とにかく、信じたものを貫け。何があってもな。だが、欲張りすぎるなよ?欲張りすぎれば必ず何かを失ってしまうからな。


 頼んだぞ!ソータ君!それじゃあ、また会う時まで。いつでも待っているよ。


 アリサもね。また会う時まで、いい子にしてるんだよ?」


「うん、そうする。今までありがとう。わたし(・・・)、次会うときには今までよりも強くなって帰ってくるね!それじゃ、行ってきます!」


「ああ、行ってらっしゃい。ほら、ソータ君も。」


「はい。昨日と今日の間だけでしたが、こちらこそ親切にしていただいてありがとうございました。それでは、俺も行ってきますね。」


「そうだ、な。分かれはさみしいが、いつかは来る。.....大丈夫だ。ワシには最初からこうなるって予感(・・)していたしな。ちゃんと安心できるんだ。」


『予感』ってどういうこと?そういえばさっきもそんなこと言ってたけど.....


「今ソータ君が思っているであろう疑問は今は答えないでおこう。そのうち、わかるさ。だけど、勝手な詮索はよしてくれよ?」


「.....分かりました。改めて、ありがとうございました。」


「さあ、アリサも待っているだろうし、早く行ってあげな。またね。」


俺はその声に促され、外に出る。


「待たせたね。アリサ。それじゃ行こうか。」


「そうね!あたし(・・・)はいつでも準備オーケーよ。」


「いや、そうじゃなくちゃ困るんだが。」


俺たちは歩き出す。


 入り口で温かくこちらを見て手を振ってくれてるメルカさんといつの間にか来ていたようで、キリュウさんも手を振ってくれた。


 まるで、自分たちの本当の子供を見送るように。




 ワシは一つため息をつく。あいつから頼まれたことを10年で他の者に託してしまった、自分に対してだ。しかし、ワシの『勘』は信じられんが、『予感』は信じられる。だからソータ君に託したのだ。


「アリサ、か。」


ワシはついそう呟いてしまう。そして、その言葉はキリュウにも聞こえていたようで、


「あん?急に名前を言ってどうしたんだ?」


と、当然の疑問を抱いておった。


「いや、ワシらが考えて付けた名前が普通になっていただろう?それがアリサを驚かしてしまったわけだが。やっぱり、メリーネとフェルミーがつけた名前の方がいいと思ってな....今日の今日まで隠していたのは悪いことしたな....」


 ま、ソータ君も知っていた様子だったし、大丈夫ではありそうだがな。


「いいんじゃねえか?最早『アリサ』が本名みたいなところもあったしな。あの二人ならもしかしたら、

メルフェ(・・・・)』の秘密を見つけてくる。確実な予感(・・)がするのだよ。」


「はっ!なら、そいつを信じるしかねえな。若いやつと一緒にいたほうが色々と見つけやすいってもんもあるだろうしな。」


「そういうことだな。........それじゃ、厨房に戻ろう。そろそろ注文も活発になるだろうしな。」

「おう。さっき、2つぐらい注文が来てたぞ。」


「分かった。ワシたちも頑張ろうじゃあないか!」


 だが、あのことはキリュウにも隠したままで。おそらくこの世界のごく少数しか知らないことを。そして、それによってワシの容態もかなり悪くなってきていることも.......


 いかがでしたでしょうか。今回はメルカさんがなにやら含みが入った発言が多かったと思います。果たして、メルカさんの発言の意味とは....?


 次回の投稿も来週の金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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