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俺です....すいません....

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

俺たちは外に出て、城に向かう。


「そういえばソータ。今日の明け方に倒したあいつのことだけど、どうするの?」


「どうするってどういうこと?」


「地下室のドアを開けっぱなしで来て、見つからないわけはないでしょ?だから、聞かれたときにどう答えようと思ってるの?」


 あ~、確かに。タイミング的にも必ず、少なくとも何か知らないかを聞かれるな。どう答えよう?正直に答えてもさらに深く聞かれるだろうしな。だから....


「もう知らないふりでいいんじゃないか?」


という結論に至った。


 だって、めんどうくさくなるぐらいなら、知らないふりをした方が手っ取り早いよな。ゼリージさんには悪いけど。


 それを聞いたアリサはというと、


「そ。ソータがそう決めたならそれでいいわ。あたしも面倒くさいことは嫌だからね。」


うっ....考えが読まれてた....


「ま、それならそれでいいか。色々と話さないといけないこともあるから、そっちに時間をかけていられないってことで。」


 俺がそういった頃、城についた。


 そして、門の所に目を向けると、案の定、何か慌てている様子だった。


 俺たちはそこに申し訳ないとは思ったが、


「すみませーん、ちょっとゼリージさんに用があってきたのですけど、いいですか?」


と聞いてみた。


 すると、門番の人は、


「お前さんがソータだったか?」


と逆に聞いてきた。


「まあそうですけど...」


「ちょうどよかった。ゼリージ様がお前に伝言をとこの手紙をわたしてくれたのだよ。ちょっと読んでみてくれ。」


そういって、その門番さんは手紙を渡してくれた。


 内容を読んでみると...


『ソータよ。昨日の人員を派遣するという件だが、ちょっと王城内でトラブルが起こってな...そちらの対応で相談する時間もなければ、明日も忙しくなる見込みなのだよ。だから、一週間後に来てくれ。その時に人員派遣の話をしようではないか。


 追記:それはそうと、王城内によもや『異研』どもが紛れていたのだよ。わしは魔獣人族たちが差別されるのはあまり気持ちの良いものではないのだよ。だが、それを口外してしまうと、弱みを握られるきっかけになる可能性があるでな、あまり大きな罰は与えるつもりはないのだが、未知の力を持っているであろう君に頼む。魔獣人族たちがせめてこの国だけでも安心して暮らせるように、『異研』の奴らを見つけたら懲らしめておいてくれ。お主ならばできるはずだぞ。それでは頼む。   ゼリージ』


 えーと、なんか押し付けた感がすごいな。というか「やるよな?」っていう圧が強いのだが。別にいやっていうわけじゃないけど。しかも『追記』って言ってんのに、本文より長いのだが。


 俺はその門番さんにお礼を言ってその場を離れ...ようとしたのだが、その門番さんは、


「ちょっと待ってくれ。聞きたいことがあるのだが....」


確かにね。予想通りにね?そりゃ聞かれるよね?


「はい、何ですか?」


だがここはもちろん、知らないふりをする。最後まで知らないふりを貫き通そう。


「昨日、この王城内で誰かが侵入した形跡と共に中に『異研』の奴らがいたのだ。そいつらはこの国では環境や騒音等で迷惑をかけるから、組織ごと来るのを禁止しているのだが....なにか少しでも知っているかどうかの情報を少しでも集めているのだよ。

 それで、何か知っているだろうか?何か見かけたとかの情報が少しでもあれば聞いておきたいだが。」


「いいえ?全然知りませんでしたよ?そもそも、昨日ここに来たのでそんな情報は持っていないです

よ?」


俺がそういうと、門番さんは納得したのか、


「そうか。何か分かったら教えてくれ。それじゃ、またな。」


そういって、奥に引っ込んでいった。門の向こうにって意味だからね?もちろん、もう一人いるから門番が機能しなくなることはないとは思う。


 それでは、一応はここでの用事は終わったから、買い物に行こう。


 と、その前に、


「アリサ、もうそろそろ日が落ちてきたけど、宿に戻って出かける前に話をした方がいいんじゃないか?暗くなってから森に戻るのは危険になるからね。というか、リーズ達、家の動物たちな?が心配だし。市場まで案内してくれれば目的の物を買って宿に戻るけど。」


ちなみに、今は大体3時から4時の間ぐらいの昼から夕方に差し掛かるころだ。(俺にとってはね?)


 アリサの答えは....


「それじゃ、その言葉に甘えて。市場まで案内したら先に宿に戻らせてもらうわね。」


「うん、それじゃ行こうか。」


「そうね。わたしについてきて。」


アリサはそう言って歩いて行った。


 俺もそれについていくが、俺ってそういえば何も話題がなければ自分から話すのは苦手だったな。全然話が続かんな。俺もそのうち、この悪癖を治していかないと。あんな風に言ってるのに顔向けできんわ。俺はいつも口だけだから自分でも信用も実現もできるのか分からんが。


 俺たちはしばらく歩いて人がたくさんいる、にぎやかな場所についた。


「着いたわ。ここが市場よ。色々とあるから便利よ。わたしも結構ここにはお世話になったわ。.....それじゃ、あたしは宿の方に戻って色々と準備をしてくるわね!」


「ありがとう。ちゃんとここから宿までの道は分かるから、行ってきな。」


「うん、それじゃあ、また後でねソータ!」


「声でけえよ。叫ばんでもいいから。」


そしてアリサは駆け出して行った。


 よし。欲しいものが売っているのかは分からんけど、優先的に色んな野菜とどんな布でもいいから布、もしくは糸でもいいから結構大量に欲しいな。


 俺は市場を見て回るのだが、市場というより、通りにいろんな店があるという商店街と言った方が近い感じだった。少々俺の想像していた市場とは違ったが、別にそういう認識の違いぐらいはあるだろうからいいだろ。


 それじゃ、見てみるか。まずは一番手前の店。


 売られているものを見ると、肉屋って感じだった。しかも、ソーセージもぶら下がっていた。なんか、この店は異世界の肉屋とかあったらこんな感じだろうって感じの肉屋だったから、少しうれしかった。


 もちろん、色々な肉が置いてあった。まあ、中には肉なのかと疑いたくなるものも売られているが。


 とりあえず、脳内地図にピンを止めておく。入り口からここまでしか完成していないが。


 先にどこに行かないといけないかの目途をつけてから必要なものを買おう。


 次は....服とアクセサリーと家具があるから、なんていうんだろ?この場合は。.......分からんので、チェックしておいて、次。


 他にもなぜかひたすら卵だけを置いている店とか、店と店の間に銭湯があったり、完全に見た目で判断しているが、ガラが悪そうなおっちゃんたちがやっている本屋もあった。


 だが、今はそこではなく、ほかの途中で見つけた、布屋と八百屋と調味料だけおいてある店があったから、そこにも行くことにする。にしても、この市場(商店街だよ?)の売られてるものの幅が広い。しかも値段が大体は地元で売られていたものと数十円高いぐらいでそんなに変わらなかった。


 それじゃ、まずはすぐに傷んだりしない、布や服を買うことにする。


 まずは一番近い、布屋に行くことにする。他に言い方はないのかというかもしれんが、全部そのまま店名を読んでいるだけなんだよ。


 よし、それじゃあ、中に入るか。


 中に入ると、中に一人の店員さんがいた。眼鏡をかけていて、優しそうな雰囲気を纏っているおばあさんだった。しかも、店の奥を見てみると、趣味で作ったものなのか、様々なサイズの毛糸で作られたセーターのようなものや、ハンカチやマフラーのようなものもあった。


 そして、店のサイドには大量の様々な色の巻かれた状態の布があった。何なら自立してた。数十メートルはあるね。これは。しかも、色んな布の目の大きさがあるから、汎用性も高いから俺みたいに何かを作るための布を探している人にはぴったりの店だった。


 俺は中にいたその店主であろう人に声を掛けた。


「すみませーん、布を買いに来たんですけど、結構種類が多いですね。何かおすすめとかありますか?」

 しかし、反応はない。むしろ、こちらに気が付いていない。


 あれ?奥のドアになんか書かれた紙が貼られてる。えーと、


 『御用の際は大きな声で30センチぐらいの距離で話しかけてください。でないと、ほとんど聞き取れません。話しかける際は目の前で手を振るなどして自分の存在を気づかせてください。 by店長の孫』

 ちけえよ。しかもなんだ、このマニュアル感は。


 まあこの世界には補聴器とかないっぽいから聞こえないし、それを伝える方法はこれぐらいしかなさそうだから仕方ないんじゃないかな?実際に補聴器的なものがあるかどうかは知らんけど。


 大きな声ってどんぐらいの声量やろ?さすがに叫ぶレベルだと驚かしそうだけどな。


 その前に目の前で手を振って俺の存在を気づかせないといけないんだな。


 俺はそのおばあさんの目の前で見えるように手を振る。すると、俺の存在に気が付いたという様子で俺の方を見て、


「いらっしゃい。すまないねえ。耳が遠くて。それで、どんな布が欲しいんだい?分からなかったら何を作りたいかを言ってくれればおすすめを教えるよ。」


お、それは助かるね。正直、どんな布がどんなものに合うかなんて分からなかったからな。


「それじゃ、服と家具を作るための布をお願いします。」


この大きさで大丈夫かな?結構室内にしては声がでかかったと思うけど。


「えぇ?何か言ったかい?」


まだ駄目か。もっと声を大きくするか。


「服と家具を作るための布が欲しいです!」


これならさすがに.....


「えぇ?何と言っていたのか聞こえなかったよ。もう一度言ってくれるかい?」


ダメかよ!もっと声を大きくして、それにゆっくりはっきり言った方がいいって聞いたこともある気がするからゆっくり、大きな声で言うことにする。


「あの!!服と家具を作るための布を探しています!!」


その声でようやく聞きとれたのか、


「おお、そうかい。それなら、服には、ちょいとばかし高いが、この綿の素材がおすすめだよ。ちょっと縮んだりするが、そこはうまくやっておくれ。どうしてもの時はまたうちに来てもいいんだよ。また買えばいい話だ。

 それと.....家具と言っておったかい?」


「はい!!そうです!!」


「そうかい。それならこの『ダカウの皮』がいいよ。もう処理はしてあるから形にするだけで触り心地の良いのがすぐできる。もう触り心地はいいねんけど。今その素材の生地だけ見えるようにするからワタシの手に触れんさい。握手がいいね。」


そういっておばあさんは手を俺に差し出してきた。


 俺はそのおばあさんの手を取り、握手をする。


 すると、店の中がおばあさん含め、全体的に色あせたのだが、いくつかの生地のロールだけ色がついて見え、その分色濃く見えた。かなり奇妙な感覚で目が回りそうであったが、しっかり意識を保ってその中に見える色のものでよさげな色のものを選んでいく。


 よし。これぐらいでいいかな?選んだ色は....まだ言わないでおく。俺も実際はどうなるか分からんからな。でも想像はできてるから問題はないだろう。しかも結構様々な色の布にしたし。


 裁縫すら初心者の、何なら針の穴に糸を通すのに数十分かかるレベルの俺が言うのもなんだが。


「これでお願いします!!結構使いそうなので、全部2メートルぐらいはおねがいします!!この布は5メートルほどをお願いします!!」


そう伝えると、おばあさんは


「おお、そうかい。いい色を選んだねえ。ワタシのスキルのおかげかもしれんのう。」


「まあ、それもあると思いますけど.....」


おばあさんがそういうので、俺は割と真面目にそうかんじたのだが...それを聞いたおばあさんは顔を綻ばせるように笑って、


「冗談だよ。どら、そろそろ解除してあげなね。」


 そう言っておばあさんは指を鳴らした。そうすると、周りのさっきまで見えていた色以外も見えるようになった。


「それじゃ、お会計ね。全部で.....21000サルサだね。お金を渡してくれたら、もう店を出てもいいよ。もう切り終わってるからね。」


俺はおばあさんに21000サルサを渡し、おばあさんから布の入った袋を受け取った。


 速すぎん?どこでそんな切るタイミングとかあった?一切そんな感じはしなかったけど.....


 まあ、考えても答えは出ないだろうから、素直に受け取ろう。


 俺はおばあさんにお礼を言って、店を後にした。


 それから俺はその後、様々な店で必要なものをどんどん買っていった。ついでに、参考用に服も何着か。


 そして、俺は脳内地図に印をつけた、最後の店に来たのであった.....


 いかがでしたでしょうか。今回は「市場」というよりは「商店街」的な所に行きましたね。果たして、蒼汰は何を買ったのか、そして、布屋のおばあさんの正体とは....?


.............知りません。いずれ分かるかもしれませんが、今は知りません。


次回の投稿も来週の金曜日の予定です。


 それでは、また次回お会いしましょう。


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